小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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専用機持ち(士を除く)side-



専用機持ち6人は福音への距離が一番短いであろう地点の砂浜にいた



「さ、行くわよ!」



鈴が言うと同時に「甲龍」を展開する



その言葉に頷き、皆がそれぞれのISを展開する



次の瞬間には彼女達は空中高く飛び上がっていた









士side-



俺は情報の女のいる砂浜をゆっくり歩いていた



少しして



「あれか……」



見つけた



髪はロングヘアーの女性がISを展開したまま海を眺めている



そのISは背中に8つの独立したPICを展開している装甲脚を備え、蜘蛛を模した異様な容姿をしている。機体カラーは黄色と黒。装甲脚には砲門が装備されていた



ちっ、蜘蛛は苦手なんだよな……



ぼやきながらも、ゆっくりと後ろから近づき



「動くな……!IS学園だ……アメリカ政府の指令でお前をISの強奪、及びアメリカへの国家反逆罪の現行犯で逮捕する……おとなしくしてもらおうか……」



「そう言われて、おとなしくする奴はいねぇよ、バーカ!」



女が振り返りながら叫ぶ



「コレが言いたかっただけだよ、バーカ……」



決まっただろ?



「ははは!おもしれーガキだな」



「そりゃ、どーも」



「でも……死ね!」



そう言いながら突進してくる女の背後から鋭利な爪が飛び出す



ドライバーを腰に装着しカードを挿入する



「変身……」



『KAMEN RIDE・DECADE』



ディケイドになりライドブッカー・ソードモードで対応する



「ふんっ!お前が男で唯一ISを動かせるってやつか……」



「それがどうした?」



「お手並み拝見だこの野郎!」



叫ぶと同時に脚の銃口から実弾射撃を行ってくる



『ATTACK RIDE・BLAST』



ライドブッカー・ガンモードの銃身を分身させ光弾をその全てに当てる



「やるじゃねぇか!」



「アンタ、何者だ……?」



「ああん?そんなの悪の組織の一人に決まってんだろうが!」



別に決まってねぇよ……



「秘密結社『亡国機業』のオータム様って言えば分かるかぁ!?」



「亡国機業にオータム……もう俺の原作知識じゃ分からねぇな……」



「何、ぶつぶつ言ってやがる!」



そう言いながら突進してくる



その攻撃をかわしながら、カードを挿入する



「その爪、顎で叩き折ってやるよ!」



『KAMEN RIDE・AGITO』



仮面ライダーアギトになり、その攻撃を受け流す



「姿が……!?おもしれぇじゃねえか」



8本の爪の攻撃を受け流し、オータム自身にも攻撃を当てる



「ぺちぺち、うぜぇんだよ!」



そう、アギトは力は強くないがそれをカバーするだけの「技」がある



攻撃を受け流しその際に攻撃を入れるカウンター攻撃



爪を1本1本叩き落し、隙あらば蹴りを入れる



「だから、鬱陶しいって言ってんだろうが!」



装脚部の長さを2倍程度にまで伸ばし、攻撃してくる



さすがに素手じゃキツイか……



『FORM RIDE・AGITO・STORM』



ストームフォームへフォームチェンジし、同時にストームハルバードも装備する



敏捷性とストームハルバードの長い射程で確実に攻撃をやり過ごし、確実に受け流し、確実に攻撃を当てる



「くそっ……がっ!」



「おらおら!」



さらにストームは風を操ることも出来るので、その風でオータムの爪を弾く



攻撃の手を緩めず小さくても手数で攻める



くるくると、ストームハルバードを器用に回しながら踊るかのように突き、弾き、叩く



「うおおらっ!」



オータムは強引にストームハルバードを弾き、一度距離を置いた俺に突進してくる



その背後には未だするどい爪がぎらついている



『FORM RIDE・AGITO・FLAME』



フレイムフォームへフォームチェンジ、同時にフレイムセイバーを装備する





ガキン!ガン!





