小説『ハイスクールD×D 黒と赤』
作者:shimo()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

テロ発生

 取材当日の日、リアスたちは冥界のビルの地下に魔法陣でジャンプした。そこに居たスタッフに案内されていると廊下の前から見知った人が十人くらい引き連れてきた。リアスが

「サイラオーグ。あなたも来ていたのね」

 そう、前から来たのはバウル家次期当主のサイラオーグだった。

「リアスか? そっちもインタビュー収録か?」
「ええ。サイラオーグはもう終わったの?」
「いや、これからだ。おそらく別のスタジオで取るんだろう。―――試合。みたぞ」

 サイラオーグがそういうとリアスが顔をしかめた

「お互いに、新人丸出し、素人臭さが抜けていないな」

 サイラオーグが苦笑した。視線をイッセーに移し

「どんなにパワーがあってもカタにハマれば負ける。相手は一瞬のすきを全力で攻めてくるわけだからな。とりわけ神器は何が起こるかわからないからな。ゲームの相性も大事だ。それをお前たちとソーナ・シトリーとのゲームで学ばせてもらった。だが―――お前とは理屈なしのパワー勝負をしたいな」

 そういい次にレオンに視線を移した。

「お前とも真剣勝負したいな」
「俺もあんたとはマジでやりたいな」

 サイラオーグはそういい歩いて行った。サイラオーグが去った後スタッフに楽屋に案内され荷物を置いた。 しばらくしてスタジオに通されインタビュアーらしきお姉さんが

「お初にお目にかかります。冥界第一放送の局アナをしているものです」
「こちらこそ、よろしくお願いしますわ」

 リアスが笑顔で握手に応じた。

「さっそくですか、打ち合わせを・・・」

 そういい打ち合わせが始まった。しばらく打ち合わせをしていたらスタッフが

「眷属悪魔のみなさんにも少しだけインタビューがいくかもしれませんが。緊張せずに。あと、木場佑斗さんと姫島朱乃さんはいらっしゃいますか?」
「あ、僕です。僕が木場佑斗です」
「私が姫島朱乃ですわ」

 二人が返事をした。

「お二人には質問がそこそこ行いくと思います。お二人とも、人気上昇中ですから」

 それを聞いたイッセーが

「マジっすか!」

 スタッフは頷き

「ええ、木場さんは女性ファンが、姫島さんには男性ファンが増えてきているんですよ」
「へ〜。まあ木場はイケメンだし朱乃は美女だもんな」

 レオンがそういうと朱乃が

「大丈夫ですわよ。わたしはレオン君しか見ていませんから」
「そ、そうですか」
「それから、兵藤一誠さんはいますか?」
「は、はい。俺ですけど」

 イッセーが返事をするがスタッフの方が首をかしげ

「・・・えっと、あなたは・・・」
「あの俺が『兵士』の兵藤一誠です。一応、赤龍帝なんですけど・・・」

 イッセーがそういうとスタッフの方が

「あっ! あなたがっ! 鎧姿の方が印象に残っていたので素の兵藤さんがわかりませんでした」

 レオンがそれを聞いて笑い

「イッセーもうずっと禁手でいれば?(笑)」
「うっせぇー!」

 するとスタッフが

「兵藤さんには別のスタジオで収録があります。何せ、『乳龍帝』として有名になっていますから」
「乳龍帝ぇぇぇぇぇ!」

 スタッフが嬉々として続ける

「子供にすごく人気になっているんですよ。子供たちから『おっぱいドラゴン』と呼ばれているそうですよ。シトリー戦でおっぱいおっぱい叫んでいたでしょう?あれが冥界の全お茶の間に流れまして。それをみた子供たちに大ヒットしているんです」

 レオンは何のことかわからなかったので朱乃に訊いてみると

「レオン君は知らなくてもいいんですのよ」

 そういって教えなかった。収録も無事に終わりアスタロトとの一戦を迎えた

「そろそろ時間ね」

 リアスがそういい立ち上がる。それに続いて部員が立ち上がり中央の魔法陣に集まった。魔法陣が光だしリアスたちが転移した。

side レオン

 転移した場所を見るとただ広い場所だった。一定間隔で柱が立って並んでいて下は石造りだった。並んでいる柱の奥に巨大な神殿があった。いつまでたってもアナウンスが入らないのでリアスが

「・・・おかしいわね」

 そういうと、他のメンバーも怪訝そうな顔をしていた。しばらくしていると魔法陣が出てきた。最初はディオドラが来ると思ったが魔法陣は一つではなく複数出てきて俺たちを囲むようにどんどん出現していく

「・・・アスタロトの紋章じゃない!」

 木場が剣を構えながら言うと朱乃が雷を手に走らせながら

「・・・魔法陣すべてに共通性はありませんわ。ただ―――」
「全部、悪魔。しかも記憶が確かなら―――」

 リアスが赤いオーラを纏いながら厳しい目線で辺りに配らせた。魔法陣から現れたのは大勢の悪魔たち。その数は十や百ではなく千人は超えているかもしれない。リアスが

「魔法陣から察するに『禍の団』の旧魔王派に傾倒した者たちよ」
「なるほど、やっぱりあの野郎は繋がっていたってことか」

 周りの悪魔が

「忌々しき偽りの魔王の血縁者、グレモリー。ここで散ってもらおう」

 立ち向かおうとすると後ろから

「キャッ!」

 アーシアの悲鳴が聞こえたので後ろを向くとアーシアがいなかった。

「イッセーさん!」

 上からアーシアの声が聞こえたので上を向くとディオドラがアーシアを抱えていた。

「やあ、リアス・グレモリー。そして赤龍帝。アーシア・アルジェントはもらっていくよ」

 イッセーがディオドラに向かって

「アーシアを放せ、このクソ野郎! 卑怯だぞ! つーか、どういうことだよ! ゲームをするんじゃなかったのかよ!?」
「バカじゃないの? ゲームなんてしないさ。君たちは彼ら―――『禍の団』のエージェントに殺されるんだよ。いくら君たちが強いって言ってもこれほど上級悪魔と中級悪魔がいれば殺されるのも時間の問題だね」

