小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ナミside〜〜

 村に平和が戻ってから三日が過ぎた。みんなはそれぞれに喜び、ずっとお祭り状態だ。
 特にラーズは村の皆からあちこちに引っ張られている。そして何故かルフィ達も
 全力で祭りを楽しんでいた。

 途中でラーズを呼んでルフィ達とお互いの話をした。海軍での事や能力の事。そして”偉大なる航路”。
 話の度に驚いた。どれだけ頑張ってきたんだろうと。本人は大した事なさそうに話すが、
 ゾロやサンジ君は顔をしかめていた。対照的にルフィとウソップは「うひょー!」とか言っていた。

 一旦話が落ち着くと、サンジ君がラーズに話し掛けた。

「んじゃそろそろ手合わせして貰おうか。」

「分かった分かった。でも一回だけだぞ。俺はナミと話したいんだ。」

 この前の事が悔しかったのかな?そう言えばサンジ君はどれくらい強いんだろう?

「うーん。ゾロと同じくらい強いんじゃね?」

 ウソップが教えてくれた。それってかなり強いんじゃない!?ラーズ大丈夫かしら?

 少し離れた場所で二人が向き合う。

「悪いが全力で行くぞ。」

「何でもいいから早く来いよ。好きに攻撃してこい。」

「舐めやがって!行くぞ!」

 サンジ君が駆け出す。一方ラーズは尻尾をフワフワさせたまま動かない、組んでる腕すら。

「食らえ!肩肉(エポール)!」

「甘い。」

 サンジ君の速い蹴りを尻尾で防いでいる。

「ちっ!首肉(コリエ)!腰肉(フランシェ)!胸肉(ポワトリーヌ)!」

「んーまだまだだな。」

 サンジ君の攻撃を、ラーズは一歩も動かず尻尾だけで対応している。あの尻尾どうなってんの!?

「くそがっ!」

「もういいだろ?」

 そう言った瞬間ラーズが消えた。…正確にはサンジ君の背後に移動したんだけど全く見えなかった。
 サンジ君も見えなかったみたいだ。

「よっと。」

 ラーズは尻尾でサンジ君の両手両足を掴み、動けなくする。あっという間だった。

「もう動けないハズだけど、まだやる?」

「くっ…。まいった、おれの完敗だ。」

 ラーズの圧勝だった。実際見ると本当に凄いわね。二人が戻ってきた。

「サンジも鍛えれば直ぐ強くなれると思うぞ。素質あるし。それに俺は料理は苦手だからな。」

「あれだけ完敗したら仕方ない認めてやるよ、ラーズ。」

「なぁなぁラーズ!おれともやってくれよ!」

 戦い大好き船長が挑もうとしている。隣でゾロもウズウズしてるみたいだし…。

「今日はもうパス。でもルフィに面白い事は出来るぞ。」

「なんだそれ?教えてくれよ!」

「ルフィはゴム人間だからパンチとか効かないんだよな?」

 そう、ルフィに打撃は全く効かない。

「おう!全然効かないぞ。」

「ところがだな。」

 ラーズがルフィの頭を殴る。

「いってぇーーー!!なんでだ!?」

 えっ!?ルフィが痛がってる!?ラーズは何したの!?

「ふっふっふ。ガープさん直伝の”愛のパンチ”だ。」

「何よそれ!?アンタどんだけデタラメなの!?」

 思わず突っ込む。

「すげーなーラーズ!色々出来るんだな。」

 ルフィは殴られたのに嬉しそうだ。まぁルフィからしたらラーズみたいな
 びっくり人間は大好物なのよね。

「まぁ他にもあるがそれは秘密だ。」

「ブーブー。……なぁラーズ。お前これからどうするんだ?」

「ん〜考えてなかったなぁ。目的のアーロンは倒したし…。」

 ラーズはそのために頑張ってきたのよね。…あれっ?そういえば昔何か夢を言ってた様な…。

「ならおれ達と一緒に海に行こうぜ!」

「俺が?この一味に?」

「そうだ!一緒に行こう!」

 …ルフィならそう言うわよね。見るとゾロはニヤニヤしてるしウソップも頷いていた。
 サンジ君は最初嫌な顔をしてたけど直ぐに普通の顔に戻った。

「俺もいいのか?ナミ。」

 ラーズが私を見た。私も出来れば一緒に行きたい。昔みたいにまた笑いあいたい。

「私も賛成よ。」

ラーズに笑顔を向ける。

「そうか。ならルフィ、お願いしてもいいか?」

「当たり前だ!今日からラーズも仲間だ!!ししし。」

「今度はおれと手合わせしてくれよ。」

 ゾロは悪そうな顔で言った。

「おれが副船長だからな!この座は譲らないぜ!」

 ウソップっていつ副船長になったの?…まぁいいか。

「今度は負けないからな。」

 サンジ君も変な性格ね。

 こうしてまた仲間が増えた。



  〜〜サンジside〜〜


 やばい。ナミさんの白髪野郎を見る目がやばい!ただでさえ幼馴染みなんて羨ましい関係なのに
 奴はアーロンを倒してナミさんを救った。何とかナミさんを振り向かせようと奴に挑んだが、

「おれの完敗だ。」

 全く体に触れる事すら出来なかった。奴は本当に強かった。しかもそれを自慢する訳でもない。

「いや、諦めてたまるか!」

 これからアイツも一緒に旅するなら、絶対アイツを超えてやる!

「サンジ…。ナミは諦めた方がいいぞ。ラーズは弱点が無さそうだ。」

「うるせえウソップ!これからなんだよ!」

「あの二人の感じじゃ無理だと思うけどな。」

 こいつはこんな事だけ鋭いな。くそっ、おれは愛のためにやってやるぜ!
















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜











「なぁルフィ。」

「何だよラーズ?」

「小さい頃ってどうガープさんに育てられたんだ?」

「うーん。山賊に預けられたり風船で空に飛ばされたりしてたぞ!」

「…あの人は何を考えてんだ?」

「どれも楽しかったぞ!」

「そ、そうか。それなら良かったな。」

「おう!」


「あの爺にしてこの孫あり、か。血ってすげーな。」






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