小説『遊戯王GX《決闘記録》』
作者:肉じゃが()

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第2話



デュエルアカデミアに到着した裕也達は、毎年恒例の入学式での校長の長い話を聞きながら学校の設備やこれから住む寮の確認などアカデミア内の説明を聞いていた。


基本的に住む寮は制服ごとに決められており、オシリスレッド・ラーイエロー・オベリスクブルーの3つに分けられている。オベリスクブルーが最も成績がよく、ラーイエロー・オシリスレッドと続いてゆく。

筆記試験が悪くなく実技試験も良かった裕也は、入学生が入れる最も高いラーイエローの寮に所属された。ちなみに三沢も同じくラーイエロー、十代と翔はオシリスレッドの寮である。

三沢は十代に「どうして君がレッドなのか不思議だよ」と言っていたが、十代の筆記試験の順位は110番なので実技が良くても総合的には低いほうだろう。






「これで荷物の整理は終わったかな」

裕也は入学式が終わるとすぐさまラーイエローの寮に行き、自分の部屋を確認した後持ってきた荷物の整理を始めた。
ラーイエローの寮はシンプルで1人に1部屋与えられている。中も広すぎず狭すぎずといった感じであり1人で住むには十分であった。




「さて、やることも無くなったしアカデミアの中でも探索してくるかな」












―デュエルアカデミア内―


「とりあえず適当に歩いたけど、結構広いな」

イエロー寮から歩いてきた裕也は、とくに目的地を決めずにブラブラ歩いていたところ現在地がわからなくなってしまった。
いわゆる迷子である。



「さて、困ったな…どこかに地図でもないかな」


−〜〜〜!
−〜〜〜!?−

「ん?向こうから声が聞こえるな」


これからどうしようか考えている裕也に近くから人の声が聞こえてきた。


「丁度いい。向こうにいる人から場所を教えてもらおう」
























―デュエルフィールド―



「ここはブルー専用のデュエルフィールドだ。ドロップアウトのレッドは帰れ!!」


「それじゃあお前らのどちらか俺とデュエルしようぜ!」


裕也がデュエルフィールドに到着すると十代と翔がブルーの制服を着た2人組と話をしていた。




「ドロップアウトのレッドが俺達ブルーに勝てるわけがないだろう!!」


「それはやってみなくちゃ分からないだろう」


「誰だお前は!?」


突然の裕也の登場にブルーの生徒は大声をあげて驚いた。


「おっ裕也じゃねえか」


「また会ったな十代、翔」


「おい俺を無視するな!!」


「そうだ裕也、せっかくだからここでデュエルしようぜ!」


「お前も俺の話を聞け!!ここはブルー専用だからレッドやイエローは使えないんだよ!!」


無視され続けるブルー生徒。哀れである。



「Be quiet騒ぐな諸君」


1人のカラス頭のブルー生徒が観客席から現れてきた。



「「誰だお前?」」


「お前ら、万丈目さんを知らないのか!?」


「中等部首席で入学、エリート中のエリート」


「未来のデュエルキングと呼び声高い万丈目準様だ!!」


「「へぇ〜」」


「アニキ、裕也君…」


万丈目の登場を無駄に力説するブルーに裕也と十代は気の抜けた返事を返した。



「でもおかしいな」


「何がだ!!」


「デュエルキングって1番ってことなんだろう。この学園で1番は俺だからな!」


「十代、そういうことは俺と勝負してから言うんだな」


「オシリスレッドとラーイエロー身の程を知れ」


「騒ぐな。そいつらお前らよりできるぞ。入学試験でマグレとはいえ手抜きしたクロノス教諭に勝ったり、教員をノーダメージ、1ターンキルで倒した奴だからな」


「実力さ」


「まあ手札が良かったからな」


「ふん、その実力ここで見せてもらいたいものだな」


「貴方たち何してるの」



十代達が今にもデュエルを始めようとした時、1人の金髪のブルーの女子生徒が現れた。


「やあ天上院君。このレッドとイエローがあまりにも世間知らずでね、学園の厳しさを少々教えてやろうと思ってね。」


「そろそろ寮で歓迎会が始まる時間よ」


「チッ、お前ら引き揚げるぞ」



女子生徒の言葉で万丈目は取り巻きを引き連れてブルー寮へ帰って行った。


「万丈目君の挑発に乗らないことね。あいつ等ろくでもない連中だから」


「わざわざそんな事を教えてくれるなんて、ひょっとして俺に一目ぼれか!」


「そんなわけないだろう」ガン!!


「痛っ!?殴ることないだろう裕也」


「フフッ…貴方たちの寮もそろそろ歓迎会が始まるわよ」


「ヤベッ、行くぞ翔!」


「待ってよアニキ〜!」


「そうだ、お前何て名前だ!」


「天上院明日香よ。明日香でいいわ」


「わかった。俺は遊戯十代、またな〜!」




十代と翔は明日香の名前を聞くとダッシュでレッド寮に帰って行った。





「ところで貴方の名前は」


「ん?ああ俺は加藤裕也。裕也でいいぞ」


「そう。裕也は戻らないの?イエローでも始まるわよ」


十代と翔が見えなくなっても未だに寮に戻らない裕也を不思議に思い声をかけた。



「ちょっと聞きたいことがあってな」


「何?」







「イエロー寮ってどこだっけ?」

「………」














後書き
何とか万丈目と明日香を出すことができました。
ところでなんで十代とかは明日香は名前呼びなのに、万丈目は名字呼びなんでじょうね。

次回は久々のデュエル回です。
いつ更新できるかわからないけど頑張ります


-3-
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