小説『フェアリーテイル〜虹の滅竜魔道士〜』
作者:冒険ファンタジー()

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『妖精たちは風の中』


クローバーの町、定例会会場、マカロフサイド


「マカロフちゅわ〜ん。アンタんとこの魔道士ちゃんは、元気があっていいわぁ〜」

いささか妙な声と格好でフェアリーテイルのマスター・マカロフに話しかけているのは青い天馬(ブルーペガサス)のマスター・ボブである。マスター・ボブの服に何故羽が生えているのかは本人しか知らない事であろう。そして名前から容易に想像できるが『男』である。

「聞いたわよ〜。どっかの権力者コテンパンにしちゃったとか?」
「おお、新入りのルーシィじゃな?あいつはええぞぉ。モチモチッ、ボヨヨ〜ンじゃ!!」
「きゃ〜!?エッチ〜!?」

マカロフのセクハラ発言に恥ずかしがるボブ。

「笑ってる場合かぁ、マカロフよぉ」
「ん?」

トゲのついた帽子を被った冷静な声が切り込んできた。声の主は正規ギルドの一つ、四つ首の番犬(クワトロケルベロス)のマスター・ゴールドマインである。

「元気があるのはいいが、テメェんとこはやりすぎなんだよ。評議員の中には、いつかフェアリーテイルが町一つ潰すんじゃないかって心配している奴もいるらしいぞ」
「ニョホホホ、潰されてみたいのぉ。ルーシィのボデーで」
「もうだめよ、自分のとこの魔導士ちゃんに手を出しちゃあ」

ひどいセクハラ発言を連発するマカロフ。
すると、青い鳥が割り込んできた。魔法の手紙を届ける魔法鳥である。

『マスター・マカロフ、マスター・マカロフ。ミラジェーン様カラオ手紙デス』
「ほいごくろう」
『マイド』

そう言って手紙をマカロフの前に落とす。マカロフはそれを開けると魔方陣が展開され、ミラジェーンの映像が現れた。

『マスター、定例会ご苦労さまです』
「どうじゃ!これが内の看板娘じゃ!めんこいじゃろう」
「「「「「「「「「「オオ〜!」」」」」」」」」」

ミラの事を自慢しまくるマカロフ。

「あらま〜」
「ミラジェーンちゃんか、すっかり大人っぽくなりやがったな」

ゴールドマインがミラの事を褒めていた。

『実は、マスターがいない間に、とってもステキな事がありました』
「ほぅ」

この後、ミラが笑顔でとんでもない事を言ってきた。

『なんと、エルザとギアスが、あのナツとグレイがチームを組んだんです。これって、フェアリーテイル最強チームかと思うんです。一応、ご報告しておこうと思って、お手紙しました』
「…………なっ、なっ、なぁぁぁっ!?」
『それでは〜』

笑顔とともにそれだけを言って、ミラの映像は消えていった。

「あらら〜」
「心配が現実になりそうだなぁ、オイ」

バタッと倒れるマカロフ。

「(なんて事じゃ、奴らなら本当に町一つ潰しかねん…定例会は今日終わるし、明日には帰れるが…それまで何事も起こらずにいてくれぇっ!頼むぅ!!)」

マカロフの心の叫びが轟いた。

サイドエンド


クヌギ駅、崖の上


クヌギ駅で騒ぎがあった。どうやら列車が奴等に乗っ取られたらしい。

「馬車や船なら解るけど、列車を乗っ取るなんて…」
「あい、レールの上しか走れないし、あんまりメリット無いよね」
「だが、スピードはある」
「列車を乗っ取るほどだ、何か急いでるみたいだな」
「俺もそう思うな」

俺の意見に同意のグレイ、つか「何故脱ぐ!?」…俺が言おうとした事を先に言わないでくれルーシィ。
ん?乗り物酔いは大丈夫かって?停まってる間なら平気になるんだなこれが。

