小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  一方その頃、麦わらの一味はロケットマンの中で作戦会議中であった。



  〜〜ウソップside〜〜


 いや〜さっきの大波はビックリしたな。ルフィとゾロが波に穴開けるなんて破天荒な事しなかったら、今ごろみんな
 仲良く海水浴してるとこだったぜ。もうあんな大波は来ないらしいから、後はエニエス・ロビーに着くだけだな。

 しかし、エニエス・ロビーって敵はどれくらいいるんだろうな?やっぱ世界政府の重要拠点だし千人くらいは
 いるんだろうなァ。葉巻吸ってるパウリーにでも聞いてみるか。

「なァ、エニエス・ロビーって海兵達も沢山いるんだよな?」

「…おれは以前線路の整備で言った事があるが、その時の話によるとざっと一万はいるらしい。敵のボスがいると
 すれば恐らくは最奥の”司法の塔”だろう。フランキーもそこに連行されてる可能性が高い」

 一万!?おいおい冗談だろ?そいつら倒して奥に行かなきゃなんねェのかよ。

「そんなにいるの!?私達が九人だから…一人で千人以上倒さないといけないじゃない!?」

「更には仮面の集団か…なかなか難しいな」

 ナミとサンジの意見はもっともだな。仮に海兵達を全部倒したとしてもそこから更に強い仮面達がいて、その
 仮面集団は何人いるかも不明。作戦も碌に立てられないな。

「おれ達大丈夫かな?」

 チョッパーも少し不安そうだな。確かに今まで海軍と正面からやり合うなんてなかったし。おれもどちらかと言うと
 少し腰が引けてる。


「だが、それが世界政府に喧嘩売るって事だろ?だったら腹括れ」


 ゾロは敵が何人いても気にしないみてェだな。けど、確かに一理ある。

「私も覚悟はしてるわ。ラーズを取り戻す為の前哨戦ってとこね」

 ロビンはさらっと言っているが、とんでもない前哨戦だな。

「私も精一杯やります!兄さんの為に!」 

 ビビがこんなに気合入ってんだ。おれも負ける訳には行かねェな。


「おれ達ならやれる!」


 ルフィの溢れる自信はどこから湧いてるんだ?

 結局作戦らしい作戦は出てこなかったが、おれ達だとこんなもんだろうな。

「…お前達はいつもこうなのか?」

 パウリーが頭を抱えながら聞いてくる。そういや慣れないヤツはついてくるの大変だろうな。

「頑張って慣れてくれ」

 これにはフォローのしようもないからな。


 しばらく進んでいると、外の雨が止んだ。それと共に遠くに建物がうっすらと見える。どうやらあそこが
 エニエス・ロビーみたいだな…いよいよか。ん?待てよ?

「なァ、おれ達はどうやって降りるんだ?この列車って止まらないんだよな?」

 出航する前にアイスのおっさんが言ってたよな。入口っぽいとこには鉄柵があるしどうすんだ?

「鉄柵なら任せろ。ぶった斬ってやる」

 そういやゾロは鉄も斬れるんだったな。するとゾロは操縦しているココロバーさんの所に行った。
 何やら話してたみたいだが。

「なんか用事でもあったのか?」
 
「この列車ごと突っ込んでくれって頼んできただけだ」

「なるほどなァ……ってはァん!?」

 これごと突っ込むだって!?何考えてんだよ!?

「それが一番手っ取り早いだろ。ついでに海兵達も巻き込んじまえばいい」

 …この列車衝撃で爆発とかしないよな?戦う前にリタイアなんて笑えないぞ。
 そんな事を考えてる間にも、列車は鉄柵に向かって全力疾走している。今更何考えても無駄って事か。
 ゾロも列車の一番先頭、鮫のヘッドのとこまで行っている。

「さて、いよいよ始まりか」

 タバコを吸いながらのんびりしているサンジ。お前は気楽でいいよな。ちゃんと状況理解してんのか?


