小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ナミside〜〜

 ローグタウンでの買い物を終わらせメリー号に戻る。

「う〜んこれは崩れそうね。」

 どうも雲行きが怪しい。そう遅くない内に雨が、更には嵐にまでなりそうだ。
 みんなが戻り次第早めに出航した方がいいかもしれない。

 少しするとウソップも戻ってきた。また色々と買ってきた様だ。

「何をそんなに買ってきたの?」

「ラーズに言われてな。この先船の補修とかも必要になる可能性があるから
 準備はしといた方が良いってな。」

 ウソップとラーズはあっという間に仲良くなっていた。ここに来るまでも二人で
 特訓してたみたいだし。そう言えばラーズが他の人と楽しそうにしてるのは
 初めてかもしれない。…昔は私だけだったのにな。

「そうね。私も船に積むの手伝うわ。」

 みんなと仲良くしてるのは嬉しいんだけど、ちょっとだけモヤモヤするな。


 そう考えていると今度はサンジ君が戻ってきた。何だか慌ててるみたいだけど…。

「ナミさん、ウソップ。急いで出航の準備だ!」

「おいおいサンジどうしたんだよ?」

 私もそう思う。

「海軍が俺達を狙ってやがる。ボスっぽいのはルフィとラーズが食い止めてるが
 いつこっちにも海兵が来るか分からない。」

 あの二人なら普通は大丈夫だと思うけど…。なんだろう?この違和感は?

「…おいナミ、急ぐぞ。多分これからヤバい事になりそうだ。」

「どうしたのよウソップ?」

 ウソップがかなり動揺してる。

「自由行動の前にラーズと話したんだが、アイツは嫌な予感がするって言ってた。
 あのアイツが言ってたんだ。いつでも出れる様にしといた方が良い。」

 あのラーズがそんな事を!?違和感の正体はこの事かしら?

「分かったわ。」

 急いで準備しているとゾロも戻ってきた。後はラーズとルフィね。
 二人とも無事に戻って来てくれたらいいんだけど…。

 不安な気持ちが拡がっていった。

 だけど、不安を感じ続ける前に、何十人もの海兵が船に向かって襲い掛かって来た。





  〜〜ルフィside〜〜

 ラーズがケムリンをやっつけたと思ったらどっからか攻撃が飛んで来た。
 なんだ今の!?ラーズは何とかよけたみたいだけど。
 見ると、遠くから誰かが歩いてきた。アレも海軍なのか?

 なんかラーズは知ってるっぽいな。話をしている。

「ルフィ。煙野郎はしばらく戦えない。アイツは俺が全力で止めるから船に戻ってくれ。」

「お前一人を置いて行けるか!おれもいっしょ「ルフィ!!」…。」

「アイツは海軍の中でもトップの大将・赤犬だ。ここにいたら間違いなく殺される。
 だからお前は船を守ってくれ。多分船も赤犬の部下に襲われてるハズだ。」

「だけど!!」

「お前の気持ちは分かる。けどお前には俺の代わりにナミを守って欲しいんだ。
 もうアイツを泣かせる訳にはいかない。」

「…。」

「頼む。俺も絶対船に戻るから。」

 ラーズはすげー真剣な顔だ。こんな顔初めてみた。

「…ぜったい戻って来いよ。勝手にいなくなったら怒るからな。お前も
 おれの仲間だからな。」

「あぁ。約束する。それと−−−」

「……本当にいいのか?」

「信じてくれ。」

「分かった。後でナミに怒られても知らねーぞ。」

「ルフィも気付いてんのか?」

「ししし。だから待ってるぞ。」

「あぁ。俺も麦わらの一味だからな。」

「死ぬなよ!」

 おれは港に向かって駆け出した。
 こんなんじゃ全然駄目だ。みんなを守るどころかラーズに守られている。
 もっともっと強くなってやる!


 海兵をやっつけながら船に急ぐ。




  〜〜サカズキside〜〜


 見つけたぞラーズ。貴様は昔から怪しいと踏んでおったがようやく本性を出したのお。

「おい白猟、動けるか?」

「な、なんとか。なんでアンタがこんなとこに?」

「あの白狐を仕留める為じゃ。奴は本部の将校でも相手するのは厳しい。
 貴様も白狐にやられたんじゃろうが。」

「くっ。…申し訳ない。」

「今の内に叩き潰さんとより厄介になるからのお。」

「それほど、ですか…。」

「それよりここらの住民を急いで避難させろ。戦いが始まったらこの辺は直ぐに崩壊するぞ。」

 ラーズはわしも手を抜いて戦える程弱くないからな。

「分かりました。おい!動ける奴は急いで避難勧告を出せ!避難しなかったら死人が出るぞ!」

 これで民間への被害はないじゃろ。さて、

「一人でわしの相手をするつもりかラーズ?」

 頭の麦わらは船に向かったか。

「覇気が使えないんじゃ殺されるだけでしょう?俺も他人を庇いながら戦える程強くないですから。
 ましてやサカズキさんが相手ならね。それなら今頃船を襲ってるであろう海兵達を
 相手して貰った方が俺も安心出来ますから。」

 コイツの厄介なのは力だけでなく、この頭の回転の速さもあるのお。大人しく海軍に
 おればいいものを。じゃが一度裏切った以上、全力で潰すのみじゃ。

「わしに勝てるとでも思っておるのか?」

「正直勝てるとは思ってないですよ。今もどうにかして逃げようかと考えています。」

「本当に厄介なガキじゃ。ここまで来て正解じゃったわ。」

「過大評価し過ぎですよ。」

「そういう所も気に食わんな。」

「しかしサカズキさんも民衆の事なんて気にするんですね。てっきり
 問答無用で攻撃して来ると思ったのに。…オハラの”バスターコール”の時の様に。」

「!?貴様何を知っておる!?」

「別に深くは知りませんよ。ただサカズキさん。貴方が「一般人に学者が紛れてる可能性が
 あるから避難船もまとめて沈めた」事は俺は許せません。」

「…貴様に許して貰う気は無いわい。わしは間違っておらん。」

「まぁそうでしょうね。」

「これ以上話ても無駄じゃあ。遠慮なく叩きのめすぞ。」

「する気も…ないでしょう!」

 ラーズの尾が体に巻き付く。アイツの覇気は厄介じゃからのお。最初から全力じゃ。
 わしも体をマグマに変えつつ戦闘体制に入る。

「いくぞ!!」

「こっちもです!!」








 こうして、東の海ではまず見る事のない大規模の戦いが始まった。
 


 −−−お互いの心を信じて譲れないモノの為にぶつかり合う−−−

-18-
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