小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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〜〜ナミside〜〜


 ラーズとルフィの兄さんのエースさんが戻ってきた。ラーズは何かあちこち焦げてたけど大きな怪我はないみたい。
 それに何か二人ともやたら仲良くなってるみたいだし…男ってこんなものなのかしら?
にしても凄い戦いだったわね。爆発やら火柱やら…ラーズのあんな姿初めてみた。
 ローグタウンでもあんな風に戦ってたのかしら?

 それに改めて思うけどこの海は驚きばっかりね。私の知識だけじゃ全然足りないわ。
 私もラーズに守って貰うだけじゃなく、私ももっと頑張らなくちゃ!


「ラーズ大丈夫?」

「あぁ、ちょっと疲れたけど問題ない。少し休めば大丈夫だよ。しっかしあの野郎けっこう本気できやがって、
 あの露出魔め…」

 ラーズが何かブツブツ言ってるけど上手く聞き取れなかったわ。



「ラーズすげーな!エースと互角だなんて!」

 ルフィは目をキラキラさせていた。…何で男ってこんなに戦いが好きなの?


「んー多分エースもマジな本気じゃなかったと思うぞ。一応お互い多少制限もしてたしな」

「アレで全力じゃないのかよ!?」

「そりゃそうだよ。お互い殺し合いしてた訳じゃねえしな」

 ウソップが驚いているが私も同意見。アレでもお互い全力じゃないっての!?
 …私の恋人は化け物の仲間入りって事ね。


「まぁそれはいいとして、ひとまず「ユバ」に向かうわよ」





 そうして一路「ユバ」を目指す−−−




  〜〜ラーズside〜〜


 ユバに着いた…。が、しかしそこは最早町と呼べるものではなかった。俺達が着いた時には砂嵐が町を襲っていた。
 あんのワニ野郎め!ここまでしてこの国、いや『プルトン』が欲しいのか。
 マジでやる事が汚い。俺も流石に腹が立ってきたぞ。


 町に一泊した時に村のおじさんと少し話を聞いた。どうも砂嵐はここ数年で頻繁に襲って来る様だ。
 やっぱりあのファッキンクロコダイルの所為だな。

 ビビが町の人と話しをしている。どうも聞く所によると、反乱軍は拠点を最初に寄ったナノハナの近くの町の
 「カトレア」に移った様だ。さて、どうしたもんか?



「ビビ、お前はどうしたい?」

「今すぐ「カトレア」に行って反乱軍を止めなきゃ!!」



「ルフィ……お前はどう思う?」

 ここは船長判断に委ねよう。俺は戦闘能力はともかく、一味の船長はルフィだ。副船長は…まぁウソップでもいいか。
 あいつも修行のおかげでけっこう強くなってるし。俺は…。ん?俺のポジションがないな。




「おれは「カトレア」には行かねえ」

「「ええっ!?」」

 ビビとサンジは驚いてルフィを見る。俺は黙ってルフィの話を聞く。



「反乱軍を止めたとして、それでクロコダイルは止まるのか?」

「!?それは…」

 ビビが言いよどむ。今回はルフィと同意見だな。しかしコイツは何で肝心なとこは鋭いんだ?





「この国を見りゃ一番にやんなきゃいけないことくらい、おれだって分かるぞ!!」

「なによ!?」

「クロコダイルをやっつける!!!」

「…だけど!?」


 ルフィとビビがヒートアップして来ている。





「お前だけじゃねえ!おれ達の命くらい一緒に賭けてみろ!!おれ達は仲間だろうが!!!」

「!!?」

 ビビは泣きそうになっていた。そろそろフォローしとくか。





「言ったろビビ?お前だけじゃなく、皆にも背負わせてやれって。ルフィは背負いたくてたまらないみたいだぞ?」

 笑ってビビの頭を撫でる。…何か最近こんなパターンが多いな。まぁ可愛い妹の為だ。

「……!!!」


 ビビは声を殺して泣いていた。俺の出番はここまでかな。



「ナミ、ロビン。後は任せたぞ。女の子の泣き顔は男が見るもんじゃない」


「任せなさい!」
「ええ、分かったわ」

 ビビは二人に任せておこう。




「ならどうするルフィ?」


「クロコダイルをぶっ飛ばす!!」

「おれも賛成だ」

「おれも新技を喰らわしてやるぜ!」

 これからの方針は決まったな。


「レディーを泣かす奴は勿論死刑だ」

「…こんなとこでマユゲと気が合うとは。何があるか分からない。皆、警戒しておこう」

「いちいちうるせえ化け狐!!」



「おれも頑張るぞー!」

「よし、チョッパーその意気だ。でも戦闘になったら先ずは分析を優先しておけよ。相手の能力が分からない内に
 挑んでも返り討ちにあうからな。自分に有利な情報と戦法で戦うんだぞ?」

