小説『フェアリーテイル〜虹の滅竜魔道士〜』
作者:冒険ファンタジー()

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前書き
原作とは違い、ルーシィは風邪を引いてません。


『虹の桜』


ハコベ山


俺達は煎じて飲むと魔力が一時的に高まると言われてる薬草を取りに来ていた。
何故その薬草を採ってくるって?明日は年に一度の花見があるので、薬草は花見で行われるビンゴの景品にするつもりらしい。
本当は依頼でだけど、多めに手に入れたら景品にしようと考えたからだ。
まあ、ウェンディちゃんが一緒に来てくれるのはありがたいからね。
風邪引いちゃうといけないから、毛皮の毛布(熱貝(ヒートダイアル)入り)とか毛皮のコート(ヒートダイアル入り)とかたくさん用意してきました。

「はぁ〜、暖まる〜」
「ホント、暖かいですね〜」

ウェンディちゃん、ついでにルーシィが「ついで!?」絶賛してた。つか、心読むな。
ちなみに二人はいつの間にか開門したホロロギウムの中でヌクヌクしてた。

「「あたしってまたここで薄着で来ちゃったからどうしようと思ったけど、ギアスが温かくなる毛布とかコートとか用意してくれて助かったわ〜」「温かいです〜」と申しております」

いちいち代弁するのも大変だなホロロギウム。
途中バルカン達の邪魔が入ったけど、俺達は問題無かった。

「「すんごい綺麗なんだよ、マグノリアの桜ってね。しかも夜になると、花弁が虹色になるの!そりゃもう、ちょ〜綺麗で〜!」「虹色の桜!?わぁ想像しただけで綺麗!」「でしょでしょ!」と申しております」
「そうそう、何てったて虹色の桜は摘みに最高なんだよ!揚げても美味いし、酒に入れてもまた格別な味わいが…」
「それはお前だけだろ!」

うおっ!?エルザに突っ込まれた!?

「虹竜だから虹の桜は大好物ってか?」
「良いな〜ギアスは。どっかに炎の桜とかねえかな?」
「あるかそんなモン!」

グレイとナツは毎度お馴染になってる漫才をした。
つか炎の桜って…ただの燃えてる木じゃねぇの?

「止めんか!」

エルザが二人を制した事もまたお馴染。
すると、

「時間です。ではごきげんよう〜」

ホロロギウムのいる時間が終了した為、閉門した。
その結果、

「「さむ〜!!??」」
「おいおい…」
「お前達もちゃんと探さないか!」

ルーシィとウェンディは当然強制的に外に出てしまい、寒がった為か二人で抱き合った。羨ましい…。
するとナツが、

「お!匂うぞ、これぜってぇ薬草の匂いだ!」
「相変わらずすごい鼻だね…」
「ってか、あんたその薬草の匂い嗅いだ事ある訳?」
「ギアスはどうなの?」
「確かに山頂付近から嗅いだ事の無い草の匂いが漂って来るな」
「良し、行くぞハッピー!」
「あいさー!」

ナツは山頂へ一気にに走り出した。
ハッピーもナツの後を追って行った。
残った連中も呆れながらナツの後を追った。

「あった〜!」
「早っ!?」
「早ぇ事は良い事だ…」

ナツの叫びでルーシィは呆れてた。
つかグレイ、その台詞はレーサーのだろ?

「さすがだな」
「ナツさんすごい!」
「やっぱり獣ね」
「何か腹立ってきたな…」
「ギアス、ナツに嫉妬しないで…」

ウェンディちゃんに褒められてるナツに嫉妬しているギアスだった。

「お〜し、さっさと積んで帰るぞ」
「あいさー」

その時、

「「?」」
『ガアアアァァァァァッ!!』

ブリザード・バーン、通称白ワイバーンが襲ってきた。
しかも意外と草食で、好物が目的の薬草だという。

「何ぃー!?」
「一人占めする気だ!?」
「確かこうゆうのを一石二鳥とか棚ボタっつうんだよな?白いワイバーンの鱗は、結構高く売れるって知ってっか?」
「おーし、薬草ついでにコイツの鱗全部剥ぎ取ってやんぞ!」

