小説『ハイスクールD×D 黒と赤』
作者:shimo()

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共同戦、始まる

side レオン

 俺達は部室で学園祭の出し物について話し合っていた。

「おっぱいメイド喫茶がいいです!」
「却下」

 イッセーが欲望丸出しの提案をするが、リアスが即答で却下された。イッセー・・・いくらクラスの出し物でそういうことができないからってここで言うなよ。そう思っているとリアスが

「レオンは何がいい?」
「そうですね・・・イッセーの意見を参考に喫茶店でいいんじゃないですか? 学園祭の定番だと思いますけど」
「そうね・・・でもそれだと他のところでもやるじゃない? 私達だけの出し物をしたいのよ」

 それからも意見を出し合っていたが結局決まらずに時間が過ぎていった。窓の外を見ていたアザゼル先生が

「・・・黄昏か」

 その一言に部員たちは真剣な表情をした。それもそうだろう、この後ロキとの決戦があるからだ。部活終了のチャイムが鳴り響いた。

「神々の黄昏にはまだ早い。―――お前ら気張っていくぞ」
『はい!』

 アザゼル先生の言葉に俺達は気合を入れた。
 
 日も沈ずんで夜になり、決戦の時が近づいてきた。俺たちは今オーディンのジジイが日本の神様と会談の場所である都内の高層高級ホテルの屋上にいた。シトリー眷属は回りのビルの屋上で各々待機をしている。どうやらサジは遅れているらしく後から来るらしい。今この場所にいるのはグレモリー眷属とヴァーリチーム、鎧を着たロスヴァイセさん、アザゼル先生の代わりにバラキエルさん、そして遙か上空にタンニーンが飛んでいた。リアスが腕時計を見たながら

「―――時間ね」

 会談が始まる時間になった。後はロキが来るのを待つだけとなった。

「小細工なしか。恐れ入る」

 ヴァーリが空を見ながら苦笑したので空を見ると空間が歪み大きな穴が開いて、そこからロキとフェンリルが現れた。

「目標確認。作戦開始」

 バラキエルさんが耳に着けていた小型通信機からそういうと、ホテル一帯を包むように巨大な魔法陣が展開された。俺たちとロキとフェンリルを転送するためにシトリー眷属が展開した魔法陣を見て、ロキはただ不敵に笑むだけで抵抗しなかった。転移した場所は、どこかの古い採石場跡地で周りには岩肌しかなかった。

「逃げないのね」

 リアスが皮肉げに言うとロキが

「逃げてもお前らは追ってくるのだろう? ならここでお前たちを倒し、ホテルにもどればいいことだ。会談をしてもしていなくてもオーディンには退場してもらうだけだ」
「貴殿は危険な発想をしているな」
「危険な発想をしているのはそちらだろう。各神話の協力など・・・。元はと言えば三大勢力が手を取り合ったことから歪んだのだ」
「話し合うは不毛か」

 バラキエルさんは手に雷光まとわせ始めた。背中には十枚もの黒い翼が展開していく。イッセーもカウントが終わったのか昇格と同時に禁手化した。

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

 赤い閃光を放ちながらイッセーの体に赤い全身鎧が装着された。

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!』

 ヴァーリも禁手化状態の白い全身鎧を装着した。俺も『女王』に昇格してから斬魄刀を始解状態にして

「卍解・・・『天鎖斬月』」

 死覇装が黒いロングコート風の死覇装に変わり持っておいた斬月も大きな刃から刀身が黒い通常のサイズの刀になった。俺たち三人がロキの前に出た。

「これは素晴らしい! 二天龍がこのロキを倒すために手を組むとは! ・・・しかも一人はフェンリルのスピードについてきた者か、なかなか楽しめそうだな」

 ヴァーリが最初に仕掛けた。空中をジグザグに進みながらロキに近づいていく。イッセーはそれを見て背中の噴射口を全開にしてロキに近づき俺はその場で待機をした。ロキは全身を覆う広範囲の魔法陣を展開して防御だと思ったらそこから魔術の光が幾重にも飛び出しヴァーリとイッセーに向けて放たれた。しかもその光は追尾型なのか空中を飛び回るヴァーリについて行くように向かった。ヴァーリはよけるように進むがイッセーは真っ直ぐにしか進めないのでロキの攻撃を受けながらも突貫していった。

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 ロキに近づき展開していた魔法陣を殴ると魔法陣が壊れた。空中からヴァーリが近づき、手には新しく覚えた北欧の魔術の魔法陣が展開されていた。

「―――とりあえず、初手だ」
バァァァアアアアアッ!

