「さや・・・・、俺が一人で考え込んでるように見えるときは、実は一人で考えてるわけじゃないんだ。
・・・・・・二人で考えてるって言った方がいいかな・・・・。
俺には今、MP(マイクロ・プロセッサー)っていうコンピュータがついててくれて・・・・、
そのMPとコンタクトを取りながら、次の行動とか決めてるんだ・・・・・・」
「マイクロ・プロセッサー・・・・?」
さやは、ちょっと信じられないと言った表情で、俺を見ている。
俺は首にかけてるチョーカーを取り出し、さやに見せながら、話を続けた。
「なっ? これがそのMP。俺は『Blues』って呼んでる。
俺は、彼のサポートなしじゃ、この何にもわかんない世界でやっていけないんだ。
彼がいるからこそ、見たこともない機械の操作なんかを、さっさとこなして来れたし・・・・、いろんな情報を教えてもらえるんだ。
本当なら、このチョーカーをおまえにかけてあげれば、すぐに理解できることなんだけど、今は外せない。
このタイム・トラベルが全て終了するまで、外しちゃいけないことになってるんだ。
・・・・・・これで・・・・、納得してもらえるかな・・・・」
「う―ん・・・・。なんとなく・・・・はね。それで、あなたは、そのMP・・・・Bluesだっけ? その声なんかが聞こえてるの?」
「ああ、聞こえてる。さやの声が聞こえるのとはちょっと違って、頭の中で響いてるってかんじかな・・・・」
「ふ―ん、そうなのかぁ・・・・・・。わたしも話してみたいなぁ・・・・」
さやはちょっと不満気に俺を見上げている。
「・・・・・・それだけは・・・・、ごめん。それをすると、元の世界に帰れなくなるかもしれないから・・・・、だめなんだ。
直接Bluesと話は出来ないけど、俺を介してだったらできるからさ・・・・・・。それで、我慢してくれよな・・・・・・?」
「仕方がないよね・・・・・・。じゃ、Bluesによろしくって、生命(いのち)預けてますからって、伝えて・・・・・・」
さやは、ニッコリとしてそう言ってくれた。
「さやが何か言った瞬間に、もう伝わってるよ。・・・・・・あっ、“コチラコソ、ヨロシクオ願イシマス”だってさ・・・・」
「うんっ、三人で力合わせて、頑張ろうね!」
「ああ・・・・・・」
<優しい方ですね、さやさん・・・・・・。あなたのパートナーには、もったいない>
なんだって? Blues。さっきは一緒に、“怖い”って笑ってたじゃんか・・・・。
変わり身の早いヤツだな・・・・・・。