――― ど―しよ・・・・・・。
さやが一緒だったんだ。
ま・・・・、まさかね・・・・・・。一緒には泊まれないよな・・・・。
俺は男だからいいとしても、さやの方がなぁ・・・・、嫌がるだろうし・・・・・・。
“何もしない”とか言っても・・・・・・、俺の身体、20’sになってるし・・・・、知らないうちに・・・・・・。
うっわ――――っ!!
何考えてんだよ!
違う、違う・・・・、そ―じゃないってば・・・・・・。
お・・、落ち着け・・・・、動揺してる場合じゃないっ・・・・・・。
俺が深呼吸をして、気持ちを落ち着かせようとしているとき、ドアがス――ッと開いて、史生と雍也が入ってきた。
「お待たせ、直」
史生はそこまで言うと、急に黙って俺の顔をしばらく見つめていた。
そして、首をかしげながら聞いてきた。
「顔・・・・、真っ赤だけど・・・・、どうしたの?」
「な、何でもないよ。そ、それよりさ・・・・、雍也、アクセスの方はマスターしたのか?」
「・・・・ああ、忘れろって言われたって、忘れられないくらい完璧にマスターしてきたぜ」
「そ・・・・っか、よかった・・・・。俺の方も問題なしだ。・・・・急に呼び出して悪かったな。さあ、明日もあることだし、今日はもう帰ろうぜ」
俺は何とかその場をごまかして、二人に帰ることを促した。
―――よかった・・・・。
何とか俺の方も落ち着いてきたし、変な風に突っ込まれずに済んだし・・・・・・。
けどさ、史生のヤツなんて、人のこと なんか面白そうに覗き込んじゃってさぁ・・・・、俺、そんなに赤い顔してたのかなぁ・・・・・・?
雍也もなんだかニヤニヤしてたよな・・・・・・。
俺は今一つスッキリしない気分に悩まされながら、前を歩く二人の後姿を交互に見比べていた。
そのとき、いいことを思いついた。
そうだ。俺、史生の部屋に泊まりゃいいんじゃんか。
もともと、あそこは俺の部屋だったんだし・・・・・・、史生も文句は言わないよな?
うんうん、それがいいや。
さやさんの部屋は、さやにゆっくり使ってもらおう。
な―んでこんな簡単なこと、思いつかなかったんだろう。
そしたら、顔真っ赤にして悩まなくても済んだのにさ・・・・。
まぁいいや。早速言っとこうっと・・・・。
「なぁ、史生。ちょっと頼み事があるんだけどさ・・・・・・」
俺は足取りも軽く、史生に追いついて、声をかけた。
そして、俺たちはその打ち合わせをしながら、帰り道を急いだのだった。