ナツとグレイが戦闘態勢に入った。
ナツの言い分で白ワイバーンが怯んだ。

「んじゃあ軽く捻って、鱗を取るかな」
「ここは私たちに任せて、ルーシィ達は下がってろ!」

ついでに俺とエルザも戦闘態勢に入った。
今日のエルザの鎧は雷帝(らいてい)の鎧か。

「私たちはアレの注意を引き付ける。その隙を窺って、ルーシィ達は薬草を採取するんだ!」
「はいっ!」
「仕方ないわね」
「え〜…何か一番危険なポジションではないかと…」
「頼んだ!!」
「はっ、はい!?やります喜んで!?」

相変わらずエルザの頼み込みは凄まじいな。

「行くぞ!ナツ、グレイ、ギアス!」
「「「応よ!」」」

四人は白ワイバーンに仕掛けた。

「火竜の、煌炎!!」

ナツが火竜の煌炎を放ったが、白ワイバーンの翼の風圧で跳ね返された。

「「きゃあぁーーーーーっ!!??」」

跳ね返した先には、薬草を採取中だったルーシィとウェンディがいた。
もちろんハッピーとルシアとシャルルが間一髪二人を助けだした。

「はっ!?ウェンディちゃんが!!?「あたしはっ!?」コンノォ、ウェンディチャンニ怪我サセタラドウスル気ダコノハネトカゲガァッ!!」

ギアスは人外化しようとしていた。

「うわ怖ぇ!?」
「ギアスの逆鱗に触れたみてぇだな…」
「これから起こる事を想像すると、白ワイバーンが哀れに思えるな…」

ナツ、グレイ、エルザも白ワイバーンに同情していた。

「滅竜奥義ィ…」
「「「いきなり滅竜奥義!?」」」
「彩光…」

人外化したギアスは白ワイバーンよりも高くジャンプした。

「(ギア、?(サード)!骨風船!)」

ギアスは親指を口に付け、思いっきり空気を入れると、腕が巨大化した。

「制裁撃ィィィィィッ!!」

ドッゴォォォン

巨大化した虹竜の聖拳で白ワイバーンを押し潰した。

「判決・・・死刑!!」
「「「「「「「「小っちゃ!!?」」」」」」」」

いつもの様に腕を十字に振り、決めポーズを取った。
ギア?を使った所為で縮小したギアスを見て一同はそう言った。
そして、

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「何この音?」

ルーシィが振り向くと、そこには…。

「雪崩ぇぇぇぇぇっ!!?」

そう、先程のギアスの一撃で山が揺れ響いた為、雪崩を引き起こしたのだった。

「てへっ」
「「「「「「「「てへっ、じゃねー!!」」」」」」」」

元の大きさに戻ったギアスは、御茶目な態度を取り、全員に突っ込まれた。
そして雪崩に巻き込まれていった一同。

「うわー…」

いや、ウェンディとルーシィはハッピー達によって上空に逃げていたから助かったようだ。
薬草もどうやら無事に採取出来た様だった。

「皆無事か?」
「「うっぷ…」」
「ギアス、お前が暴れるからだろうが…」

俺達は白ワイバーンに乗っていたから平気だった。
つか…酔った…。
無事薬草と白ワイバーンの鱗をゲットした俺達は、ギルドへと帰っていった。


翌日、虹の桜園


待ちに待った花見の日がやってきた。

「良い天気だな」
「絶好の花見日和だね」
「クッキー焼いてきたけど食べる?」
「食べる食べる!」
「相変わらず騒がしいな」
「こうゆう日は無礼講だ。私も貰って良いか?」
「俺もパイを焼いて来たんだが、食うか?」
「えっ!?ギアスさんて料理で来たんですか?」
「ギアスの料理は美味しいよ」
「意外!?」
「驚く事か?」
「ギアス様、お注ぎします」
「あっ、わりぃ離瑠」

