小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>




〜〜ラーズside〜〜


 アラバスタに着いた途端、ルフィは先頭をぶっちぎってどこかへ走り去って行った。アイツ海賊の自覚あるのか?
 まぁ今のルフィならそんなに問題ないハズだ。後は必要な物の調達だな。


「…なぁ、チョッパー。お前の鼻は大丈夫か?」

「何か嫌な感じ。鼻が曲がりそうだ。ラーズもか?」

「俺もチョッパー程じゃないがこの匂いは少しキツイ。」

「おれ待ってていいか?町まで行けそうにない」

「同じく。…ウソップ。お、お前の鼻は大丈夫か?ブハッ」

「おれは人間だ!それに笑いながら聞くくらいなら最初から聞くな!!」 

「まぁそんな訳で買い物はよろしく。女性陣とチョッパーは待機しとく」

「スルーすんな!!」



 こうしてウソップ、ゾロ、サンジは買出しに出て行った。女性陣も近くに座っている。

「とりあえず必要な物資はこれで揃うとして、ビビ。これからどうする予定だ?」

「ええ。まずは「反乱軍」を止めたいんです。そのために「反乱軍」のリーダーがいる『ユバ』という
 オアシスを目指します。もうこれ以上無駄な血を流さないためにも…」

 ふむ。ひとまずまだ反乱軍は動き出してないみたいだし少し様子見だな。







 しばらくすると三人が戻ってきた。アラバスタで違和感の無い様に服を買ってきて貰ったんだが…


「海賊から盗賊に変わったな」

「怪しさ満点だ」

 ウソップとお互いの服を批評する。まぁ動ければいいか。しかし問題は



「どうラーズ?似合う?」

「どうかしら?」

「ど、どうでしょうか?」



 踊り子三姉妹である。


「ビビは可愛らしいし、ロビンは綺麗だと思うぞ。ナミは……刺激が強すぎるから出来れば上着着ててくれ」

 二人も確かに可愛いと思ったがナミは別格だった。臍丸出しだし胸元ざっくりだしどこを見ていいのか分からん!

「ねぇそれって褒めてるの?」

「すまん、正直鼻血出しそうなくらい似合ってる」

 素直に言うとナミが照れた。

「そ、そう。ありがとね」



「おいテメエら。イチャついてねえでさっさと荷物運ぶぞ」

 ゾロに言われ大人しく荷物を運ぼうとする。が…

「何か町が騒がしいな、捕り物でもやってんのか?」

 サンジが呟く。って事は

「ゾロ、先に船に向かっててくれ。多分追われてるのは「おおーぅいらーずー!」…ウチの船長だ」

「何やってんだアイツは!?ゾロゾロ海兵連れてきやがって!しっかりマいてから来いよ!」


「…ゾロ、それはシャレのつもりか?いまいちだぞ」

「やかましい!たたっ斬るぞコラ!!」

 怒鳴るゾロ。

「どうどう。多分厄介なのが一人いるから俺はソイツを止めとく。後は任せたぞ」

 言いながらルフィの元へ行こうとするとナミが服の裾を掴んだ。



「ちゃんと…”無事に”帰って来てね」

「あぁ、任せろ」

 言って頭を撫でる。

「んじゃ船長助けに行くか。「剃」」

 一瞬でルフィの横に行く。


「ラーズー!あのケムリンがいるんだ!アイツ全然技効かねえんだよ!」

「だろうな。まぁここは引き受けた。ゾロ達が先に船に向かってるからお前も行ってくれ。俺も煙野郎をどうにか
 したらすぐ船に戻る」

「分かった!早く来いよ!」

 そうしてルフィが走り去ると海兵の中からスモーカーが出て来た。



「会いたかったぜえ、白狐。ようやく見つけたぞ!」

「はぁ、俺は会いたくなかったよ。サカズキさんといい、どうして海軍ってのはこう粘着質なんだ?」

「テメエが海賊だからだよ!ローグタウンを無茶苦茶にしやがって!」

「アレはテメエのとこの大将だろ!これ幸いと俺に押し付けやがって!おかげで懸賞金跳ね上がっただろうが!」

 思い出したらまた腹が立ってきた!


