小説『超能力と呼ばれしモノ』
作者:しゅー()

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第2話「ヴェンデプログラミング」







レイはゼロを誘いヴェンデプログラム室へ向かった。
ゼロは嫌々ながらもちゃんとついてきてくれた。レイは何も話さないゼロに、ゼロとやっていけるのかとか、寮もゼロと一緒なのかとか考えながら歩いた。

「・・・ついたぞ、そっちは第2だぞ」

とゼロがレイを止めた。
レイは考えすぎてプログラム室を通り過ぎようとしていた。レイはゼロが止めてくれてちょっぴり嬉しいようだ。

「ありがとうゼロ」

とプログラム室へ入室した。
中には部屋の隅に1つの本棚があり、部屋の大部分が昔銭湯にあったような頭がすっぽり入るヘアードライヤーのようなものと、その横のスキャナで占めていた。

「本棚から本をとってその中から選びその機械’ヴェンデプログラマ’に座ってください。そうしたら自動的にやってくれます」

とアンスは生徒たちにいった。

「何で本なんだろう?・・・メモリースティックにすればいいのに・・・」

とレイはつぶやいた。

「・・・ヴェンデを作った科学者がな、全て本で書いてるんだ。だから本なんだ。ヴェンデを作れるのは’あいつ’ただ一人だからな・・・」

とゼロが教えてくれた。
レイはゼロが科学者のことをあいつと行ったのが気になったが素直にお礼を言うことにした。

「ありがと、で、ゼロはどんなのにするの?本棚に行こうか?」

とレイが聞くとゼロは首を振り

「・・・もう決まってる。いや、俺は俺の本があるからいい。レイは本を取りに行くといい」

とレイを促した。

「いや・・・俺も俺の本があるよ。さっき来るときに拾ったんだ」

と言ってゼロに本を見せた。

「な!?これは・・・」

と言ってレイに返した。レイはどうしたの?とゼロに聞いてもゼロは黙っている。

「・・・それは天のヴェンデといって普通のヴェンデの書より修得難度が高い。その分威力、汎用性などは普通のヴェンデよりも軽く数十倍は高い。ただ、こういうたぐいの書には必ず1つ地雷が混ざっている。適当に決めないようにな」

とやっと言葉を返してくれた。

「わかった。すごいやつなんだな。ゼロの持ってるのはなんだ?」

とレイはゼロの持っている本を指差し聞いた。

「・・・あぁ、これは地のヴェンデだ。これはお前の天のヴェンデの双子のようなものだ。この天と地のヴェンデの書はこの世界で1冊ずつしかない。これらの本のランクは世界最高峰と言われている。」

レイは驚きながらもすごいものを拾ったと喜んだ。
そしてレイとゼロはヴェンデプログラマへと向かった。

「何にしようかなー」

と座ったレイはつぶやいた。
そして座ったとたん目の前にグラフィックパネルが浮かんだ。
そのパネルには、(脳内チップがありません。脳内チップを埋め込みます。)と出ていた。
そして上から頭をすっぽり覆われた。機械音が聞こえて、数秒意識が飛んだみたいだった。
(完了しました。IDを登録します・・・登録しました。ヴェンデプログラムが書いてる本を隣のスキャナに置いてください)
そう言われてレイは隣に天のヴェンデをおいた。
(天のヴェンデスキャナ完了。この本はユニークヴェンデです。あなたのID以外使用不可にしますか?)
と出ていたので、ハイを選択した。
(IDロック完了しました。ヴェンデプログラムをページで選択してください。)
と聞かれて思わずレイは1ページを押してしまった。
(ヴェンデ名’人体の限界への挑戦・極’を脳内チップへプログラミングします。・・・完了しました。)
人体の限界への挑戦・・・?と思いつつもヴェンデを覚えたレイはテンションが上がった。

そしてゼロと合流した。
「思わず1ページを選択して人体の限界への挑戦・極ってやつのしちゃったよ。」

とゼロに言うと、ゼロは目を見開き、

「・・・それは、’地雷だ’」

とつぶやいた。

「えええええ、1個しかないんじゃないの?なんで1ページ目にあるの?え?」

とレイが取り乱しているところへゼロはこう説明した。

「運が悪かったな・・・。ちなみに能力は人体を3000%使いこなすという能力だ。人は30%しか人体を使えていない。それを3000%使いこなすヴェンデだ。もともと普通の本は50%つかいこなすというものなのだが天のヴェンデだとな・・・。修得難度はオーバーランク。使いこなせると強いが、使いこなさないことには普通の人間となんら変わりはない。最初にこれを選ぶとはな・・・」

つまり、人の10倍の能力を使えるとそういうことかと理解したレイ。

「使いこなすとすげーじゃん!がんばるよ・・・」

と空元気のレイだった。

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