〜〜ビビside〜〜
皆と別れてクロコダイルの元に向かっていたけど、私はバロックワークスの兵隊達に足止めされている。
今はまだ戦えているけどラーズさんの言ってた事は本当なのかしら?
そうして考えながら戦っていると突如上から銃弾が飛んで来て兵隊達を薙ぎ倒した。
…ラーズさんは何でここまで分かってたのかしら?カルーに手紙渡した時に一緒に何か手紙をお願いしてたけど。
展開がラーズさんの言うとおりになり過ぎてるわ。恐るべし私の兄さん!!
「ペル!!!」
ラーズさんの言った通りにペルがやってきて私を建物の上に連れて行ってくれた。
「お久しぶりですビビ様。少々ここでお待ちを…」
そういってペルは残りの兵隊達をあっという間に倒していった。そうして戻って来たペルに話しかける。
「ペル!お願いがあるの!!」
「何でしょうか?」
「今すぐ「カトレア」の方まで行ける?ラーズさんの言ってた事が本当ならすでに反乱軍は動き始めてるかもしれない!」
「ラーズ?…あぁ白狐殿ですね。ビビ様をここまで送り届けてくれた。手紙は拝見致しました」
「ええ。クロコダイル達はきっとラーズさん達がやっつけてくれるわ。私はコーザに会って
絶対に反乱を止めなくちゃ!!……もうこれ以上皆が血を流しちゃダメなの!」
「ビビ様……」
「だからお願い、ペル」
私はペルに頭を下げる。
「……反乱軍の中に飛び込む事がどれ程危険な事か承知ですか?」
「うん、分かってる。それでも…私は『ネフェルタリ・ビビ』だから」
そう言うとペルが優しく微笑んだ。
「…ビビ様は変わられましたな。昔より、ずっとお強くなられた」
「きっとラーズ兄さんのおかげかな!」
「兄さん……ですか?」
ペルは少し困った様な顔をしていた。何か変だったかしら?
「うん!すごく頼りになるんだから!!」
私は笑顔をペルに向けた。
「……国王様が聞いたら卒倒しそうですね」
「そう?」
「恐らくは…。では、参りましょうか。戦いを止める為に。私も出来るだけ尽力致します」
「行くわよ!」
「「アラバスタのために!!!」」
〜〜ラーズside〜〜
「え〜こちらクソレストラン…ブハァ!!」
「いい加減忘れろ狐!!オロすぞコラァ!!」
「いいとこなしだったな。Mr・プリンス」
「うるせえマリモォォ!!」
「よっしゃー満腹!」
「こっちも準備万端だぜ!!」
「わたしもバッチリよ!ビビの為だもの」
「いつでも大丈夫よ」
俺達はクロコダイルが逃げた後にサンジとチョッパーと合流したのだが…。クロコダイルが忘れていった電伝虫が
鳴ったので声真似をして出てみたのだ。サンジは俺と気付かずに色々言っていたが途中で吹き出してしまった為に
バレてしまった。いや〜なかなか面白かった。スモーカーも聞こえてたみたいで、少し笑いたそうだったし。
そうしてサンジを馬鹿にしてメシ屋で作戦会議を行っていた。
「ロビン。残っているエージェントは?」
「残りはMr・1とミス・ダブルフィンガー。それから例のオカマさん。それとMr・4とミス・メリークリスマスね」
「六人か…誰が誰を相手する?」
言いながら全員を見渡す。
「おれはワニだ!!」
「了解。ルフィ、クロコダイルは自然系の砂人間だ。俺は例外だが普通の攻撃は効果がないからな。手足に水を
付けるか拳に血を付着させて戦うんだ。まぁギアもけっこう使いこなせる様になってるし大丈夫だろ」
「おう!!ぶっ飛ばしてやる!」
「おれは誰を斬ればいい?」
「ゾロはMr・1だ。確か奴はスパスパの実の全身刃物人間だ。鉄並の硬さもあるし厄介な奴だぞ」
「今なら鉄だって斬ってやるさ。お前の尾より硬いって事はねえだろ」
「まぁ最近お前の剣痛いしね。俺の尾もその内斬られそうで怖いし」
「ならソイツは任せて貰うぜ」
ゾロはまた悪そうな顔をした。コイツ何でこんなに悪い顔が似合うんだろうな?