「大体スモーカーさんよ。アンタ俺に勝てるのか?俺はアンタが葉巻吸ってる間も鍛えてたぜ?まさか
 煙人間だけに葉巻吸うのが修行とか言わないよな?…プッ」

 自分で言って思わず吹き出してしまった。

「黙れ!”ホワイト・ブロー”!」

 また例の煙パンチか、芸のない。大体速度が遅いんだよ。そう思っていると


「”陽炎”」

 どこからか火が飛んで来て煙が吹き飛んだ。

「この火…ちっ」

「おれの”火”とお前の”煙”じゃ勝負はつかねエよ」



「その”火”…アンタが出てくるとは」

「おっ、おれを知ってんのかい?白狐さん」

「まぁね。”メラメラの実”のポートガス・D・エース。こんなとこで会うなんてね」

「おれの弟が世話になってるみたいだな」

「そうでもないさ。アンタの弟は立派に船長してるよ。少なくても俺は信頼している」

「……そうか」

 言って二人顔を合わせてニヤケ顔である。スモーカーを放置して。


「まっ、先ずはあいつ等をどうにかしてからだな」

「同意。でもどーすんだ?」

「任せろ。”炎上網”!」

 エースが体から火を出して、瞬く間に火の壁を作った。なんつー便利な技だ。やっぱ自然系ってすげーな。
 そーいや火と煙の相性が悪いってのはどーゆー事なんだ?火で生まれる熱対流がどーのこーのとかかな?
 そー考えるとスモーカーの奴能力の制御きちんと出来てないな。いるんだよねー、自然系だからって
 それに感けて修行しない奴。やっぱり日々鍛錬だよな。努力マニアとしては負けていられない。
 まぁ、俺の尻尾や白火も他人の事は言えないか。


「んじゃ今の内にトンズラするか」

「助けてくれたお礼だ。乗ってくれよ」

 言って獣体型に変化する。

「待ちやがれ!”火拳”!”白狐”!」

 スモーカーが何か喚いているが完全シカト。放置プレイ再び。 

「いやー本物はデカイな」

 エースは言いながら飛び乗る。

「しっかり摑まっててくれよ」

 そう言って全力で駆ける。四本脚で「剃」をすると移動速度が全然違う。



「ん?つーかエース。このままだと俺達の船に着くんだがいいのか?」

「あぁ、ルフィにも用があるからな。つーか何でおれとルフィの事知ってんだ?」

「俺は昔海軍にいた頃ガープさんに鍛えられてたからね。その時に少々」

「…なーるほどねえ」





 喋っている内に船に到着した。エースを降ろし、元の姿に戻る。

「なぁ、その尻尾は?」

「…深くは聞かないでくれ」

「あ、あァ」

 エースも何かを察したのか突っ込まなかった。そうして船に戻ると

「ラーズ!」
「エース!」

 ナミとルフィが叫んだ。


「あーこいつァどうもみなさんウチの弟がいつもお世話に」

「「「や、まったく」」」



 それからエースはルフィやみんなと雑談していた。ルフィに紙を渡したが、アレはビブルカードって奴だな。
 アレも詳しい原理がわかんねぇんだよな。みんなはエースの普通っぷりに感動していた。


 
 しばらくした後エースはこっちを向いた。

「なァラーズ。ちょっと頼みがあるんだが」

「ん?何だ?」

  










「おれと手合わせしてくれねえか?」


 はぁん!?


「……俺が?」

「あァ」

「エースと?」

「あァ」



「…一応理由を聞いてもいいか?」

「先ずラーズ、お前は自分が思ってる以上に名前が売れてる」

「えっ、そんなに?」

「まァ町一つ半壊させたってのもだが…赤犬とまともにやり合ってピンピンしてるってのが大きいな」

「やっぱりそれかよ……恨むぞサカズキさん。大体あの時は死に掛けたんだって」

「それもだが、話題になってるのはその能力だな。ほとんどの人間が理解出来てねえ」


「まぁそうだろうね」

「それだけに自分の目で確かめてみたくてな…ダメか?」

 


「ハァ…まぁいいや。嫌って言っても聞かなそうだし。場所はどこでやる?」

「あっちの小島でいいか?あそこなら問題ないだろ」


 何でエースと戦う羽目になったのか…。大体あんまり遊んでるヒマはないってのに。



「そんな訳だ、ちょっとだけ待っててくれないか?ビビ」

「仕方なさそうですね。私達は離れて見てます。でも、一つだけ条件があります」

 ん?さっさと終わらせろとか?


「戦うからには負けはダメですよ!お兄さん」

 ビビが笑って答えた。エースに勝て、か。なかなか無理言ってくれるな。
 だけど可愛い妹の頼みだ。出来るだけは頑張るとするか。


「了解、待ってな」

 ビビの頭を撫でて「月歩」で島まで飛ぶ。船は少し離れてるな。これなら多少全力でやっても問題ないだろ。
 エースも体を火にして飛んで来た。


「便利な能力だなー」

「お前が生身のまま飛んでる方が凄いと思うがな」

「まぁお互い様ってことで」

「始めようか」


「あっ、一応殺人的な技は無しで。強すぎる覇気も止めとこう。後は大怪我する様な技は無しね。俺もこれから忙しいし」

「あァ了解」

 そうして二人は戦闘体制に入る。片や白ひげ海賊団二番隊隊長。片や海軍大将から危険視される白狐。
 何の因果か戦う事となる。






   「「行くぜ!!!」」
  




 掛け声が聞こえた瞬間二人の間の距離が一瞬で詰まり、二人を中心に爆発が起こり開戦の狼煙を上げた。
 


   麦わらの一味は今回初めてラーズの真剣勝負を見る事となる


-40-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




フィギュアーツZERO モンキー・D・ルフィ ‐FILM Z 決戦服Ver.‐
新品 \980
中古 \1100
(参考価格:\2310)