小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜スモーカーside〜〜

 …なんて戦いだ。あれが海軍大将の本気か。建物が一瞬で崩れる。まるで化け物だ。

「スモーカーさん…。」

 たしぎもロロノアに敗れた事よりこっちに驚いてるみたいだな。

「たった一人の海賊と戦うだけで町の四割が崩壊するとはな。」

 赤犬の力にも驚きだが、

「白狐も化け物って事か。」

 俺も一撃すら入れられなかった。しかも白狐は本気ですらなかった。
 更にウチのトップとあそこまでやり合うとは…。


「たしぎ。俺は”偉大なる航路”に入る。強くなって奴等を必ず捕まえるぞ!」

「私も行きます!」

 どこまでも追いかけてやるぞ、白狐!



  〜〜サカズキside〜〜


 …ラーズには逃げられたか。最後の一撃で仕留めたかと思ったが、

「まさかあれを利用するとはのお。」

 あの攻撃の爆発を利用して一気に後方に飛び爆風毎逃げるとは。

「アイツはここまで考えて戦っとったんか?」

 このわしが本気でやって逃げ切られるとは考えとらんかったわい。
 つくづくしぶといガキじゃ。

「しかしあの炎…。」

 このわしですら初めて見た。纏った覇気を無効化するだけでなく、自然系の実体にまで
 直接ダメージを与える能力なんてこの海でもアイツしかおらんぞ!

「なんとも厄介じゃ。」

 ひとまず本部に戻るか。あの炎も報告が必要じゃな。
 どの道奴等も”偉大なる航路”に向かうじゃろ。





「次は確実に仕留めちゃるわ。」




  〜〜ラーズside〜〜

「…う、ん。」

「おいラーズ!気付いたか!」

「ん。ウソップ?」

「すぐみんな呼んで来る!」

 …何とか船に戻って来れたか。あれっ?確かサカズキさんと技の撃ち合いして
 出来た爆風と「月歩」を合わせて港に向かって飛んだとこまでは覚えてるんだが…。

 ぼんやりしてるとドアが勢い良く開いた。

「ラーズ!!」

「おう、ナ」

 喋る前にナミが飛び付いてきた。

「良かった…。」

「心配かけたみたいだな、ごめん。」

「掛けすぎなのよ!こんなになって…。」

「いやぁ、まさかこんなとこに大将が来るとは。流石にここまでは予想してなかったよ。
 おかげで大分やられたし。」

「…ねえラーズ。アンタが気絶する前に言った事って…。」

「ん?俺何か言ったっけ?」

「覚えてないの?」

「港に向かって飛んだのは覚えてるんだけどそっからはさっぱり。」

「…そう、ならいいわ。アンタも生きてるしね。」

「この俺がナミを残して死ぬ訳ないだろ。」

 そう言うとナミは俺から離れた。…あれっ?なんか台詞間違えたか?




「…ラーズー。そろそろいいかー?」

 ドアを見たら全員が覗いていた。

「うおっ!あぁいいぞ。」

「いや〜ラーズが飛んで来た時はビックリしたぞ!」

「空に浮いてたのをおれが見つけてルフィが伸びて船に戻したんだよ。」

「そっか…。助かったぜ。」

「しし。約束通り戻ってきたからな!」

「なぁラーズ、少しいいか?」

 ゾロが聞いてきた。

「最後に船を襲って来た海軍は何だ?今までのよりかなり強かったぞ。」

「確かにな。雑魚と思ったら大間違いだった。」

 サンジも同意見みたいだな。

「奴等は赤犬が連れてきた”偉大なる航路”の海軍だ。東の海の奴等より
 遥かに鍛えられてるからな。」

「なるほど。しかし何で海軍のトップみたいなのがいたんだ?」

 みんな同じ事を思ってるみたいだな。

「狙いは多分俺だろう。」

「ラーズを?なんで!?」

 ナミがちょっと怒ってる。…何故?

「俺が海軍にいた頃に大分目立って活躍してたしな。大将三人も知ってるしその上の元帥も
 知っている。俺は八年間その人達に鍛えられてたから、俺が海軍を抜けて世界に楯突いた時の脅威を
 一番分かってるんだろ。更に強くなる前に叩き潰そうとやってきたんだと思う。」

「それでお前はそんなに強かったんだな。」

「あぁ。…ルフィ、みんな。これからこの先また今回みたいな事があるかもしれない。
 そうなったらみんなを守れないかもしれない。だから「ふざけんな!」…ルフィ?」

「お前はおれの仲間だ!船を勝手に降りようとするな!おれ達も強くなる!」

「そうだぜ、まだ剣に付き合って貰ってねえからな。」

「お前とはまだ決着が付いてねえぞ。」

「おれもまだラーズに色々教えて欲しいぞ!」

「お前等…。」

 ナミもこちらを見ている。


「アンタ船から降りたら自分の夢はどうするの?」

「!?…ナミ、覚えてたのか?」 

「さぁ?どうでしょうね?」

 笑っていた。

「そっか…。改めてよろしく頼むな。」

「「「「「おう!!」」」」」

 俺も早くケガを治さないと。

「よーし行くぜ!偉大なる航路!!」



 進路は決まった。















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「……んで何時から覗いてたんだ?」

「え〜っとナミが抱き付いてた辺りから?」

「最初からじゃねーか!」

「いやぁ邪魔するのも悪いなぁ、って。」

「おれとゾロはサンジを押さえてたんだ!アイツ乗り込んで暴れそうだったからな!」

「感謝しろよ。」

「あぁ〜〜〜おれのナミすわぁ〜〜ん!」

「そうか…。サンジ。とりあえずナミは俺のだ。」

「いつからテメエのものになったんだよ白髪狐!」

「うるせえ!昔からだ!!」

「愛に時間は関係ねえ!!」

「「ぐぬぬぬぬ。」」

「…ラーズって重傷なんだよな?」

「肉食えば直ぐ治るぞ!」

「馬鹿がふたりか。」

「「なんだとこのマリモ!!」」

「てめえら斬る!」





「はぁ。しっかり聞こえてるわよ…。」



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