知覚の鋭敏化を遂げたフレイムで確実に攻撃を見切りフレイムセイバーで応戦する



炎を交えた剣捌きで的確にオータムを斬り伏せる



「ぐおっ!」



ただ近づき、斬りつける……走力・跳躍力は低いフレイムは一度距離を開けられるとキツイ



「はあ!」



横薙ぎに斬りつけ、ダメージを確実に与えていく



「まだまだっ!」



更に強化された右腕に炎を纏い装脚部を殴りつける



装脚部はわずかな炎上のあと、破壊された



「ぐはっ!」



「こんなもんか?」



フレイムセイバーの背で肩を叩きながらおどけた口調で言う



「図に乗るな!くそガキがっ!」



腰部装甲から2本のカタールを抜き、腕を近接格闘戦、背中の装甲を射撃モードに切り替える



背中からの実弾射撃を視力を活かし、フレイムセイバーで弾き新たにカードを挿入する



『FORM RIDE・AGITO・BURNING』



バーニングフォームにフォームチェンジし、2本のカタールを握り潰し、そのまま殴る



「なっ!?バカな!……ぐぇは!」



爆発的なパワーを発揮するバーニングは特に上半身が強化され、抜きん出たパンチ力を持つ



「……はあ……はあ……くそがっーー!」



8本の爪を同時に操り、胸元に刺してくるが……



「悪いが……効かないんだよ!」



その3本を叩きのけて、2本を踏み潰す……



アギトの全フォーム中最強のパワー・防御力を持つこのフォーム相手ではどれだけ優れた刃でも貫けない



両手をクロスさせて防御する腕に右ストレートを叩き込み、その空いた部分にも拳をねじり込む



「げはっ!」



「行くぜ!」



『FINAL ATTACK RIDE・a,a,a,AGITO』



右拳に炎を纏う……その炎は次第に大きくなっていき次第には火柱のような大きさにまでなった



「て、……てめえ……何モンだ!」



バーニングライダーパンチをそのボディに叩きつける……その威力は25t



普通の機械では抑えきれない威力だ



「通りすがりの仮面ライダーだ……覚えておけ!」



「くっそ……が……!」



まだ動けるのか?



しぶといな……



「迎えに来たぞ……オータム」



……っ!?



突如、上空から声がし、見上げてみるとそこには……



「千冬姉?」



「貴様は……ふんっ!まだ時期ではない……」



学生時代の千冬と瓜二つの顔をしている少女が俺を見下ろしていた



「てめぇ……私を呼び捨てにすんじゃねぇ!」



仲間か?



が、とりあえず……



「お前にも、ぜひとも話を聞きたいな……」



俺がカードを取り出すと同時に



「言ったはずだ……時期ではない……オータム、やれ」



「私に命令すんな!」



そう言いながらもオータムはISから離れる



そのオータムを言葉通り回収するかのように掬い上げ、そのまま飛び立つ



なんて速さだ……



「くそがっ!」



追おうとした瞬間、背後で爆発が起こる



ISが自爆したのだ……



ったく面倒なことが起きそうだな……



千冬姉に似たあの女は……とりあえずは黙っとくか……



あ、箒たちは……



気になった俺は



『KAMEN RIDE・FOURZE』



フォーゼになり更にカードを挿入する



『ATTACK RIDE・RADAR』

『レーダー・オン』



電子音の後に左腕にレーダーユニットを装備する



レーダーユニットの画面に映し出される映像を見ると……



「コレが福音か……」



主色を銀としたISが6対1を苦とも思わせない戦いぶりを見せていた



強いな……



ん?



今、一瞬何か海上に浮かんでたような……



レーダーからの映像を拡大する



って、船か!