 掃射した! イッセーがいるのにな・・・俺はロキに近づき刀に黒いオーラを纏わせ

「追加だ。これでもくらっとけよ・・・・月牙天衝!」

 ロキがいた場所に月牙を放った。それを見ていたイッセーが

「相変わらず容赦がないな、レオンって・・・」
「敵に容赦なんていらねぇんだよ。それにこの程度でくたばるわけないだろ」

 イッセーと話していると

「ふはははっ!」

 ロキの高笑いが聞こえた。ロキを見てみるとローブがボロボロで手には少し斬れた跡があった。イッセーがそれを見て

「マジかよ! あれだけの攻撃であの程度しかダメージがないのかよ!」
「あれ? 結構本気で放ったんだけどな・・・」

 俺は少しショックを受けた。イッセーは腰につけていたミョルニルのレプリカをだして手頃の大きさにしてロキに突きつけると

「・・・ミョルニルか。レプリカか? それにしても危険なものを持っているな。オーディンめ、それほどまでに会談を成功させたいか・・・ッ!」

 噴射口からオーラをだしロキに近づきハンマーを振り下ろすと

ドオォォォォォォンッ!

 ロキが躱され、地面に大きなクレーターが出来た。ハンマーを振るえば雷が出るって言ってたのにまったくでなかったぞ?俺が不思議に思っていると

「ふはははっ!」

 ロキが笑い出した。

「残念だ。その槌は、力強く、そして純粋な心の持ち主にしかあつかえない。貴殿は邪な心があるのだろう。だから雷が出なかったのだ。本来ならばハンマーも、重さもなく羽根のように軽いと聞くぞ」

 俺はそれを聞いて

「あ〜・・・だからイッセーが使っても雷が出なかったのか。だっていつもエロい事を考えてるもんな、イッセー」
「うるせぇ! 俺が使えって言われたから使ったのになんでこんなことになるんだよ!」

 俺達が話していると

「そろそろ本格的に攻撃に入ろうか」

 ロキがそういうとフェンリルが一歩前に出た。

「―――神を殺す牙。それを持つ我が僕フェンリル! 一度でも噛まれれば滅びをもたらすぞ。お前たちが勝てるかな?」

 ロキが指示を出す瞬間―――リアスが手を挙げると

「にゃん♪」
ブゥゥゥイイイィィィンッ!

 黒歌が笑むと同時に魔法陣を展開し地面から巨大な鎖が出現した。あれがダークエルフに強化されたグレイプニルらしい。それをタンニーン、バラキエルさんを始め、残ったグレモリー眷属と残ったヴァーリチームが鎖をフェンリルに投げた。

「ふはははっ! 無駄だっ! グレイプニルの対策など、とうの昔に―――」
バヂヂヂヂヂヂッ!・・・

 ロキが言いかけたが意思を持った鎖がフェンリルの体に巻きつき締め付けていた。

オオオオオオンッ!

 フェンリルが苦しそうな悲鳴をあげた。

「―――フェンリル、捕縛完了だ」

 バラキエルさんが動けなくなったフェンリルを見てそういった。あとはロキだけなんだが・・・ロキを見てみると、不敵に笑っていた。両腕を広ろげ

「スペックは多少劣るが・・・」

 ロキの両サイドが歪み、そこから灰色の毛並みに鋭い爪。感情のこもっていない双眸。さらに大きく裂けた口。

「スコルッ! ハティッ!」

 ロキの声に応えるかのように空に遠吠えをした。

オオオオオオオオンッ!
オオオオオオオオンッ!

 現れたのは捕らえたフェンリルより小さいフェンリルが二匹だった。これを見たみんなが驚いていたがヴァーリだけは楽しそうに笑っていた。

「スコル、ハティ。お前たちの父をとらえたのはあの者たちだ! その牙と爪で食いちぎるがいいっ!」
ビュッ!

 風を切る音とともに二匹が俺たちの仲間の元に向かった。一匹はグレモリー眷属に、もう一匹はヴァーリチームに向かっていった。

「ふん! 犬風情がッ!」
ゴオオオオオオッ!

 タンニーンが火のブレスを吐くが子フェンリルは怯む様子もなく突き進んでいった。イッセーがそっちを見ているとロキが攻撃をしようとしたので

「イッセー! お前はこっちに集中しろ!」

 イッセーが気づき寸前のところで躱したが鎧の一部が壊れていた。俺は

「イッセー! ヴァーリ! お前らにこいつを任せる。俺はあっちに行くから」

 そういい俺はフェンリルの方に向かった。そこに行くとリアスたちとヴァーリチームが子フェンリルと戦っていたが、子フェンリルのスピードについて行けずフェンリルを縛っていた鎖を食いちぎってフェンリルが自由になっていた。

「全員無事か!?」
「レオン! どうしてここに?」

 俺がこっちに来たことにリアスが驚いていた。

「どうしてって予想外の事が起きたからこっちに来たんだよ。リアスたちは子フェンリルを頼む。俺がフェンリルをやりますから」

 そういい自由になったフェンリルに近づいた。フェンリルも俺に気づいたのか俺をにらんできた。

「お前の相手は俺だ。ついてこいよ」

 俺はここで戦うとリアスたちにも被害がでるかもしれないと思ったので、この場から離れようとした。そのためにはこのフェンリルを怒らせて俺に意識させないといけないので俺は、火の球をフェンリルに向け放ちフェンリルの近くで爆発させフェンリルがこっちに来たので瞬歩で後ろに下がってこの場から離れた。しばらくして俺は止まりフェンリルと一対一になった。

「偉いねぇ〜ちゃんと俺の後についてくるなんて・・・」
グルルゥゥゥゥゥゥゥッ!

