小説『ハイスクールD×D 黒と赤』
作者:shimo()

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若手悪魔、集合

 レオンは次の日から早速、教育悪魔の人から悪魔の歴史や、上流階級、貴族とは何ぞやをきかされていた。隣でミリキャスも勉強している。他の部員はリアスにグレモリーの敷地を案内している。

「若様。悪魔の文字はご存知ですか?」
「いえ、わかりません」
「よろしい。では一つ一つ覚えていきましょう」

 優しく教えてくれているのだが、さっき教育悪魔の人がレオンの事を『若様』と呼んだように昨日の夕食の後にメイドの人や執事の人たちに呼ばれている。

「若様にはグレモリー家のすべてを教えないといけませんから、覚悟してくださいね」
「あの〜。どうして俺の事を『若様』っていうんですか?」
「・・・・。さあ、グレモリーの歴史を教えましょう」

 レオンが理由を聞こうとするとこんな風にはぐらかされている。そうしているとドアが開いたので、そちらを見るとヴェネラナが入ってきた。

「どうですか? 勉強ははかどっていますか?」

 優しい笑みを浮かべながらレオンと教育悪魔の間に入りレオンがとっていたノートを覗き見て微笑んでいた。

「サーゼクスが言っていたように真面目な性格のようですね。字も丁寧に書かれていますね」

 そういいメイドを部屋に入れお茶を出させた。それを飲んでいたらヴェネラナさんが

「そろそろリアスが帰ってきます。今日は若手悪魔たちの魔王領に集まる恒例のしきたり行事がありますから」
「ああ。そういえば今回のスケジュールに入っていましたね」

 それからリアスたちが帰ってきたので全員で出発した。レオンたちは三時間かけて移動しついた場所は都市部だった。

「ここは魔王領の都市シルフォード。旧魔王ルシファー様がおられたという冥界の旧首都なんだ」

 木場が初めて来たレオン・イッセー・アーシア・ゼノヴィアに説明した。ちなみにレオンたちの格好は学園の制服を着ている。

「このまま地下鉄に乗り換えるよ。表から行くと騒ぎになるからね」
「騒ぎになる?」

 レオンが疑問に思っていたら突然

「キャー! リアス姫さまぁぁぁ!」

 周りの悪魔の人たちがリアスを見て歓声を上げていた。それを見たレオンは

「すっげ。リアスって人気者なんだな」
「部長は魔王の妹。しかも美しいですから、中級、下級悪魔からあこがれの的なのですよ?」
 
 朱乃が説明した。ギャスパーはこの状況を見ておびえていた。

「困ったわね。騒ぎが起こる前に急いで地下鉄に乗りましょう」

 地下鉄に乗りしばらくして目的の場所の地下についた。エレベーターに乗りリアスが

「もう一度確認するわよ。何をされても、何を言われても平常心でいる事。上にいるのは私たちのライバルたちよ。無様な姿は見せられない」

 しばらくしてエレベーターが止まり扉が開くと使用人らしき人がリアスたちに会釈をして

「ようこそ、グレモリー様。こちらへどうぞ」

 その人の後をついていくと通路の一角に複数の人がおり、リアスがその中の一人に気づき

「サイラオーグ!」
 
 あちらも気づき、近づいてきた。男性で近くに来るとかなり大きかった。顔は黒髪の短髪で野性的なイケメンだった。

「久しぶりだな、リアス」
「ええ、懐かしいわ。変わりがないようで何よりよ。初めての者もいるわね。彼はサイラオーグ。私の母方の従兄弟でもあるの」

 リアスが紹介してきた。

「俺はサイラオーグ・バアル。バアル家の次期当主だ」

 力強い声で挨拶して来た。リアスが

「そうしてこんなところにいるの?」
「ああ、くだらんから外に出てきただけだ」
「・・・くだらない? 他のメンバーが来ているの?」
「アガレスもアスタロトもすでに来ている。あげく、ゼファードルだ。ついた早々ゼファードルとアガレスがやり合い始めてな」

心底嫌そうな顔をしていた。すると中から、ドオオオオオオオッ! と聞こえた。リアスは音が聞こえた方の大きな扉へ向かった。

「これだから開始前の会合などいらないと進言したんだ」

 扉を開けるとそこには、あちこち破壊されており中央には二人とその眷属らしき人たちが睨めあっていた。部屋の隅にこの状況でも優雅に座っている眷属たちがいた。

「ゼファードル、こんなところで戦いを始めても仕方なくてはなくて? 死ぬの? 死にたいの? 殺しても上にとがめられないかしら?」
「ハッ! 言ってろよ、クソアマッ! 俺がせっかくあっちの個室で一発仕込んでやるって言ってんのによ。アガレスの姉ちゃんはガードが堅すぎるぜ。だからその年でまだ処女なんだろだから俺が開通式をやってやるって言ってんだよ!」

 言い合っている二人にサイラオーグが近づいていき

「アガレス家の姫シーグヴェイラ、グラシャボラス家の凶児ゼファードル。これ以上やるなら俺が相手になろう。いいか、いきなりだがこれは最後通告だ。次の言動次第では拳を容赦なく放つ」

 サイラオーグの一言にゼファードルが

「うるせぇ。バアル家の無能が・・・」
ドゴンッ!

 激しい一撃がゼファードルが言い切る前にサイラオーグの一撃で壁まで飛んで行った。それを見たゼファードルの眷属がサイラオーグに立ち向かおうとするが

「主の介抱しろ。それがお前たちがやることだ。俺に剣を向けてもお前らに一つも得はない。これから大事な行事が始まるんだ。主をまずは回復させろ」
「―――ッ!」

 そういわれゼファードルの眷属たちは主のもとに駆け寄った。サイラオーグはシーグヴェイラに視線を向け

「まだ時間はある。化粧を直してこい。邪悪なものをまとったまま行事には出られないだろう」
「―――っ。わ、わかっています」

 そういい眷属を連れて部屋を出て行った。それを確認したサイラオーグは自分の眷属に

「スタッフを呼んで来い。この状態ではリアスと茶を飲むことが出来ん」

 眷属の人が呼びに部屋を出た。しばらくしてスタッフが来て部屋を修理をしてさっきまでの惨状がもとの部屋に戻った。気を失ったゼファードル以外の主たちの自己紹介をしていたらスタッフの人が来て

「皆様、大変長らくお待たせしました。―――皆様がお待ちでございます」

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