「でもまぁ、もう軍隊も動いてるし、捕まるのは時間の問題じゃない?」
「だといいんだがな…」

そう言って、次の駅に向かった。
う〜…また動き出したよ…ナツも既にグロッキー状態だし…。
また気分悪くなったから寝ました…。


オシバナ駅前


エルザに叩き起こされました。
駅前が騒がしかった。
聞いたところ脱線事故と言っているが、実際は占拠されたらしい。
すると、エルザが駅員の人に訪ねていた。

「君、駅内(なか)の様子は?」
「ん?なんだね君h「ガンッ!」グアッ!?」

埒が明かないと判断したのか、駅員に頭突きをするエルザ。

「即答できる人しかいらないって事なのね…」
「エルザらしいっていうか…」
「エルザがどうゆう奴か解ってきたろ?」

グレイ、まt「何故脱ぐ!?」……もう俺は突っ込まんぞ。

「アイゼンヴァルトは中だ、行くぞ!」
「おう!」
「うし!」
「てかこれってあたしの役!?」

ナツの事はスルーしました。
俺達は、オシバナ駅内へと進んで行った。

「軍の一個小隊が突入したが、まだ戻っていないらしい。おそらく、アイゼンヴァルトとの戦闘が行われているんだろう」
「でも一個小隊だけじゃ、闇ギルドにはきついんじゃないのか?」

エルザの後ろについて走っているギアスが問いかけた。

「ええっ!?軍の小隊でもやばいってどんだけなのよ〜!?」

いまだ反応がない状態のナツを背負ったままルーシィが言う。

「普通の軍隊じゃまず無理だと思うな。評議員直属の部隊とかなら話は別なんだろうけど」

しばらく走ってたら、たくさんの兵達が倒れていた。

「あっ!?」
「全滅してるよ!」
「ひどい、重症だ」
「相手はギルド丸ごと一つ、つまり全員魔導士だ。軍の小隊じゃ話にならんか…」

エルザの視線の先をみると全滅している小隊達が倒れていた。そして、

「ふふふ、やはり来たな。フェアリーテイルのハエ共」

アイゼンヴァルトが待ち受けていた。

「な、何この数!?」

ルーシィはかなり、というか完全に顔面蒼白と言う感じだ。まあギルド一つが集まったのならこんなもんだろ。

「貴様!貴様がエリゴールか!」

久々だぜこの緊張感。でも、後ろでナツを起こそうとしているルーシィ、空気読もうよ。

「ハエがぁ!お前らの所為で、俺はエリゴールさんに…」
「(ん、この声…)」
「貴様等の目的は何だ?ララバイで何をしようとしている!」

分かるけどね。

「分かんねえのか?駅には何がある?」

そういって、エリゴールは空中に飛んだ。

「飛んだ!?」
「風の魔法だ!」

そしてエリゴールは、スピーカーの上に降りた。

「ララバイを放送するつもりか!?」
「ふははははっ、この駅の周辺には、何千人と野次馬が集まっている。いや、音量上げれば町中に響くだろ。死のメロディーがな」

これはブラフだ。本当の狙いは次の駅の所だ。

「何の罪も無い人達に、ララバイの笛の音を聴かせる気つもりか!?」
「これは粛清なのだ。権利を奪われた者達の存在を知らずに権利を掲げ、生活を保全している愚かな者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって、死神が罰を与えに来た!!」
「そんな事したって、権利なんか戻ってこないのよ!てゆーか、あんた達が連盟から追い出されたのは、悪い事ばっかしてたからでしょ!」
「ここまで来たら欲しいのは権利じゃねえ、権力だ!権力があれば全ての過去を流し、未来を支配する事も出来る!!」
「あんたバッカじゃないの!?」

さてと、そろそろ疑問を言うべきかな。

「残念だなハエ共!闇の時代を見る事なくあの世行きとは!」

カゲヤマの影が襲ってきたが、復活したナツが防いだ。

「てめぇ!?」
「その声…やっぱりお前か」
「ナイス復活!」
「おーおー、なんかいっぱいいるじゃねーか!」
「敵よ敵、みーんな敵!」
「へっ、面白そーじゃねーか!」

ナツが戦闘態勢に入った。

「(かかったなフェアリーテイル…全ては俺様の予定通り。笛の音を聴かせなきゃならない奴がいる。必ず報復しなくちゃならねえ奴がいるんだ!)」

今かな?