 ディオドラが醜悪な笑みを浮かべそういった。

「あなた、『禍の団』につながっていたというの? 最低だわ。ゲームを汚しあまつさえ私のかわいい眷属のアーシアを奪うなんて万死に値するわ!」

 リアスが怒り体からオーラが溢れ出していた。

「彼らと行動した方が僕の好きな事がしやすいからね。赤龍帝、僕はアーシアを自分の物にするよ。神殿の奥に来れば面白いものが見れるよ」

 ディオドラが嘲笑しながら言う中ゼノヴィアが

「イッセー! アスカロンを!」
「おう!」

 イッセーが籠手をだし籠手の先から剣を抜きゼノヴィアに渡した

「アーシアは私の友達だ! お前の好きにはさせん!」

 そういいディオドラに飛び掛かるがディオドラが魔力の球を放ちゼノヴィアの体制が崩れされ剣は届かなかったが、剣から聖なる波動がディオドラに向かうがディオドラが当たる瞬間に上昇しかわした。

「イッセーさん! ゼノヴィアさん! イッ・・・」

 アーシアが助けをこうが空間が歪んでいきディオドラとアーシアが消えていった。イッセーは悔しがるが木場が

「イッセー君! 冷静に! 今は目の前の敵を倒すことを考えて! そのあと、アーシアを助けに行こう!」

 激を飛ばしイッセーを立ち上がらせた。俺たちはこの状況をどう打開するか考えていると朱乃の後ろから気配を感じたので俺は

「朱乃! こっちに来い!」
「・・え?キャッ!」
 
 朱乃を抱き寄せた。なんだか朱乃の顔が赤かったが俺は気配が感じた方を見るとそこには

「何じゃつまらんの〜」

 ローブ姿で隻眼のジジイがいた。リアスがジジイを見て

「オーディン様!? どうしてここへ?」
「うむ。簡単に言えば『禍の団』にゲームを乗っ取られたのじゃよ。いま、運営委員と各勢力の面々が協力体制で迎撃を行っておる。ま、ディオドラ・アスタロトが裏で旧魔王派と手を引いていたことが判明した。それで、ここにいるおぬしらが危険じゃろ?だから救援が必要だったわけじゃ。しかし、このゲームフィールドごと強力な結界が張られていての。それなりの実力がないと無理だったので儂が来たんじゃ」

 敵がオーディンのジジイに気づき

「相手は北欧の主神だ! 打ち取れば名があがるぞ!」

 そういい無数の魔力の球が襲ってくるがオーディンのジジイが持っていた杖を一回叩きつけると、こっちに向かっていた魔力の球が破裂して消えたジジイは「ホッホッホ」とひげをさすりながら笑った。

「本来なら儂の力があれば結界の破壊が出来たんじゃが、ここに入るので精一杯での・・。さてどれほどの使い手か。あとアザゼルの小僧からこれを渡すように言われての。まったく老いぼれをこき使う若造はどうしてくれよう」

 そういい俺たちに通信機を渡してきた。

「ほれここは儂に任せて神殿に行くがよい」

 そういいジジイが杖を向けると俺たちの体に薄いオーラが纏った。

「これで神殿までおぬしたちを守ってくれる。ほれほれ、走れ」

 そういいリアスたちが神殿まで走ろうとするが俺は

「俺もここに残ります」
「レオン!? 何を言っているの! ここはオーディン様に任せましょう」
「いや、爺さんがどれくらい強いのかわかりましたが見た目はジジイなので心配ですから」

 リアスたちが迷っているとジジイが

「ほれ、早くいかないとオーラの効果がなくなるぞ」
「・・・ッ! わかったわ。先に言っているから後で追いかけてきなさいよ!」
「はい。わかりました」

 そういいリアスたちが神殿に向かっていた。

「どうしておぬしはここに残ったんじゃ?」
「さっき言ったじゃないですか。ジジイが心配なのでって」
「ホッホッホ。この儂をジジイ扱いか。最近の若造は」
「・・・それにディオドラの野郎が許せねぇんでその鬱憤を晴らそうかと」
「それなら神殿に行けばいいじゃろ?」
「いえ、ディオドラの野郎はイッセーがブッ飛ばすんで俺はここでいいんですよ」

 俺はそういい前に出て斬魄刀を始解した。大きな刃を相手の悪魔どもに向け

「そういうことだからお前らちょっと付き合え」
「なめるなよ! たかが下級悪・・・」

 一人の悪魔が言い切る前に俺は瞬歩で近づき首を斬り落とした。

「御託はいいからさっさとかかってこい」

 斬月を肩に置き挑発するように指を動かすと悪魔たちが一斉にかかってきた。

side out

-57-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ハイスクールD×D 15 限定版 陽だまりのダークナイト
新品 \4725
中古 \
(参考価格:\4725)