〜〜ウソップside〜〜
「むむ、恐竜の肉ってけっこう美味いんだな。なかなかイケるぜこれ。」
「…。」
「この肉もいいな〜、おーいビビ。酒取って〜。」
「……おい。」
「なんだ?ウソップも肉が欲しいのか?」
「違ーーーーう!!」
何でこいつはこのタイミングで悠長に酒飲んでるんだ?
「どうした?何が不満なんだ?」
「何でルフィが戦ってんのにこんなに落ち着いてるんだよ!?」
そう、今離れた所でルフィが敵と戦っていた。相手はウイスキーピークで戦ったバロックワークスの一員らしい。
もう一人いた女の子はラーズがさくっと気絶させたらしい。…簡単に言うなよそんな事。
んでラーズはその戦いを見ながら酒を飲んでいる。ナミに嫌われて頭おかしくなったのか?
「ルフィも戦闘経験を積んで強くなって貰わないとな。その内もっと強い敵も出てくるだろうし。」
あの頭が燃えてる奴も十分強そうだぞ。悪魔の実の能力者みたいだし、あれより強い化け物がいるってのかよ!?
あっ、そういやラーズも化け物の仲間だったな。
「ルフィ!ぼちぼちやっておしまい!!」
「おう!行くぜギア”2”!」
何だ今のラーズの口調は?つーかルフィから煙出てるぞ!うおっ、はええ!アイツあんな技覚えてたのか!?
凄いスピードで移動している。
「JET銃!」
「ギャーーー!ほとんど出番が無かったガネーーーー!!」
あっという間にロウソク野郎をやっつけた。あれパワーも上がるのか!?何てデタラメな…。
「んー、いい感じだな。」
「ラーズー、やっつけたぞー!」
「体の負担はどうだ?」
「最初よりは楽になってきたぞ!」
「うむ、順調だな。ほら、肉だ。」
「サンキュー!!」
もの凄い速さで肉が消えた。ルフィの新技はすげー。ちくしょう、おれも負けてられねえぜ!
「ラーズ、またおれを鍛えてくれ!」
「だが断る。」
「そこは快く受けろよ!」
「やる気が起きない。」
「だぁ〜もう。そろそろ起こせや!」
ラーズとコントをしているとまず、ゾロとロビンがやってきた。あっちも何かあったみたいだな。
「ロビン、Mr・3の家がなかったか?」
「あら、良く知ってるわね。丁度ワニさんから連絡がきたから適当に返事しておいたわ。」
「途中でラッコとハゲタカが来たからぶちのめしたぞ。」
「サンキュー、ゾロ。」
ラーズの奴どこまで手を伸ばしてんだ?
「ビビ、こいつ等がアラバスタから来たんなら、奴等の船にアラバスタへの永久指針があるかもしれない。」
「あっ、それなら!」
「アラバスタまではもう少しだな。」
ラーズもビビも笑っていた。ラーズの奴、自覚してねえみたいだけど天然のたらしなのか?ビビが笑顔向けられて
顔真っ赤になってんぞ。だからナミに怒られんだよ。
「さて、後はナミとサンジの二人か。」
すると、間もなくサンジ達もやってきた。するとナミを見たラーズの顔つきが一気に変わった。何かあったのか?
「ナミ!上着着なかったのか!?」
ラーズがいきなり叫んだ。これには全員が驚いた。こんなの初めてじゃねえのか?
「な、何よいきなり…。」
「サンジ!上着はどうした!?」
「い、いや。おれも勧めたんだが…。」
いつも反抗しているサンジすら言葉を返せない。それ程ラーズは真剣だった。
「ちっ。おいナミ、ちょっと失礼。」
そう言ってラーズはナミの額に手を当てた。するとラーズの顔がより険しくなった。
「な、なにするのよ。」
「今、気分悪くないか?」
「そりゃ歩いたから熱いし少しはキツいけど…。」
するとラーズはいきなりナミの服を捲り腹を見た。流石にサンジが食って掛かる。
「テメエ何してやがる!!…って何だよそりゃ!?」
全員がナミの腹を見て驚いた。何だあの斑点は!?
「ラーズ、それってもしかして…。」
ロビンは何か知ってんのか?
「恐らく…「ケスチア熱」だ。ここは太古の島だし、大昔のダニの「ケスチア」がまだ生きてたんだろう。ナミは
多分それにやられたんだ。」
何だそりゃ?病気なのか?
「この病に掛かったら、40度以上の高熱や様々な合併症を引き起こす可能性もある。それに抗生剤を打たないと…。」
「ど、どうなるの?」
ナミが不安そうにラーズを見ている。
「早くて五日後に……死ぬ。」
「「「「「「なっ!?」」」」」」
ロビンは知っていたのか。だがおれ達は驚きを隠せない。死ぬって何だよ!?
「すまない……。俺が無理にでも言う事を聞かせるべきだった。」
「それでも防げたかは怪しいわ。私達も病気になってもおかしくなかった訳だし。」
ロビンがフォローしているが、ラーズは相当後悔している。その証拠に握った拳から血が出ている。
「そ、そんな…。」
ナミは力が抜けたのかその場に座り込む。
「何か助かる方法はないの!?」
ビビがラーズに聞く。
「…抗生剤がある可能性の高い場所に行く。ロビン、Mr3達の船から”ドラム王国”への永久指針がないか探して来てくれ。」
「…成る程。急いで探してくるわ。」
ロビンはどこかに行った。
「おいラーズ。どういう事だ?」
「このままアラバスタに向かったら確実にナミは死ぬ。だから抗生剤のある可能性の一番高い、医療大国と呼ばれる
ドラム王国に向かう。ビビには悪いが俺はナミをドラム王国に連れて行く。他のみんなはそのままアラバスタに」
「いいえ!全員でドラム王国に行きましょう!ナミさんに元気になって貰って、それからアラバスタに行きましょう!
それが…この一味の最高速度でしょう?」
「ビビの言うとおりだ!!」
ビビとルフィは納得したみたいだ。おれもナミには死なれたくねえからな。ゾロとサンジも賛成みたいだ。
「ありだとな。後はロビンの「あったわよ。」よし。全力で船に戻って準備をしよう。ナミ、立てるか?」
「うん…。あれっ?力が…」
「症状が進んできたか。ナミ、おぶるぞ。」
「えっ!?ちょっと。」
「うるさい。大人しくしておけ。」
「…。」
ラーズの真面目な口調にナミも言い返せなかった。さすがにサンジも口を挟めなかったみたいだな。ナミの奴ラーズの
背中で大人しくなってやがる。いつもああなら楽なんだけどな。
「急ごう…ドラム王国に。」
「「「「おう!!!」」」」
こうして次の進路は決定した。しかしラーズの奴焦り過ぎじゃねえのか?アイツまで顔色悪く見えるぞ。