「なあ、エリゴールっつったか?」
「あん?」
「ララバイを放送するんなら、何故てめーの部下達を非難させないんだ?」

ギクッ!?
エリゴール達が焦った顔をしていた。

「どうゆう事だギアス?」

グレイが疑問に思ったのか聞いてきた。

「だってそうだろ。駅の中にスピーカーがあるのに逃げようともしないし、ララバイが放送しちまったら例え町中に聴こえたとしても生き残るのはエリゴール一人だけだぞ!」
「「「「「あっ!」」」」」
「?」

ナツだけ解ってない様だ。

「それなのに奴等は平気な顔をしている、これはどういう事かな?」
「(な、なんだこいつは!?俺の目的がこの町じゃねぇ事に気付きやがったのか!?)」

ギアスの推測にエリゴールは驚いていた。

「(このままではバレる可能性が…、こいつを先に片付けねえと!)」

そう思ったエリゴールは、ギアスにストームシュレッドを放った。

「うわっ!?くそー、何か解りそうだったのに!」

難なく避けるギアス。

「ギアスの推測で奴等は慌てたと言う事は、狙いはこの町だけではないと言う事か!」
「ええいテメェ等、殺れえ!」
「「「「「オオーーーー」」」」」
「こっちはフェアリーテイル最強チームよ。覚悟しなさい!」

そう言うんだったら、ルーシィもなんかやれよな。

「後は任せたぞ!闇ギルドの力を思い知らせてやれ!」

エリゴールは半ば逃げる様に消えた。

「ナツ、グレイ、二人で奴を追うんだ!」

ナツとグレイは嫌そうだ。

「お前達が力を合わせれば、死神エリゴールにだって負ける筈が無い!」

ナツとグレイは睨み合っていた。

「「聞いているのか!(お前達!・テメー等!)」

俺とエルザが注意した。

「「あいさー」」

二人でハッピー化すんな。

「あ、逃げた!」
「エリゴールさんを追う気だ!」
「任せろ!このレイユール様が仕留めてくれる!」
「俺も行く!あの野郎だけは許せねぇ!」

アイゼンヴァルトの幹部、カゲヤマとレイユールはナツとグレイを追いかけた。

「こいつ等を片付けたら、私達もすぐに追うぞ!」
「おし!」
「ちょっと、あの数を三人で!?」
「さて、野郎はとっとと片付けて、小娘達と遊ぼうかね」

こいつらは典型的のチンピラだな。

「ハエ共め、羽根をむしり取ってやるぜ!へへへ」

アイゼンヴァルトの幹部、ビアードが言った。

「可愛すぎるのも、困りものね」
「ルーシィ帰って来て…」
「ルーシィが遠くに行っちゃった…」

ルーシィ…酔い痴れてないで戦う準備しろよ…。

「下劣な!これ以上フェアリーテイルを侮辱してみろ!貴様等の明日は保障出来んぞ!」

エルザは何も無い所から剣を出した。

「剣が出て来た!?魔法剣!」
「珍しくもねえ!」
「こっちにも魔法剣士はぞろぞろ居るぜ!」

あーあ、抵抗せずに降参した方が身の為だと言うのに。
案の定、あっさりエルザに吹っ飛ばされた。

「ハァァッ!」
「すごい」
「くそ、遠距離攻撃(これ)でも喰らえ!」
「エルザ!」

俺は前に出て、一蹴りで相手の魔法弾を蹴り返した。

「蹴り返したぁー!?」

そして俺はそのまま敵陣に突っ込み、徒手空拳だけで叩きのめしていく。

「ハァァァッ!」
「嘘、魔法も使わずに…」
「ギアスは基本的に雑魚い相手は素手で倒す方だし」

ルシアはギアスの事を言った。
そうこうしてる内に、エルザは槍・双剣・斧と次々換装していった。

「二人とも、すごいなぁ」
「でもね、エルザとギアスのすごいトコはここからだよ」
「エルザ?ギアス?」

アイゼンヴァルトの幹部、カラッカが疑問に思った。

「よーし、あたしだって!」
「「えー!?これからがエルザとギアスの見せ場なのに」」

ハッピーとルシアが突っ込んだ。

「(これから星霊を呼ぶのか?)」
「開け、巨蟹宮(きょかいきゅう)の扉!キャンサー!」

星霊界の扉が開き、美容師風の男が現れた。

「今回も戦闘か、エビ!」
「ビシッと決めちゃって」

そう言ってキャンサーは敵陣に突っ込み、すれ違いざまに頭と武器を切り刻んだ。そしてすれ違った奴等は見事にてっぺんがツルピカになった。そして思わず「ブッ」と笑ってしまった。

