小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>




 〜〜ラーズside〜〜

 ようやくドラム島に着いたか。つーかマジで寒いな。俺一応狐人間なんだが関係ないのか?寒くて仕方がない。
この世界では初めての雪景色だ。

 そんな事より早く港に船を着けよう。そうして船を進めていた。しかしそう簡単に上陸できる訳もなく、

「そこまでだ、海賊ども。」

 やっぱり出て来るよなぁ。見ると町の人間らしき人達が銃口をこっちに向けていた。

「速やかにここから立ち去りたまえ。」

 町の人間達が警戒心を強くして話している。

「おいおい、何かヤバそうな雰囲気だぜ。」

 ウソップは多少理解してるみたいだな。

「いいかルフィ、みんな。俺たちはーーー」

「喰らえ海賊め!」

「がっ!」

 いきなり右腕を撃たれた。ナミの事で頭が一杯になってて回避する余裕がなかった。

「ラーズ!?」

「アイツら!」

 ルフィとゾロが戦闘態勢に入ろうとしている。ここで戦闘するのは愚策だ!!

「やめろお前等!!!」

「「ラーズ…」」

「俺の傷は気にするな。それより、大事な事を忘れるな。」






「俺達は……海賊なんだぞ。」

「!!!」

 そう、俺達は海賊なんだ。町の人達からしたらどんな奴か分からないなら、上陸される前に仕留めるだろう。
 俺だってそうするハズだ。

「戦うだけじゃナミは救えない…。」

 そういって俺は町の人達に向けて土下座した。

「ラーズ!?」

「ウソップ。今大事なのはナミを、仲間を助ける事だ。
…お願いします。仲間が病気なんです。医者を呼んで下さい。…お願いします。」

 町の人達はいつの間にか静かになっていた。すると、ルフィも隣で土下座をした。

「仲間を助けてください。」

「ルフィ…」

「ラーズ、悪かったな。おれは全然考えてなかった。」

「いいんだ。気にするな。」

 他の皆も頭を下げている。




「……頭を上げたまえ。村へ、案内しよう。」

「ドルトンさん!?」

「彼等はおそらく害はない。…私を信用してはくれないだろうか?」

「アンタが言うなら…」

「助かる。」

 どうやら島に上陸出来そうだな。

「分かってくれたみたいだな。」

「ラーズはすげえな!」

 土下座しながらルフィと話し、島へウソップとルフィ、ビビと島へ上陸した。ナミをおんぶする。

「ナミ、島に着いたぞ。もう少しだけ辛抱してくれ。」

「う、ん。ラーズ?」

 力は弱いが、背中から回している腕が少しだけキツくなった。

「…その、ケガ、は?」

 あっ、隠すの忘れてた。とりあえず「生命帰還」で血は多少止めてるし、腕も動くから大丈夫だろ。

「俺は大丈夫だ。それより自分の心配しててくれ。」

「……うん。」





 村に向かっているとリーダーのおじさんが話し掛けて来た。

「君は悪魔の実の能力者かね?」

 そりゃ尻尾はみ出てるしな。

「ええ。アナタと同じ動物系です。僕は狐ですけど。」

「分かるのかね?」

「なんとなくですが。動物系は特に分かりやすいですね。」

「そうか。先程はすまなかったな。傷は大丈夫か?」

「少し痛いですが大丈夫です。撃たれるのも初めてではないので。」

「…そうか。君の名前は?」

 変に名前が売れてるせいであまり名乗りたくはないが、礼儀を欠いてはいけない。

「…ラーズと言います。」

「そうか、私はドルトン。この町の自警団の様なものをやっている。それより…」

 そう言ってナミの事を見た。

「その子は大丈夫かね?」

「今はまだ大丈夫ですが…急ぐに越した事はありません。村に医者は?」

 聞くとドルトンさんの顔が苦くなった。

「すまない…。今この国に医者は一人しかいないんだ。」

「んなっ!?」

「そんな!?」

 ウソップとビビは驚いている。

「ある事件が切欠でな。だがその人なら助けてくれるかもしれん。」

「そいつはどこにいるんだ?」

 ルフィが尋ねる。

「……あそこだ。」

 そう言ってドルトンさんは島でも一番高い山を指差す。

「「「ええっ!?」」」

 三人は同じリアクションだ。

「あそこへ行く方法は?」

「ロープウェイがあるのだが…今直ぐには使えないんだ。」

「おいおいそれじゃダメじゃんよ。」

 ウソップが焦って答える。

「分かりました、俺がナミを背負って山を登ります。」

「…大丈夫なのか?」

 ドルトンさんが聞いてくる。

「ええ、多分。」

 言いながら久し振りに獣体型に姿を変えた。ナミを背中に乗せ、尾でナミに衝撃が伝わらない様優しく包む。

「これで行くのが一番速いハズです。」

「そ、それが君の姿なのか。」

「はい、普通の動物系よりは少し大きいかもしれませんね。ルフィ、俺はナミを連れて先に山に行く。
 ロープウェイが使える様になったら後で来てくれ。」

「おう!ナミは任せたぞ!」

 ルフィは俺を信頼してくれているのか、笑顔だった。

「ラーズ。」
「ラーズさん…」

 二人は逆に心配そうな顔をしている。

「あんまり無茶すんなよ。」

「ナミさんもですけど、ラーズさんも心配です。」

 俺の顔色を見てて感じたんだろう。確かに少し体がキツいがどうにかなるだろ。

「任せろ。二人ともゆっくりしててくれ。」

 そうして皆と別れ、山を目指す。

「ナミ、今から山登りだ。少し寒いかもしれんがもう少しだけ頑張ってくれ。…大丈夫か?」

 言ってナミの顔を覗く。

「よろしくっ、ラーズ。」

 ナミは無理して笑っていた。さて、「剃」と「月歩」で一気に行くか。



 もう少しだ。




  〜〜ビビside〜〜

 ラーズさんは山に向かって進んで行った。これでナミさんは助かるのかしら?それにしてもラーズさんの
 あの姿初めて見たけど…大きいわね。チャカやペルより遥かに。何か特別なのかしら?
 白いラーズさんの姿はすぐに雪景色に消えて行った。

「彼、ラーズ君は大丈夫なのかね?」 

 ドルトンさんが尋ねてくる。

「きっとラーズさんなら大丈夫ですよ。」

「ならいいのだが…。」

 何か気になる事でもあるのかしら?

「私も彼と同じ動物系の能力者なのだが、彼から何か嫌な感じが伝わってな。杞憂だといいのだが…。」

 確かにラーズさんは最近寝てなかったから、疲れててもおかしくはないわよね。

「まっ、とりあえず家にお邪魔しようぜ、ここは寒すぎる。」

 ウソップさんが言うとみんなでドルトンさんの家に向かった。

 ラーズさん、大丈夫よね?






















「…おれ達は留守番か?」

「テメエが行ってもややこしくなるだけだろ。雪崩でも起きたらどーすんだよ?」

「おれが行ったくらいで起きるか!?」

「どうだろうな?おれは寒中水泳でもしてくる。」

「はぁ!?テメエ何考えて…ったく、行きやがったあの馬鹿。」


「コックさん、お茶を頂けるかしら?」

「了解だよロビンちゃ〜〜ん!」



「ク、クエ〜〜〜。」



-32-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ワンピースDXフィギュアGIRLS SNAP COLLECTION3 ナミ ニコロビン 2種セット
新品 \1500
中古 \1500
(参考価格:\)