第3話 1人の親として(前)
前話においてユウがイリヤたちにいじくられるよりも少し前
案内された部屋で紅茶を飲みながら話をしているアイリとコレット
「それにしてもこうして話すのも久しぶりね」
「ええ、たしかあなたの切嗣さんとの結婚式以来かしら?」
「そうね。でもコレット、あなた何年立っても変わらないわねー」
「アイリも人の事いえないと思うのだけれど……」
「あらやだ。年の話はNGよ」
「最初に言ってきたのはあなたでしょうに。……それにしても懐かしいわね」
「あの頃は楽しかったわねー。みんなで色々なことしたりして楽しんだわね」
「主にその被害をこうむったのは私だったけれどね」
「あら?そうだったかしら?」
「あなたって人は……」
その後も昔話に花を咲かせていた2人であるがアイリがある疑問をコレットに投げかける。
「そういえばコレットー」
「何かしら?」
「今日はあの人いないみたいだけど、どうしたのかしら?」
「……あ、あの人なら今日も仕事よ……(ボソッ)たぶん」
「……ふーん」
何故か歯切れの悪い答えを言うコレットにアイリはさらに質問をぶつける。
「ところで、話は変わるけど手紙ありがとうね。はっきりいってうれしかったわ」
「そういいながらいきなりフランスまで来るのはどうかと思うのだけれど…」
「いいじゃない。久しぶりに会えて私は嬉しかったのだけど…あなたはいやだった?」
「そ、そういうわけじゃないけれど…」
「それにしても写真で見た時も可愛いと思ったけれど実際に見ると余計に可愛く見えるわね。シャルロットちゃん」
「それは当然よ。私の自慢の娘だもの」
「でも悲しいわ。シャルロットちゃんが生まれた時はともかく、私達親友だと思ってたのに結婚式に呼んでくれないどころか結婚報告すらしてくれなかったんですもん」
「そ、それは…その…」
「なんでかしらねー?私悲しくて泣いちゃいそうよ?」
そういいながら目元を手で隠すようなしぐさをするアイリ
「それは絶対嘘でしょ」
だが嘘泣きはあっさりと見破られる
「む…でもそこは置いておいて教えてくれればお祝いの言葉の1つでも送っていたのに」
「…………」
「コレット?」
「…ノ、ノーコメントで…」
「ダ メ よ」
「うう…実は…」
………説明中………
「なに?じゃあ、シャルロットちゃんがお腹に宿った時にはあの人の実家が勝手に内縁の話進めてて報告する前に結婚しちゃって時すでに遅しだったってこと?」
「はい…その通りです」
「あっきれたー、あの人もあの人だけどあなたもあなたよ。学生時代はあんなにイチャついてたのに」
「い、いわないでー!お願いだから言わないでー!」
顔を真っ赤にしながらしゃべるコレット
しかしアイリはそれを無視して続ける
「それで?お互いに話し合ったの?」
「一応1度会って話したけど…あの人に迷惑掛けたくないから…その…」
「全く、あなたたちはそれでいいかもしれないけどまだ子供のシャルロットちゃんのことは考えたの?あの子はこのままじゃ絶対悪影響が出るわよ?」
「わかってる。わかってはいるけど…」
コレットの返答に、彼女自身の心が納得していないことを悟ったアイリは急に席を立つと彼女に告げる
「これはあの人と一回O HA NA SHIしないといけないわね」
「…え?」
「だから私が一度あの人に直接会って問い詰めてやるのよ!」
「お願いだから物騒なことはやめて!」
「大丈夫よただのOHANASHIだもの」
「何か発音が違うから不安なのよー!」
「じゃあ、ちょっといってくるわ」
「待ちなさいアイリ!アイリ!?」
そう言って、コレットの制止の声を振り切ってアイリは部屋を出ていく
その途中でイリヤに声を掛けられるが…
「あれ?お母様どうしたのそんなにあわてて?」
「ごめんねイリヤお母さんちょっと用事出来ちゃったから待ってて欲しいのよ」
「そーなの?わかったわいってらっしゃいお母様」
「あなた達あんまりコレットに迷惑掛けちゃダメよ?」
「「はーい」」
「待ちなさいアイリ!」
「それじゃあコレット娘達のことよろしくねー」
そういってそそくさと車に乗り込みどこかに向かうアイリであった。
「ああ、行っちゃったわ。こうなったらもう(あの人に)無茶なことしないか祈るしかないわね…本当にごめんなさい…」
その表情には明らかにあきらめの色が見えていた。
「おかーさーん、ちょっと来てー」
そんな風に立っていると家の中から娘の声が聞こえてきたので仕方なく家の中に入っていくのであった。
その後コレットも加わってユウが着せ替え人形となったとかならなかったとか