「「「「「「「いらっしゃい!!」」」」」」」
総勢7人の男女が私を迎えた。
主人、奥方、お嬢様、執事、メイド、双子の…人形…?男の子と女の子だ…。
「いらしゃいませ。失礼ですが、どちら様ですか?」
長く紫色の髪の毛の執事が私の目の前へやってくる。
「えっと、美紅…と言います。この人には見覚えがありませんか…?私の祖父なんです。」
あらかじめ持ってきたお祖父様の写真を見せるなり、執事の顔つきが変わる。
「美紅様…ですか。わたくしは執事の樂と申します。
この写真…。い、いえ…申し訳ありません。見覚えがございません…。」
なんだかぎこちなく感じるけど…
「そ…そうですか…。」
がっくりとうなだれる私のところへ双子の人形がやってくる。
「お姉ちゃんっ!!私は人形の鈴って言うんだよー!!」
「僕は人形の蓮だよーっ!!ねえねえ!遊ぼうよっ!!」
「こら!はしゃぎまわるんじゃないっ!!」
執事が人形たちをきつく叱る。
「すみません…。」
「いえ…大丈夫です。」
すると今度は、お茶を持ったメイドがやってくる。
「私はメイドの茱と申します☆お茶を召し上がれ!」
「ど…どうも…。」
お茶を受け取ると今度は奥方、主人、お嬢様がやってくる。
「はじめまして美紅さん。この館の主人の海戸と申します。」
「主人の妻の芽衣子です。」
「娘の瑠香よ。よろしくね。」
「よ、よろしくお願いします…。」
なんだか賑やかな一家…。
しかも人形が動いたりしゃべったり…。どうなってるのかな…?
「お祖父様のことを聞きに来たんですが…ご存じないようなので…失礼しますね…。」
「待って!!そう急がなくてもいいではないですか…。今から歓迎のパーティーを開きましょう!」
「「パーティーパーティー!!!」」
双子の人形がはしゃぐ中、私は宴の場へ招待された。
「ご、御主人さま…?宜しいのですか…?この方は…」
「黙りなさい。それとこれとは関係が無いでしょう?」
「は、はい…申し訳ありません…。」
海戸さんと、樂さんがなんだかもめているようだけど…。
いいのかな…?
「そうと決まればっ!!こっちに来てよ〜!!」
「早く早くっ!!」
双子人形が私の腕をつかみ宴の席へ引っ張っていく。
っていうか私…。帰らなくていいのかしら…?
「帰るにしても…こんなに暗いんだから、森の中を彷徨っちゃうでしょう?泊っていったら?」
芽衣子さんがにこっと笑いながら私の心を読んだかのように話す
「そ…そうですね…ではお言葉に甘えて…今夜は、泊っていきます。」
そういうと、全員がわあっと喜びだした。
「「HalleyHalley!!」」
「ワインも用意いたしましょうか…。」
「乾杯しましょうっ!!」
「今夜はどんちゃん騒ぎですねっ!!」
「今日の主役は…」
「「「「「「「美紅さんだっ!!!!!」」」」」」」
…なんだか息ぴったり…。いい家族…。
それから私は、夜が更けるまで宴を楽しんだのだった。