始まって早々騒ぎ始めたいつものメンバー達。
他の所は、

「これは私のだからね!」
「樽(酒入り)ごと持ってきたんか!?」
「誰も取りゃしねぇっての」

カナとワカバとマカオの所は相変わらずだな。

「花見は、漢だー!」
「意味解んないよ…」
「レビィ、何食べる?」
「レビィ、何飲む?」

エルフマンも相変わらず漢と言ってるし、そんなエルフマンに突っ込むレビィ。
ドロイもジェットもレビィに何か勧めてるし。

「グレイ様、お注ぎしますわ」
「あっ、わりぃなジュビア」

結構良い雰囲気だなジュビアとグレイ。

「あたし楽しみだったのよね花見!」
「私も楽しみです!」
「僕も皆で花見なんて初めてです!」
「花見か、久しぶりじゃのう」
「ギド〜、爺臭いよ?」
「ほっとけ!」

ルーシィと元ケット・シェルター組も楽しんでるな。

『セツナ、ガジル様にワカメ酒を勧めたら?』
「ぶっ!?クチナシ、何言ってんのよ!?」
「んい?クチナシちゃん、ワカメ酒って何?」
『ワカメ酒と言うのは…』
「ミオは知らなくて良いわよ!」
「…イカレてるぜ…」

…元ファントム組も、花見らしく盛り上がって…るのかな?

「偶にはこうやってのんびりしているのも良いですね。ところでセト、貴女はどうしてそんなに気合が入ってるんですか?」
「ああ、今年こそ高額な商品をGETしてみせる!!」
「あらあら、それで気合が入ってるんですね。あたしも今年こそは手に入れてみせるわ!」

セトもソルヴァも楽しんでるな。つかセト、お前当たったら絶対換金する気だろ?
しばらく騒いでると、ビンゴマシーンが出てきた。

「それではこれより、お花見恒例のビンゴ大会を始めま〜す!」
「「「「「「「「「「ビンゴ〜!!」」」」」」」」」」

ビンゴ大会が始まった。
前は全然来なかったからな。今年は狙うぜ!

「よっほっほっほ、今年も豪華な景品が盛りだくさんじゃ!皆気合を入れてかかって来〜い!」
「「「「「「「「「「おお〜!!」」」」」」」」」」
「皆、用意は良い?」
「「「「「「「「「「あいさ〜!!」」」」」」」」」」

だから何故返事がハッピー?

「それじゃあ、真ん中の穴を開けて下さ〜い」

良し来い!

「レッツビンゴ!」
「まずは一発目じゃ!」

マスターが魔力を込めると、ビンゴマシーンが回転を始めた。
出た目は…。

「24番」

24…24…無いか…。

「やった!いきなり来たよ!」
「すっごい強運!?」
「「レビィ頑張れ!」」

カナがいきなり来たみたいだ。
その後4回くらい続いた。

「続いて…5番」

おっ、あった!

「うお〜、開いた!漢だっ!」
「漢は関係無ぇだろ」
「…全然来ないな…」

エルフマンが叫び、ガジルが突っ込み、ナブはぼやいた。
続いて11回目、

「68番」
「ビンゴだぁぁぁっ!!」

もう来たのかよエルザ!?

「ノリノリだな…」
「グレイ様、ジュビア、リーチが三つもありますわ」
「そりゃすげえな」

ジュビア…結構当たってたのかよ…。

「初ビンゴはエルザね」
「運も修練の賜物だ。で、景品は何だ?」

そわそわしてるなエルザは。

「はぁ〜い、これ。一時的に魔力がアップさせると噂の、薬草で〜す」
「何ぃっ!?」

それって、確か昨日…、

「これは昨日私たちが取って来た物だろ!?しかも既に枯れている…」

あの薬草が茶色くドヨドヨした感じになっていた。

「急に温かい所に持ってきたかのぅ」
「私の…ビンゴがぁ…」
「あらあら」

エルザ…哀れだ…。

「なるほど、最初の方の景品は大した事無い物って訳ね」

シャルルが的を得た事を言った。

「ギアスゥー!頼む、せめてこれを元の状態にしてくれぇぇぇっ!!」
「どわぁっ!?エルザ!?分かったから急にしがみ付くな!?」

エルザが泣きながら薬草を持ってギアスにしがみ付いてきた。
さすがにかわいそうだったから、時のアークで変える前の状態にしたら、エルザは少し機嫌が治ったようだ。
その後も何人かビンゴしていった。
俺もダブルリーチしてるのにまだ来ねぇよ…。

「63番」
「ビンゴー!!」
「マジか!?俺一個も来ねぇ!?」
「おめぇは爪が甘いんだよ」
「父ちゃん頑張れ!」

次はカナか。
つかマカオ、今まで一個も来ないなんて、ある意味才能だぞ?

