小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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〜〜ラーズside〜〜

 ……おいおい冗談だろう?何でこんな事になってんだよ?

「ずりーぞラーズ!」

「いや〜一気にランクアップしたな」

「ラーズすげー!!」

「おれも名を売りたいぜ」

「あら、私の二倍くらいになっちゃったわね」

 ルフィ達は好き勝手に言っている。チョッパーそんな素敵な目で見ないでくれ。ゾロ、出来るなら変わって欲しいくらいだよ。
 ロビン、何でお前が嬉しそうにしてんだよ?俺はあんまり目立ちたくなかったのに!


「やっぱりローグタウンで暴れたのが原因なんじゃない?町を半壊させたんなら仕方ないかも」

「あ、あれってやっぱり本当だったんですか?」

「あれはしょうがないだろ!それに壊したのはほとんどサカズキさんだ!」

 あんのおっさん!ここぞとばかりにローグタウンぶっ壊したの俺のせいにしやがったな!畜生めが!!
 いつか絶対標準語で謝らせてやる!…でもあのマグマ厄介なんだよなマジで。また追い付かれたら面倒だから
 今の内に対策考えとかないとな。


「またラーズに離されたー!」

「ルフィ、どーせ直ぐお前もこれ位になるから落ち着け。はあぁ」

 手配書を見ながらため息をつく。懸賞金1億5000万ベリー。俺に掛けられた額だが、一気に跳ね上がりやがった。
 サカズキさんのニヤケ面が頭に浮かぶ。だぁーームカつく!!

 しかしルフィの額もついでみたいに上がってるのは何でだ?確か2500万だったよな?理由がいまいち分からん。
 これもサカズキさんの嫌がらせか?


「赤犬と戦ったのが効いたわね。海軍大将とまともにやり合って生き残ってるのだから。
 それに船長さんの持つ”D”…」

 ロビンの最後の呟きは多分俺にしか聞こえなかっただろうな。でも”D”って何なんだろうな?
 正直俺も何の事だか知らないんだよな。海軍時代に調べようかと思ったがそんな資料なかったからな。


「サカズキさんが粘着質過ぎるんだよ。たかが俺一人の為に海軍大将が東の海に来るなんて異常だろ」

「ふふっ、余程好かれてるのね」

「好かれるのはナミだけで十分だ」


「何みんなの前で恥ずかしい事言ってんのよ」

「いてっ」

 後ろから来たナミに拳骨を喰らった。

「全く…。これで私達も他の海賊から狙われる可能性もあるのよ?一味に二人も高額の賞金首がいるんだから」

 あっ、そーいやロビンの事きちんと話してなかったな。


「ナミ、一味の賞金首は二人じゃなくて三人だ」

「?」

 ナミは首を傾げた。

「俺とルフィ、んでもう一人はロビンだ」

「ええっ!!?」

「さっきの懸賞金の話の時ロビンが言ってたの聞いてなかったのか?『私の二倍くらいに』って」

 話を聞いていた全員が驚いた。おいおい、人の話くらい聞いておけよ。


「ロビンは元々学者でな。その頭脳が危険視されて賞金首になっちまったんだ。…俺みたいに町ぶっ壊したり
 した訳じゃないからな。ちなみに額は」

「7900万よ」

 俺の代わりにロビンが答えた。

「おれより上だー!くそーー!!」

「海軍って何でもありなんだな。その内キャプテン・ウソップも…」

「そんなロビンちゃんでも素敵だ!」

 みんなそこまで驚いてないみたいだな。良かった良かった。


「そっか…。ロビンも大変だったわね。…それよりラーズ、何で今まで言わなかったの?」

 ナミが笑顔で聞いてくる。が、その背中には気のせいか「ゴゴゴゴゴゴゴ」って見える。

「いや〜いきなり仲間にしたのが高額の賞金首って言ったらより怪しんだだろ?今は……不本意だが俺がロビンの額を
 越えちまったからな。今ならロビンが賞金首でも関係ないだろ」


「ラーズのくせに考えてたんだな!」

「うるせえ!ルフィ、お前が言うな!」



 こうしてロビンの説明は終わった。ほとんど真実は話してないが……。



「さっきはありがとう。なかなか自分で言う機会もなかったものだから」

 ロビンが近くに来て話し掛けてきた。

「全部を話す訳には行かないからな。俺の賞金も上がっちまったし丁度いいタイミングだ」


「アナタはどこまで先を読んでるの?」

「大した事は考えてないよ。それに人にはそれぞれ色んな過去がある。仲間だからって全てを知る必要はないさ。
 ソイツが信頼できればそれでいいと思うぞ。俺はロビンを信用してるしな」


「……。ラーズ、アナタは少し自分を知った方がいいわ」

「…?何の事だ?」

「さて、それは自分で考えてね。これ以上二人でいると航海士さんに怒られちゃうわ」

 笑いながらロビンは去って行った。本当に何の事だかさっぱりだった。








「ラーズは疑問に思う。しかしロビンは答えない。そして去って行くロビン。その背中を黙って見送る。
 そんな二人を影から見つめる瞳。その正体や如何に!?
 次回「女の嫉妬は海軍より怖い」。スーパー狙撃手に、おれはなる!!」



「いちいちやかましい!いつもどっから出て来てんだよウソップ!」

「いやぁラーズ見てると楽しそうな事ばっか起きるからな」

「ええいそんなヒマがあるなら修行でもしてろや!」

「おっと」


 尾を動かそうとした瞬間、ウソップが「剃」で離れた。…反応速過ぎじゃねえ?移動速度はともかく反応速度が
 並じゃねえぞ。

「…なぁウソップ、何で俺が尾を動かそうとしたのが分かった?」

「いや、正直なんとなく嫌な予感がしたから退いたんだが」

 ウソップの奴、本当に見聞色の覇気に目覚めてんじゃねえか?もし本物ならかなりの戦力になるぞ。下手したら
 本当にサンジより強くなれるかもしれないな。俺はニヤリと笑った。


「おい、何だよその悪そうな顔は」

「いや、気にするな。それよりウソップ。さっき感じた予感って奴を鍛えてみないか?上手く使える様になれば
 今みたいに敵の攻撃をより速く察知出来るし便利だと思うぞ?」

「マジか!?おれってやっぱ才能あんのか!?」

「少なくとも俺は出来ないぞ。俺は経験からの予測とスピードでカバーしてるだけだしな」

「教えてくれ!どうやって鍛えるんだ!?」

「あぁそれなら簡単だ」

 そう言って尾をふわふわ浮かせていつでも攻撃出来る様にする。



「……あの、ラーズさん?どうして尾を浮かせてるのですか?」

「今から尾を振り回して攻撃する。死にたくなかったらさっきの予感を使いこなして死ぬ気で避けろ」

「それって失敗したら…」

「ん〜尾は硬化してるから、片腕くらいは無くなるかもな。それじゃあ、行くよ〜」

 笑顔と尾をウソップに向ける。

「ま、待った!おまっ、本気で、ギャーーーー!!!」

 ウソップは本気で逃げていた。何か楽しいぞ。

「やばっ、のわっ!し、死ぬってラーズ!!」

「一回くらい死に掛けた方が目覚めやすいぞ。あーっはっはっはっは!!!」



 こうしてしばらくウソップとの訓練が続いた。






























「ラーズとウソップは仲良いんだな!」

「いいチョッパー?あんな変人になっちゃダメよ。アンタは可愛いままでいてね」
 
「おれはラーズ好きだぞ!」

「それはいいんだけど…。アイツから変な影響だけは受けないでね」




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