小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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 〜〜ラーズside〜〜

 俺は世話になったマリンフォードを後にした。ガープさん達に伝えたら引き止められそうだったので
 家に手紙を残してきた。悪いとは思うが後悔はしていない。

「さて、ココヤシ村まで三週間ってとこだな。」

 今乗っている船は、海軍所属のものではなく二〜三人乗りくらいの小船だ。
 服装も黒のカットソーに赤いハーフパンツの楽な格好だ。
 海楼石は少しだけ船底に敷いて、海王類が来ない様にしている。まぁ来ても返り討ちにするが。
 ひたすら凪の帯を突っ切って村を目指す。









 道中何度か海賊に襲われた。まともに相手をするのも面倒くさく、尾の「嵐脚」で船を攻撃して
 沈めて行った。そんな事を繰り返していると懐かしい景色が見えてきた。…が。

「やっぱり建ててやがるな、アーロンパーク。」

 何とも不愉快だ。あいつの所為で今もナミは苦しんでいるのだ。

「って事はまだルフィ達はこっちに来てないみたいだな。」

 ひとまずは確認も含めて村に行って見よう。







 村に着いたが、やはりアーロンに支配されているせいか、活気がない。まぁ当然だな。
 歩いていると知った顔を見つけた。

「久し振り。八年振りかな。その顔の怪我どうしたの?ゲンさん。」

 帽子に風車を付けているゲンさん。傷はあの後やはり戦ったのだろう。

「ん?…お前、まさかラーズか!?」

「あぁ。本物だよ。」

「生きておったのか!ワシはてっきり…。」

「まぁあの傷だったしね。たまたま近くにいた海軍に助けられて。ほら、あの時撃たれた傷。」

 そう言って肩の銃創を見せる。これだけは痕が残ったままなのだ。

「何にせよ、生きてくれてて良かったわい。」

 ゲンさんは嬉しそうだった。昔も世話になってたしな。

「聞きたいんだけどベルメールさんは…。」

 ゲンさんは俯いて答えない。

「やっぱりか…。ナミとノジコは?」

 やはり原作通りに歴史は動いているみたいだ。尤も、これからは変動するだろうが。

「ノジコは今もあの家におるぞ。アイツも泣いておったからの。後で会いに行ってやれ。
 それでナミなんじゃがな…。」

「大体は知ってる。村のためにアーロンの一味に入ったんだろ?」

「何故知っておる!?」

「傷が治ってからはずっと海軍にいたからね。状況は理解してるよ。」

「そうか…。すまん。あの時お前だけがベルメールの為に立ち上がったのにワシ等は見る事しか
 出来んじゃった。」

「いいよその事は。それに俺は村を救う為に戻って来たんだからね。」

「何?それはどういう事じゃ?」

「まっひとまずアーロンは任せて。んじゃノジコのとこに行ってくるよ。」

 そのまま歩き去り、ノジコのとこへ向かう。村の外れに来ると、懐かしいみかん畑が見えてきた。
 家の前まで辿り着く。

「ノージコー。」

 家の中に声を掛ける。八年振りの再会だった。

「誰よアンタ?」

 ノジコは怪しい視線をこちらに向ける。

「酷いなぁ。俺の事忘れたの?昔は三人で遊んでたってのに。」

「三人って…アンタもしかしてラーズ!?アンタ生きてたの!?」

 やっぱみんな同じリアクションだな。

「何とかね。」

 するとノジコはいきなり俺に抱き付いて来た。

「生きてたなら連絡くらいしなさいよ!私やナミがどれだけ泣いたと思ってるのよ!」

「それについてはゴメン。」

 ノジコは泣いていた。俺はノジコの頭をそっと撫でた。…勘違いしないで頂きたいが、
 俺はナミ一筋である。ノジコは姉貴みたいなもんだ。心から心配してくれてて嬉しかった。

「良かった…。あの時ラーズがあんなになって、ベルメールさんも…。」

「ゲンさんから大体は聞いたよ。今ナミはどこかに出掛けてるの?」

「うん、けっこう前に出てったからもうすぐ戻るかもね。あの子が一番心配してたのよ。」

 そいつは良い事を聞いたな。夢に向かって一歩前進である。

「そっか。」

「ふぅ。しかしアンタ変わったわね。背も大きくなって髪も白くなってるし。それに何?その尻尾?」

 そりゃ気になるよな。俺は今までの経緯を含めて話した。

「へぇ〜悪魔の実、ねぇ。じゃあ海軍は辞めてきたの?」

「うん。未練はないよ。」

「そっか。で、ラーズはこれからどうするの?」

「ん〜まずはアーロンを潰して村を開放するよ。」

「…アンタ本気!?今度は絶対殺されるわよ!?」

「大丈夫だって、その為に今まで海軍で死に掛けながら訓練してきたしね。」

「それはそうかもしれないけど…。」

「安心して。俺は絶対に死なないよ。ナミの為にも。」

「はぁ。そこだけは昔から変わってないのね。」

 ノジコはもう笑っていた。

「あれっ?ノジコにもバレてた?」

「気付いてないのはナミ本人くらいよ。」

「う〜む、迂闊だったな。」

「で、いつ行くの?」

「早い方がいいからな。今からでも行って来るよ。あっ、村の人には内緒ね。
 周りがいない方が早く終わるだろうから。」

「凄い自信ね。」

「それだけの事は、やってきたつもりだよ。」

「…分かったわ。でも気をつけてね。死んだらナミと一緒にぶん殴りに行くわよ。」

 そう言ってノジコは見送ってくれた。さて、行くかアーロンパーク。
 ベルメールさんの仇。そして今までナミを苦しめた罪を償って貰おう。

 











 
 アーロンパークへ向かうラーズ。それと同時にココヤシ村には一隻の船が近付いていた。




 −−八年の時を経て、二人は再会を果たす事となる−−




 

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