小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

俺の名前はラーズ。七歳だ、肉体的には。……そう、精神的には既に二十歳を越えている。まさか自分が
転生するなんてファンキーな事態に陥るとは流石に考えていなかった。しかも前世の記憶はぼんやりとしか
無く、「俺」という人間は最早この世界にしか存在していない。現実を受け入れるしかないのだ。
しかも転生先は化け物だらけのワンピースの世界…。

「ねぇー。」

確かにワンピースは好きだったけどさ!原作読んで涙した事もあったが、出来れば転生先は
主要キャラが良かった。どう考えても俺は一般人、モブだよモブ。いつヒャッハーな海賊に殺されても
おかしくはない。最初は自分の不幸に笑いまで出ていたが、何とか受け止めて生き残る術を探している。

「ねぇーってばー。」

俺は転生してきたが、チート能力等は全く無い。なので、常人を遥かに上回る努力で体を鍛えるしかない。
幸いというか、この世界は空気も栄養たっぷりなのか、鍛えれば鍛える程強くなれる様だ。だって七歳児が
ランニングで20km位平気で走れる様になったり、腕立て千回軽く出来る様になるのは異常だろ。最近では
この体自体が転生特典なのではとも考えている。これには感謝している。

「ラーズ聞いてるー!?」

そしてもう一つの特典?は自宅の本棚にあった「六式」の修行の本。これを覚える事が出来れば死亡率が
格段に下がるハズだ。体も少しはしっかりしてきたし、そろそろ本格的に取り組もうと思う。
それから「生命帰還」の修行も忘れてはいない。この世界は医学が完全ではないので、少しの傷が
致命傷になりかねない。そのために山の中で瞑想にも耽ったりする。

「……。」

それから悪魔の実だが、こればっかりは努力でもどうにもならない。その内どこかで見つけ次第
食べようと思う。理想は自然系だが、この際贅沢は無し。超人系だって動物系だって鍛えれば十分な戦力になる。
後は能力を完全に制御出来ればその辺の海賊には負けないだろう。
「覇気」?あぁ、勿論使えないよ。修行のやり方も知らないし、これに関しては急いでもどうにもならないので
今は基礎を固めるのが最優先だ。最優先なのだが…。

「さっきからなんブベラァ!?」

強烈なパンチが顔面に飛んできた。腕立て伏せの途中だったので派手に砂浜に転がる。

「ラーズがさっきからずっと無視するからでしょ!」

「イテテ…、少し位は手加減しろよ!けっこう効くんだぞ、お前のパンチ。」

そう、俺に怒りの鉄拳を見舞った人物、幼馴染みの女の子。橙色の髪の毛の強気な少女、…ナミ。
幼馴染みだと分かった瞬間は「イエス!全力でフラグ立ててやるぜ!!」などと考えていたが、
後々思い出してみると「あれっ?ナミと同い年って事は十歳になったらアーロン来るよね?
金払えないよね?…不味くね?」と、既に危険信号が鳴り響いていたのに気付いた。

「だってヒマなんだもーん。遊ぼうよー。」

「ヒマなら家で海図の勉強すりゃいいじゃんかよ。」

「今日の勉強は終わったの!だから遊びに来たのに…。」

しょんぼり下を向くナミ。そんなナミも可愛い!!…いやいや違う。俺は少しでも死亡率を
下げねば下手したら寿命後三年なんだよ!…とは言えず、残りの修行は夜に回す事にする。

「分かった分かった!んで今日は何する?」

言った途端に笑顔全開になるナミ。あぁ、やっぱ可愛いなぁ。この笑顔には敵いそうにない。

「えーと、今日はねぇ…。」

こんな感じで日々が過ぎている。ひとまず俺の目標として、

一つ。アーロン襲来時に生き残る事。

一つ。ナミとカップルになるための努力を忘れない。

一つ。「六式」を覚えて死亡率を下げる。

当面はこの3つだな。原作介入に関してはアーロンから生き延びたら考えよう。だって原作にはナミの幼馴染み
なんていなかったハズだから死んでも可笑しくはない。とにかく先ずは生き残れる事を祈ろう。

アーロン襲来まで後三年。





後書き


初めまして、じゃパーンです。こうした二次創作は始めてですが、頑張って更新していきますので、
宜しくお願い致します。

-1-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




Portrait.Of.Pirates ワンピースシリーズNEO-DX トラファルガー・ロー
新品 \14000
中古 \11000
(参考価格:\6300)