面倒くせーな……



「おい、皆聞こえるか!?」



『士か!?』



箒が反応し、それぞれが反応する



『士!……あの女は倒したのか?』



ラウラが聞いてくる



「いや、悪い……逃がした……まさかの2人目が来てな……盗まれたISは自爆したよ」



『自爆!?あんた大丈夫なの!?』



鈴があせった様子で怒鳴る



「ああ……俺は大丈夫だよ」



『なら、よかった……』



簪がほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間



『危ない!』



シャルがアサルトカノン「ガルム」を放つ



福音のビームが飛んできたらしい



「悪い!皆……って俺の事じゃなくて!密漁船だろうな、ありゃ……とりあえず船が一隻、通過してる!気遣いながらやれよ!」



『密漁船!?この非常事態に……!』



箒が驚きの声をもらす



『奴らは犯罪者だ!構うか!』



『そういうわけにも行かないわよ!箒』



鈴が怒鳴りつけながら双天牙月で福音のエネルギーの翼のような弾丸を弾く



そう言っているうちにも鈴のシールドエネルギーは減り、2桁にまで落ちる



ってまずいぞ!



「おい!誰かカバーに行け!」



『鈴さん!』



セシリアが鈴に向かって一気に近づくが福音の攻撃はそれすらも無視する



弾丸が当たりかける寸前で箒が雨月と空裂で弾く



『馬鹿者!犯罪者などを庇って!そんな奴らは放ってお―――』



「―――箒!」



「――ッ!」



俺が怒鳴りつけると何かに気づいたように目を見開く



レーダーをプライベートチャンネルに切り替え、



「箒……そんな、そんな寂しいこと言うなよ……力、手にしただけで弱い奴の事が見えなくなるなんて……どうした?箒……らしくないよ?」



『わ、私は……!』



握っていた雨月と空裂が手からすべり落ち、粒子化する



ついには顔を手で覆い隠し泣き出しそうな声まで……



「泣いてんじゃ、ねぇぞ!」



怒鳴りつける、ただ怒鳴る



「周り見やがれ!」



箒が周りを見渡す



「誰か一人でも泣いてる奴がいるかよ!」



『………』



「セシリアも鈴もシャルもラウラも簪も……必死に戦ってるじゃねぇか!そんな中お前はただ泣いてていいのかよ!?」



『わ、私は……ま、また……やってしまった……自分の暴力を抑える抑制力を……私はなんのために今まで修行を……!』



「で?落ち込んでるわけか……おもしろくない冗談だな!箒さんよ!」



『……っ!』



「やるべきことがあるんだろうが!やらなきゃならんことがあるんだろうが!それができねぇ奴が一丁前に落ち込んでじゃねぇぞ!」



『わ、私は……』



『そ、そうだよ……箒、反省するのはまたこれが終わってから……その反省も乗り越えたらパフェおごってあげるよ!』



シャルが



『そうですわよ…箒さん、間違いなんて誰にでもあるのです……わたくしにも……だから一緒に乗り越えましょう?』



セシリアが



『完全無欠の、ヒーロー、なんて……いない……だから、皆で、がんばろう?』



簪が



『私も、人を傷つけた……しかし、それを……その行為すら許して私を認めてくれた男が……皆がいる……だから、しのの―――箒も大丈夫だ』



ラウラが



『同じ、士の幼馴染として、張り合いがなくなられたら困るのよ……シャキッとしなさい!』



鈴が



「箒……お前の黒い過去も、お前の強くなった気でいるそのふざけた幻想も、俺がまとめてぶち殺してやる!……だから、泣くのはあとだ……」



俺が



「一人で背負わせるようなことはしないさ……」



箒side-



皆……ありがとう



涙はもう、止まっている



士……お前を「格好いいから好きだ」と昨日、千冬さんに言った



もう、変わったよ……私は



私を























正しい道に歩ませてくれる……間違いを正してくれる……私の全力を出させてくれる……お前が……



























   大好きだ!!











「行くぞ!紅椿!」

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IS <インフィニット・ストラトス> ポス×ポスコレクションVol.2 BOX
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