誰か・・・・、誰か助けてくれ・・・・。
<・・・・・・Teen’s、あなたが指示しなければ、誰も動くことは出来ませんよ・・・・>
ふいに、Bluesの声が聞こえた。
・・・・Blues・・・・! Blues、どうしよう・・・・。どうしたらいいんだ?
こんなことになってしまって、俺たちの研究は失敗だ・・・・。犠牲者まで出してしまった。
俺にはやっぱり、何にも出来ないよ・・・・・・っ。
<いいえTeen’s、あなただからこそ出来るのです。それは未来が証明しています。
研究もまだ失敗したとは決まっていないじゃないですか。
コントロール・ルームが占拠されたというだけで、コンピュータが占拠されたわけではないのですよ・・・・>
・・・・・・そっか・・・・・・。
そうだ、コンピュータを他にヤツらが誘導できないようにしてしまえばいいんだ。
――― どうやって・・・・?
俺たちが行ってやるしかない。
――― しかし、殺傷ビームはどうする―――――。
Bluesのフォローのお陰で、何とか頭の中が動き始めはしたが、いいアイディアが浮かばない。
けど、取り敢えずはスタッフを安全な場所へ移さなければ・・・・。
そう思い、俺は速水に尋ねた。
「速水、現在のスタッフの避難状況は?」
「エマージェンシー・シフトということで、対処は直ぐに行えました。
現在は、スタッフ全員、総合病院の方へ避難しています。ここに残っているのは、私一人のみです」
「そうか・・・・、わかった。ありがとう。おまえも早く総合病院へ行け」
「し・・、しかし、ここを無人にすることは出来ません。誰かがここに居なくては・・・・」
速水は、“ラボを離れる気はない”という強固な表情で訴えていた。
「速水・・・・・・、おまえは俺たちのいない間の対処を良くやってくれたよ。
だが、傷を負った者がこれ以上無理をすることはない。この後は俺たちに任せてくれ・・・・。
それとも、俺たちじゃ頼りないか・・・・・・?」
「な・・・・、何を言われるんですか・・・・」
速水は言葉を失っていたが、次第にその硬かった表情が解きほぐれ、ふっと笑ったかのように溜息をついた。
「プレアデス、わかりました。あなたには、まだそんなユーモアを表現するだけの余裕があるのですね?
私はあなたにここをお任せして、避難することにします」
俺はその言葉に応えるように、ゆっくりと頷いて見せた。