「ナイスカット、エビ」
「やるじゃないか」
「星霊魔導士か、なかなかだぞ」
「そ、それ程でも(やったーあたしの好感度アップ!)」
「「それが狙いだったの!?」」

よし、ダメ出しトークに入ろうか。

「でもよ、巨蟹宮って蟹座だよな?なんで語尾がエビなんだ?」
「それは私も気になっていた。エビはさすがにありえんだろ、せめてチョキとかにならんのか?」
「ダメ出し〜!?」
「エビ…チョキ…」

心底落ち込んでしまったルーシィでした。

「しかし、まだこんなにいるのか…面倒だ、一掃する!」
「エルザ、半分は残しといてくれよ」
「分かった。換装!」

エルザの体が光り輝き、鎧が分解されていく。

「おおっ!なんか鎧が剥がれてく!」

飢えたケダモノかお前らは…。

「魔法剣士は通常、武器を換装しながら戦う」
「だけどエルザは、自分の能力を高める魔法の鎧も換装しながら戦う事が出来るんだ!」
「それがエルザの魔法…」
「その名は…」
「「騎士(ザ・ナイト)!!」」

ルシアとハッピーが交互に説明していき、エルザは魔法の鎧、天輪の鎧に換装した。

「わあ!」
「「「「「おおっ!」」」」」
「舞え、剣達よ!」

エルザの周りに多くの剣が現れた。

「エルザぁ!?こいつまさか!?」
「循環の剣(サークル・ソード)!」

回転する多数の剣によって吹き飛ばされるアイゼンヴァルト。

「すごっ!?一撃で半分も全滅!?でもちょっと惚れそう!」
「後は任せる」
「あいよ!」

エルザは元の鎧に戻った後、ギアスにバトンタッチした。

「この野郎ォー!」
「よくもやりやがったなー!」
「さて雑魚共、判決の時だ!」
「判決…!?まさかこいつ!?」

またカラッカが気付いた。

「まずは…」
「「「セリャァーー!」」」
「危ない!?」

その時、ギアスの体から炎が噴き出した。
そして、その炎で敵は吹っ飛んだ。

「炎!?ギアスは炎の魔導士なの!?」
「違うよルーシィ」
「えっ、でも…」

炎が消えると、そこに立っていたのは、

「ええっ!?ナツ!?」

ギアスじゃなく、ナツが立っていた。
そう、ギアスは炎の中で変身(ドッペルゲンガー)でナツに変身していたのだ。

「ちょっとナツ、あんたエリゴール探しに言ってたんじゃないの!?」
「違うよルーシィ、あれはナツじゃなくてギアスだよ」
「ええっ!?でも、どう見たってナツだし!?」
「それがギアスの魔法だからだ」

ルシアとハッピーとエルザが説明しても何が何だか解っていないルーシィでした。
そして、ナツ(ギアス)は大きく息を吸い、

「火竜の咆哮(かりゅうのほうこう)!」
「「「「「うわぁーーーー!?」」」」」

火を吐いた。敵の半数を吹き飛ばした。
そして吹き終わった後、体が凍りついていった。

「今度はなに!?」

氷が砕けると、そこには上半身裸のグレイが居た。

「今度はグレイ!?」

そしてグレイ(ギアス)は手を合わせると、冷気が集まってきた。

「アイスメイク…槍騎兵(ランス)!」
「「「ぐわぁーーーー!?」」」

無数の氷を放った。敵を5〜6人ほど突き刺した。
そして今度は、グレイ(ギアス)は光り出した。

「ナツにグレイって事は!?次に来るのって!?」

察しの通り。光が収まると、天輪の鎧を着たエルザになっていた。

「やっぱりエルザ!?」
「毎回思うのだが、戦闘中の自分の姿を見るのは複雑な気分だな」
「て事は、あたしにもなっちゃうんですか!?」
「いや、君はまだ知り合ったばかりだからな。君の姿で戦う事になるのは、もう少し先になるだろう。ギアスの変身でその姿と同じ魔法を使うのは、その人の事をよく知らないといけないからな」
「そうなんですか…」

エルザとルーシィが雑談してるなかエルザ(ギアス)は、

「サークル・ソード!」

先程のエルザの技を繰り出していた。

「「「ぎゃぁーーーー!?」」」
「どうなってんだよこいつ!?」
「ハエの仲間になったら、そいつらと同じ魔法を使って来るなんて!?」
「すごい!」
「これがギアスのロストマジック、コピーの魔法だよ」
「ロストマジック!?」

