小説『ハーフ 【完結】』
作者:高岡みなみ(うつろぐ)

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「ねぇ、聡美さん。相談があるんだけどいいかなぁ」と高橋が寄ってきたのは25日を過ぎた頃だった。
「はい、いつでも」
「聡美さんのバイ期間の件なんだけどね、最初の面談というか募集時の条件というか夏期講習期間ってなってたでしょ。こんな間際になっていいにくいんだけど、これから先もやってくれないかなぁ。」
と、高橋は申し訳なさそうに言った。
 聡美からすれば、ようやくなれてある程度おもしろさも分かってきた頃なので何ら問題もなかった。
「それでいつまでなんですか?」
「いつまでと言われると困るんだけど、可能な限り手伝ってほしいんだよね。その代わりと言っちゃなんだけど時給100円アップ」
 聡美にとってはうれしい申し出だった。そしてこれからも忙しい日々が続くことになる。

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