「おう!」

 チョッパーを撫でながら答える。





 
「ビビ、もう大丈夫か?」

 落ち着いた頃合いを見て話しかける。


「はいっ。やっぱりお兄さんは頼りになります!」

「まぁな。最近少しだけナミの視線が気になるが」

「ふふっ。でもラーズさんはナミさんだけでしょう?」

 ビビはもう笑っていた。これならもう大丈夫そうだな。



「愚問だな。ところでクロコダイルなんだが」

「はい、おそらくクロコダイルはここから真っ直ぐ北の「レインベース」に居るハズです」

「なーるほど」

 ルフィ、お前絶対理解してねーだろ。


「皆、長めのロープを準備してくれ」

 そう言って獣体型に変身する。


「?どうするの?」

「全員を俺に乗せて一気に「レインベース」まで行く」

「成る程ね。了解」

 そうして俺の体にロープを結びつける。


「女性陣とチョッパーは背中に、野郎達は尾で掴んでおく」


 そうして女性陣プラスチョッパーを背中に尾で運ぶ。


「この毛って柔らかいのね」

「ふわふわのモコモコです!」

「あら、気持ちいいわね」

「気持ちいいぞー!」

 なかなか好評である。一方野郎達は



「「「「何か扱いが違い過ぎねーか?」」」」

 不満タラタラである。



「ならこの灼熱の砂漠を歩いて行くか?きっと暑くて大変だろうなー。喉もカラカラになるだろうなー」
「「「「宜しくお願いしますラーズさん」」」」

 見事に男性陣の意見が一致する。


「分かったら準備はいいか?しっかり掴まっておけよ。かなりマジで行くぞ」



 そして「剃」で砂漠を一気に駆け抜けて行く。

「うわっ!はやっ!」

「カルーより速いです」

「本当に便利な能力ね」

「やっほー!!!」

 背中の面子は大丈夫そうだな。一方野郎達は


「うっひゃー!!」

「これはこれで悪くねえ。速いしな」

「ラーズもうちょっと上げてくれ!鼻が、鼻が!!」

「おい白髪!!おれだけ異常に振り回し過ぎだろ!落ちる、落ちるぅぅぅ!!」

 若干一名を振り回しつつ全力でレインベースへ向かう。







   −−−二十分後−−−




「さて、レインベースに着いた訳だが」

「おい、さっきのは嫌がらせか?このクソ狐」

「……」

「無視すんなやコラァ!!」

 全力でサンジをシカトする。まぁさっきのは悪意全開だったしな。


「こんなに速く着くなんて…普通に歩いたら丸一日は掛かるんですけど」

「便利な力は使わないとな。エースと戦って時間ロスしちまったから。ちょっと疲れたけど。流石に俺も
 八人も引っ張って走るのはしんどい」

「…大丈夫ですか?」


「国を救うなら早い方がいいだろ?これくらいは何でもないさ。んで肝心のクロコダイルは?」


「あそこに…ワニの屋根の建物が見えるでしょう?あれがクロコダイルの経営するカジノ”レインディナーズ”です」

「なーる。んじゃそこに乗り込むか」

 全員で突撃しようとした時、まーた嫌な声が聞こえて来た。何でこうタイミング良く居るんだよ?
 俺達に発信機でも付けてんのか?



「白狐ォォ!麦わらァァ!ここまでだ!!」




「…まぁたあの煙か。あの馬鹿に構っているヒマはない。みんな分散してワニの家を目指そう」

 おっと忘れてた。

「あぁそうだビビ。ちょっと話しがあるんだが」

「な、何でしょうか?」

「−−−−−−−」

「そ、それは本当なんですか?」


「恐らくはな。そうなったら指示通りにしてくれ。きっと反乱は止めてみせる。お前の分まで
 クロコダイルにぶつけてくるさ。だから…死ぬなよ」


「はい!!!」

「なら全員散開だ!」



「「「「「「「「了解!!」」」」」」」



 そうして全員分散して行く。

「あっロビン、お前は俺について来てくれ」

「あら、デートの誘い?」

「残念だが違う。ちょっと面白い事を考えててな」

「悪そうな顔ね。でもそんなアナタも…」

「何だよ?」

「ふふっ、何でもないわ。行きましょう」

「はいよ」

 そうして俺とロビンも海軍から離れて行く。くっくっくっ、あのワニの野郎楽しみにしてやがれ。
 スモーカーも俺を見失ってルフィを追ったみたいだし全ては順調だ。


 いや〜悪巧みって楽しいなぁ!しかも悪役相手に気心を加える必要がないってのが素晴らしい!!




 

-42-
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