そしてエルザ(ギアス)は光り出し、元の姿になった。

「くそ、オレ様が相手じゃあぁーー!」

ビアードは突っ込んで来た。

「間違いねえ!こいつ等フェアリーテイル最強のコンビ!…」

説明してるとこ悪いけど、

「鋼鉄斬糸(カンダタストリング)!」

袖から出てくる斬糸でビアードを斬り、吹っ飛ばした。そして、

「判決・・・死刑!!」
「ぐほっ!?」

いつもの様に腕を十字に振り、ビアードが床へと落ちた。

「妖精女王(ティターニア)のエルザと、虹竜(にじりゅう)のギアセルシアだっ!!」
「すごぉーい!」
「あ、相手が悪過ぎるー!?」

カラッカは一目散に逃げて行った。

「エリゴールの所に向かうかもしれん、ギアス、ルーシィ、追ってくれ」
「分かった」
「あたしが!?」
「頼む(ギロッ)!」
「はっはいい!行ってまいりまぁーす!」

わざわざ脅さなくてもいいのに。
さてと、適当な場所でルーシィと別れて、外に出るかね。

「分かれ道か。俺達は左側を、ルーシィ達は右側に行ってくれ」
「ええっ、別れるんですか!?」
「こうゆう時は固まっているより、バラバラに探した方が効率的だ。分かってくれ」
「はい…分かりました」

さてと、外の方に行かないと。
その前にさっきのドッペルゲンガーで腹減ってきたから、その辺の物をバクバクの実の力で食って、カロリー補給をした。

「よくその辺のモノとか食べられるよね」
「うるへっ」

外に出てみると、魔風壁が出来ていた。
ちっ、少し遅かったか。

「ギアス、何だろうこの風?」
「分からねえが、いやな予感はするな…」

そして、エルザが出て来た。

「エルザか?どうしたんだこの風は!」
「ギアスか!エリゴールはこの風の外だ!」
「何!?」

そして突き進もうとしたら、弾かれた。

「無駄だよ神父さんよぉ、お前らとは一度殺り合いたかったんだがな」
「これは一体何の真似だ!?」
「テメェ等のせいでだいぶ時間を無駄にしちまったぁ。これで失礼させてもらうよ」
「待て!」

つか何でエリゴールの奴、何で俺が神父って呼ばれてる事を知ってんだ?

「エリゴールの奴め、何処へ向かうつもりだ?標的はこの駅ではない、そうゆう事か」

そろそろ暴露しとこうか?

「ギアス、どうしたの?」
「…ルシア、オシバナ駅の次の駅って、何て名前だっけ?」
「えっ?」
「ん?」
「確か…クローバー駅だったような?」
「何!?」
「やはりな」
「おいギアス!?クローバー駅といえば…」
「マスター達のいる定例会の会場がある所だ。奴等の真の狙いは、ギルドマスターだ!」
「くっ、そういう事か!」
「まずいよ、このままじゃマスター達が殺されちゃうよ!?」
「何とかしなくちゃな。エルザ、ルシア、俺はこの魔風壁をなんとか突破してみせるから、エルザ達は皆にこの事を伝えて来てくれ!」
「分かった!エリゴールの事は任せる!」
「了解!」
「行くぞルシア!」
「らう!」

今頃グレイはレイユールを倒してる頃だろうな。さてと、俺もエリゴールを追いかけるか。

「空気開扉(エアドア)!」

大気の壁にドアを作り、空間を移動した。空間の中は魔風壁なんて無いから楽だよな。
ギアスは魔風壁の外に出て、翼(エーラ)で飛翔し、エリゴールを追いかけた。



後書き

初登場の能力
虹竜の咆哮(にじりゅうのほうこう)
 各属性のブレスを吹く。一つの属性だったり複数だったり八種類全部のブレスを吹く事も可能。


初登場のフラグメント
変身(ドッペルゲンガー)
 全身と服を変化させて、有機無機問わず様々なものに変身できる。傷口を変化させて塞ぐ事も可能。ただしカロリーを多く消費する為、回数は限られている。


初登場の悪魔の実
バクバクの実(大食人間(勝手に命名))
 いかなる物も美味しく食べる事が出来る。食べた物を自分の体の一部にしたり、変形・融合させて取り出すことも可能。

ドアドアの実(ドア人間)
 触れた場所をドアにする事が出来る。

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FAIRY TAIL 31 講談社キャラクターズA ([特装版コミック])
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