「絶対当たらない気がする…」
「シャルルの予感は良く当たるけどね…」

まあシャルルは未来予知が無意識に使えるからそう思うだろうけどさ。

「う〜、景品がそろそろ無くなっちゃうよ…」
「僕もう自信無くなってきたよ…」

ハッピーとルシアはちょっぴり気落ちしてきた。

「来い来い来い来い!」
「お願い来てー!」

ナツもルーシィも気合を入れていた。
すると、

「115番」

115…115…115…115…おっ!

「「「「ビンゴォー!!」」」」

やっと来たぜビンゴ!って!?

「「「「あれっ??」」」」

げっ!?よりにもよってエルフマンとジュビアとレビィとかぶっちゃったよ!?

「あらあら?」
「四人同時か?じゃあ一発芸で一番面白い奴に景品をやろうかの」
「「「「一発芸!?」」」」

一発芸ね…。

「景品はなんと、アカネリゾートの高級ホテル、二泊三日のペアチケット!」
「ぬぅわぁあぬぃいいいぃぃぃぃぃっっっ!!?ペアチケットだと!?」
「「「「「叫び過ぎだギアス!!?」」」」」

だってだって、ペアだぞ!二人でだぞ!興奮しない訳が無い!!

「すごい!」
「「ペアで旅行!!」」

ドロイもジェットも、今の俺と同じ心境だろうな。

「アカネリゾートか、姉ちゃんにプレゼントしてやる!」

姉孝行だなエルフマン。

「グレイ様と二人っきり…二泊三日…ジュビア、まだ心の準備が…」

ジュビア…お前新婚旅行と勘違いしてねえか?まぁ無理も無いけど。

「よぉーし!絶対ゲットして、ミオたんかウェンディちゃんか離瑠か山田たんに誘って行くぞぉっ!!」
「ちょっ、ええっ!?さり気に僕も入っていませんでしたか!?」
「「「「「…ドンマイ…」」」」」

何故皆クルスに同情してんだ?
すると、

ポロ〜ン

いつの間にかまた白スーツを着たガジルがスタンバっていた。

『一発芸…それは、一度きりギリギリの戦い!つまり俺の出番て事さ、相棒…』
「「「「「またお前かぁっ!!?」」」」」
「頑張ってガジル先輩!」
「引っ込めー!つーか、リーチもしてねえだろお前は!」

ガジルは放っておいて、全員が一発芸をした結果、

「漢だぁー!!」
「ペアチケットはエルフマンに決定ね」

エルフマンが優勝してしまった…。

「グレイ様との…旅行が…」
「残念だったなぁ…」
「「くっそう…」」

ジュビアとレビィ(つかドロイとジェット)は残念そうだったが、

「ぐおおおぉぉぉぉぉ…ペアチケットォォォ…」

ギアスが一番悔しがっていた。(某割れ頭風に落ち込んでいた)
しかしほとんどの連中は「ギアスに当たんなくて良かったな」と思っていた。
折角のチャンスをモノに出来なかったぁ〜…。
しばらく落ち込んでいたら、いつの間にかビンゴ大会が終わっていた。
そして夜になるまで騒ぐ一行。

「そろそろ時間だな」
「時間?」
「虹の桜が咲く時間だよ」
「えっ、そろそろなんですか!」

すると、桜の花びらが虹色に染まっていった。

「「「「「うわぁ〜!」」」」」
「今年も綺麗だな」
「「「綺麗〜」」」
「こんな桜もあるのじゃな」
「ホントに虹色だ〜!」

さてと、用意するかな?
ギアスは、酒と油と鍋を用意した。

「さ〜て、摘みでも作るか」
「ギアス…風情が無いよ…」
「ギアスの場合、花より団子だな」

良いだろ美味いんだから!
そうしている内に、花見の時間が終わった。
今年もよろしくな、フェアリーテイル。



後書き

初登場の能力
彩光制裁撃(さいこうせいさいげき)
 ギアスが思い付きで発動した技。ただ単にギア?で膨らました腕で虹竜の聖拳を行っただけ。

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