「んががが、しっかり捕まってな!」


 ココロバーさんの言うとおり、列車に捕まる。すると最初に大きな衝撃が来た後、列車はエニエス・ロビーに
 見事に突っ込んでいた。列車はそれでもけっこうな距離を進んで行く。
 ようやく周りが静かになった。ひとまず列車は停止したみたいだな。

「あたた…みんな、大丈夫?」

 ナミがみんなに声をかける。おれも周りを見ると、ケガしてるヤツもいないみたいだし大体大丈夫そうだな。

「なんつー大胆な作戦…いや、これは作戦とは呼べないな」

 比較的常識人のパウリーが溜息をつく。

「ほら愚痴ってるヒマはないぞ。さっさと出ようぜ」


 他のみんなも列車から出ていた。おれも外に行くと、凄まじい光景が広がっていた。

「おいおい、分かっちゃいたけどこうして見るとすげーな」

 列車の周りには海兵だらけ。遠くを見ても海兵で埋まっている。こんだけの海兵見るなんてもうないかもしれないな。

「海賊が攻め込んできたぞー!」
「戦闘準備急げ!」
「取り囲め!逃がすなよ!」

 次々と叫ぶ海兵。
 
「とりあえずガンガン蹴散らして前進だな。迷子になるなよ」

 ゾロを見ながら喋るサンジ。

「誰に言ってやがんだよスピンマユゲ」

「あァん!?」

 コイツ等はどこに行ったらまともになるんだ?ラーズ早く帰って来てくれよ!馬鹿をまとめる役が足りない!


「いくぞお前らーー!」


 ルフィはすでに海兵に向かって突撃していた。海兵達が次々に倒れていく。

「おれ達もなるべく離れないようにしつつ進もう。麦わらはともかく仲間から切り離されたら苦しくなるぞ」

 パウリーのヤツ、意外と冷静なんだな。その意見に従い固まって前進する。突っ込んで行ったルフィのおかげか
 海兵達は前方のルフィと後方のおれ達の相手をする様になってしまい、上手く動けないみたいだ。
 その隙を突いて撃破し進む。

 少し進むと一つ目の門が見えてきた。パウリーの話だとこの先にもう一つ門があるらしいな。

「全然敵が減らないぞ!」

「すでに百人くらいは倒したんだけどね」

「これは厳しいです!」

 確かに敵が減る気配がない。みんなは今んとこ大きなケガはしてないが、この戦いがずっと続くといずれ体力が
 底をついてしまう。そうなると一気に不利になるな。

「もう、しつこい!”サンダーボルト・テンポ”!」

 ナミの天候棒ってあんな使い方出来たんだな。海兵達に雷が降り注いで黒焦げになっている。アイツは
 怒らせない様に気をつけておこう。


「おらァァ!!」


 前方ではゾロが一つ目の門を斬って入口を作っていた。アイツは何でもかんでも斬って進もうとしてねェか?

 とにかく今は進むか。後ろからも残ってる海兵達がどんどん追いかけて来てるし。


「ロビンちゃんを狙ってたのはテメエか!?それともテメエか!?」


 サンジも恐ろしい勢いで蹴り飛ばしてるな。蹴られて吹き飛んだヤツが建物に突き刺さってるぞ。まァこういう時は
 頼りになるからそのまま頑張って貰おう。


 ようやくもう一つの門まで半分ってとこか。しかしこの数は本当に厄介だな。まるで減る気がしねェ。
 銃やら大砲やらガンガン撃ってきやがって。

「こうも多いとうんざりするな」

「雑魚ばっかだがな」

 ゾロとサンジも少し疲れたのか、相手を倒しながら愚痴がでている。


「ここまでだァ〜、この門は通さねェぞ」


 声が上から聞こえた?と思って見てみると…巨人族!?しかも二人かよ!ただでさえ面倒だってのに。

「巨人までいるの!?」

「これは面倒ね」

 ナミとロビンも驚いてる。おれ達の周りには未だに沢山の海兵、それに加えての巨人だからな。海兵達が少しずつ
 おれ達との距離を詰めてきている。

「おい、流石にマズイぞ」

 パウリーも焦っている。けど、おれも良い考えが浮かばない。どうすりゃいいんだよ!






「貴様等は何をやってるんだ?」






 またも上から声が聞こえてきた。今度は何だよ!?見てみると、それは完全に予想外だった。なんでアイツが!?
 サンジやナミも口を開けて驚いていた。ソイツは建物の上に座ってこっちを見ていた。

「おいウソップ!何でアイツがこんなとこにいんだよ!?」

「おれが聞きたいぐらいだよ!」

「まさかアイツも敵なの!?」

 騒ぐおれ達。しかしゾロ達は何に騒いでいるのか全く分かっていなかった。そういえばコイツ等は見てないんだっけ。

「ふむ、見たところラーズがいない様だが…何があった?」

 さっきまで上にいたかと思ったら一瞬でおれ達の近くにきていた。

「つーか何しに来たんだよ!おれ達を襲いに来たのか!?」

 慌てて下がりながら叫ぶ。こんなとこでコイツとやり合っても勝てる気がしねェ!





「どうなんだよ!エネル!?」





 空島からいなくなったかと思ったら、ここで出てくるのかよ!?この大事な時に勘弁してくれー!

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