小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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〜〜ラーズside〜〜

 この島で一番高い山、ドラムロッキーの麓にようやく辿り着いた。

「おいおいなんつー高さだ、頂上が見えねーよ」

 「月歩」だけじゃ厳しそうだな。

「壁と「月歩」を使って三角跳びの要領で上がって行くしかないな」

 ナミは眠っているのか先程から静かになっている。

「なるべく衝撃を与えない様に、か。なかなか難しい。あのばーさん何でこんなとこに住んでんだよ」

 尾を全てナミに向け、絶対に離れない様にして準備をする。

「さて、行くか」

 そうして頂上目指して飛び始めた。しかし体が何かおかしい。慎重に行こう。





 −−−三十分後−−−


 ようやく頂上に着いたか。俺もここまで跳ね続けたのは初めてだからな。足だけでなく全身がしんどい。
 ひとまず人型に戻っておこう。
 目の前の城に向かって進むと、帽子を被ったトナカイが出て来た。

「えっと、この城の人か?出来たら医者を呼んで欲しいんだ」

「……」

 トナカイ改めチョッパーは喋らない。この時期は人間嫌いなんだっけ?頭がぼんやりしてて上手く思い出せない。

「頼む。後ろの子が病気なんだ。素人の見立てだが、おそらく「ケスチア」にやられている」

「!!?」

 チョッパーが驚いた顔をしている。そりゃこんな尻尾生やした変な奴が一般に知られていないケスチアなんて
 知ってるんだからな。どれに驚いているかは知らないけど。

「ここに来る前に大昔の生き物がまだ生きてる島に行ったんだ。間違いなくそこでやられた。
 今の所発熱してから二日くらい経過している。頼む、コイツを助けてやってくれ。」

 チョッパーに頭を下げる。

「…入口で待ってて、ドクトリーヌを呼んでくる」

 そう言ってチョッパーは中に消えていった。とりあえずナミに風が当たらない位置に移動しとこう。


 少しするとやたらスタイルのいいばーさんが出て来た。この人ホントに140歳なのか?

「ヒーーヒッヒッヒ、小僧。患者はその子かい?」

「はい、お願いします。アナタは?」

「あたしゃくれは、「ドクトリーヌ」とでも呼びな。医者だよ。チョッパー、アンタが見てみな。必要な薬は分かるね?」

「うん」

 言ってチョッパーはどこかに行った。

「アンタは娘を連れてきな。しかし尻尾が生えてる人間なんて珍しいね」

 話しながら部屋へと歩いていく。

「能力者なんですよ。おかげでよく変な目で見られます。多分一緒ですよ、あのトナカイと」

「分かってたのかい?」

「喋るトナカイなんてのは珍しいですから。まぁ世界にはもっと変なのが沢山います。あの子くらいじゃ
 驚かなくなりましたよ。」

「…そうかい。着いたよ、ここに寝かせておきな。」

 そうしてベットにナミを寝かせる。これでナミは大丈夫だ。安心すると力が抜けた。

「もう安心してゆっくり眠ってくれ」

 ナミの頬に手を添えて話しかける。



「さて、次は小僧。アンタだよ」



  〜〜チョッパーside〜〜

 変な奴がきた。人間なのに尻尾が一杯生えてたし、おれを見ても驚かないし。背負ってた女はケスチアなんかに
 やられてるしどうなってんだ?

「それに…」

 アイツの顔色。間違いなくアイツも何かがおかしい。本人は気付いていないのか、発汗量が尋常じゃなかった。
 とりあえず薬を持ってドクトリーヌの所に行こう。

「さて、次は小僧。アンタだよ」

「俺、ですか?」

 部屋に行くと、ドクトリーヌと尻尾が話している。やっぱりどこかおかしいのか!?

「アンタもその島で何かに刺された覚えはないか?」

「刺された…あぁ何か棘みたいなのでちょっと腕を切ったくらいだけど」

「ふむ。その棘は何色だったか覚えてるかい?」

「ん〜確か青っぽかったよ…」

 尻尾が何か言いかけた瞬間、血を吐き出した。どうしたんだアイツ!?

「ガハッ!?な、なにが…?」

「やっぱりそうかい。チョッパー、小娘は任せたよ。あたしはコイツを看なきゃいけない」

「コイツどうしたんだ!?」

 おれも知らない病気なのか!?

「病気じゃない、こいつは……「毒」だ」

「んなっ!?」

 尻尾も驚いている。立ってられないのか尻尾は座り込んでいた。

「これも大昔の毒なんだが…名を「ベネーノ」ってんだ。」

 「ベネーノ」!?名前だけは聞いた事あるけどどんな毒なんだ!?

「ベネーノ。こいつにやられると、まず傷口から身体機能の低下が起きる。それから徐々に全身に毒が回り毒は内蔵を蝕む。
 おそらくその小僧の内臓機能はすでにボロボロだよ。だから限界が来て吐血したんだろう。それに、理由は知らないが
 体力、免疫力共に極端に低くなっている。毒の進行が一気に進んだのもそれが原因さね」

 なんだそりゃ!?コイツ今までどうやって動いてたんだ!?

「ここまで来たのも奇跡みたいなもんだよ。常人ならとっくにくたばってるさ。とにかく」

 ドクトリーヌはこっちを向いた。

「チョッパー、その小僧を別室に。あたしが解毒剤作って看るよ」

「うん。ソイツ助かるの?」

「まぁ五分五分ってとこだね。助かっても直ぐには動けないだろ。けど、助けてみせるさ。…数少ないアンタの
 理解者になってくれるかもしれないからね。ヒーヒッヒッヒ」

 おれの理解者?確かに尻尾はおれを見ても驚いてなかったけど。

「さて、忙しくなるよ。気合いれなチョッパー」

「お、おう!二人とも助けてやるさ!」

 おれは医者なんだ!患者を救ってみせるぞお!! 



















 今回出て来た毒「ベネーノ」は作者のオリジナルです。ちなみにスペイン語で、意味はまんま「毒」です。



 今回から「」の会話の。は消しました。まだまだ文章力はへぼいですが、
 暇潰し程度で読んで頂けたら幸いです。
 「展開に納得行かない」、「話がおかしい」などあると思いますが御容赦下さい。

 



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