 フェンリルが唸り俺を威嚇していた。

「やる気満々って感じだな。なら俺も最初っから全力でいくぜ」

 右手を顔にかざし黒いオーラが溜まっていき手を離すと仮面がついていた。

『いくぜっ!』

 その瞬間、俺とフェンリルが同時に消えた。フェンリルが爪で俺を切り裂こうとするが俺は刀で防ぎ、逆の手でフェンリルの頭に向け雷の球を放った。フェンリルが一瞬、目を瞑ったので俺はフェンリルの上に回り込んで月牙を放つがフェンリルは寸前に気づき躱すが、俺は逃げた先に回り込み、かかと落としを頭に入れてフェンリルを地面に蹴り落とした。下に手を向けて掌に黒いオーラが溜まっていき

『これでも喰らえ・・・『虚閃』』

 そういうと黒いオーラがフェンリルを襲った。煙が晴れるとそこにはボロボロになったフェンリルがいた。まだ戦闘意欲があるのか立ち上がろうとするが、立ち上がれず地面に伏せた。俺は近くの岩山に降りフェンリルに

『まだやるのか? それとも負けを認めるか?』

 って狼に言っても無駄だと思いつつ俺はフェンリルにとどめを刺そうとし近づくとフェンリルが俺を噛み砕こうとして大きく口を開けるが俺は瞬歩で躱し雷の球を放った。

キャウンッ!

 フェンリルが泣いた。なんか動物を虐待しているようになってきた。

『もうあきらめろよ・・・狼なら俺との力の差がわかるだろ? 俺は、これ以上動物をいじめたくないんだけど・・・』

 フェンリルに言うとフェンリルはあきらめたのか起き上がらなかった。俺は仮面を取り

「さて・・・これからどうするかな。フェンリルをこのまま放っておくとかわいそうだし・・・」

 俺が考えているとフェンリルが俺に近づいてきて頭を下げてきた。

「ん? なんだ俺になんかようか?」

フェンリルに手を近づけたらフェンリルが俺の手を舐めてきた。

「なんだ? 俺についてくるのか?」

 フェンリルに聞くとウワォンッ!と鳴いたので俺はフェンリルを連れてリアスたちがいた場所に戻ることにした。戻る途中で

ドガガガガガガガガガガガガガガガガッ!

 雷の音が鳴り響いてきた。

「この音は・・・もしかしてミョルニルから雷が出た音か? ・・・イッセーの奴が使ったのか? まあ行ってみればわかるか」

 俺は急いで向かうとそこにはみんなボロボロだが生きていた。

「お〜い、全員無事か?」

 俺の声に気づいたのかみんなが上を見て

「レオン! 無事だ・・・え?」
『・・・・・は?』

 リアスが俺をみて驚き他のみんなも驚き口を開けていた。

「ん? どうしたんだ? そんな口を開けて・・・」
「どうした? じゃないでしょ!! そのフェンリルはどうしたの!?」
「ああ。こいつは俺の・・・その・・・ペット?」
『ペット!?』

 俺がペットっていうとみんながさらに驚き声を上げた。それからタンニーンが

「フェンリルをペットにするか・・・乳龍帝といいこいつと言いリアス嬢の眷属は面白いな・・・さて、兵藤一誠。まだ動けるな?戦後の処理をするぞ」

 そういい、そこらへんにできた穴を埋めていた。
 俺は家に戻るとリアスが

「そういえばレオンって使い魔いなかったわよね?」
「ええ。イッセーにはいるんですか?」
「いいえ。イッセーにはいないけどアーシアにはいるわ」
「イッセーのほうが先に悪魔になりませんでしたっけ?」

 言うと、リアスが困った顔をして

「そうなんだけど・・・イッセーが使い魔にしようとしたのがスライムでね。何にも取り柄がなにの。女性の服を溶かすってだけでね」
「・・・それはイッセー好みの使い魔ですね」
「ええ、そうなのよ。で、ちょうどアーシアの使い魔になった蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)がいてね。アーシアがスライムに襲われたときにそのドラゴンがスライムを全部倒してしまったの」
「それでイッセーには使い魔がいないんですね」
「それでフェンリルを使い魔にしてみてはどう?」
「・・・そうですね。使い魔にします」

 こうして俺はフェンリルを使い魔にした。

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