「ならおれは?」
「サンジ…いやマユゲはオカマね。あんな変態だけど足技はけっこう鋭いからな」
「わざわざ変な方に言い直すな!!…まぁ脚なら負けてられねえな」
「変態同士で気が合うかもな」
「人を変態呼ばわりしてんじゃねえ!」
「ウソップ、チョッパー。二人はMr・4とミス・メリークリスマスだ。Mr・4は怪力だから遠距離攻撃の得意な
ウソップが最適だな。ミス・メリークリスマスはモグラ人間だから地面の下からの攻撃に気をつけろ。
チョッパーも一人じゃしんどいかもしれないからウソップ、フォローは任せたぞ。
俺はお前を信頼してるからな。俺の尾よりエグい攻撃は来ないから安心しろ」
「おう!おれも頑張るぞ!!」
「いまいち信用されてるのか怪しいが、やってやるぜ!修行の成果を見せてやる!」
ウソップは「剃」もボチボチ使えるし肉体的にも強くなったしな。パチンコ玉も新しく開発したみたいだし。
「私は!?」
ナミがこちらを向いていた。
「俺の本音としてはナミには戦って欲しくないんだが……止めてもやるんだろ?」
「当たり前でしょ!可愛い妹の為に私だけ待ってるなんて出来ないわ!!」
「……ならミス・ダブルフィンガーの相手だ。トゲトゲの実を食べた棘人間だ。体中から棘を出してくるからな。
ウソップに作って貰った天候棒の使い方を再確認しておけよ。それと…」
「何よ?」
「……絶対に、死ぬな」
言ってナミの手を握る。
「……大丈夫よ。アンタの恋人はそんなにヤワじゃないでしょ?」
ナミは笑っていた。これなら大丈夫だな。俺も笑顔を向ける。
「なら任せたぞ」
「ええ!!」
「私はどうしようかしら?」
「ロビンにはコブラ王…ビビの親父を探して貰う。クロコダイルの作戦は王を拉致してその間にオカマが王に変身
して戦争の引き金を引くハズだからな。全く汚いやり方だ。王の拉致ならあのモグラが地下から潜って行けば
そう難しい事じゃないだろうからな」
「…アナタにクロコダイルの作戦を話してはいないハズだけど。どうしてそこまで分かってるの?」
「あのワニの性格とエージェントの能力を考えたらソレが一番手っ取り早いからな。俺が
クロコダイルだったらそーしてる」
「つくづく頭の回転が速いのね。クロコダイルの作戦と全く同じよ」
「って事でロビンは王の奪還をよろしく。「アルバーナ」の近辺の人通りのないとこを探してくれ。
南から反乱軍が来て西から俺達が来る事を予想してるなら東が一番怪しい」
「分かったわ。でも王は私の事信用してくれるかしら?」
「そう思ってカルーに俺達の事を説明した手紙を渡しておいた。多分問題はないハズだ」
「…もう手を回してたのね」
「まぁね。後で全部終わったら”石”を探すとするか。王の説得なら任せろ」
「お願いね」
「ラーズは何するんだ?」
ルフィが尋ねる。
「俺はビビの後を追う。きっと反乱軍にも国王軍にもバロックワークスの兵隊が紛れ込んでいる。もし国王軍の要の
ビビと反乱軍の要のリーダーが話している時に二人が狙撃でもされたら、お互いの軍は絶対に止まらない。
ソレを防ぐ事に専念する。ロビン、あのワニはそこまでやってるんだろ?」
「ええ、お互いの軍に潜入させてるハズだわ」
「って事だ。ビビには国王軍の兵がついてるがソイツだけじゃ防ぎきれないだろうからな」
「大丈夫なの?戦場のど真ん中に行くんでしょ?」
ナミが少し心配そうにこちらを見ていた。
「心配なのはお互い様、か。安心しろ。たかが普通の軍相手なら何万人いても問題ない」
言ってナミの頭を撫でる。
「んナミすわぁ〜〜〜ん。シクシクシク」
「見苦しいぞマユゲ」
「サンジの負けだな!」
「…ダサッ」
「サンジ。おれも応援出来ねえぞ!」
「気楽なものね。ふふっ」
緊張感が一気に吹き飛んだ。あのマユゲまだ言ってやがんのか。
「とりあえずは東のサンドラ河を越えるぞ。そしたらカルーの仲間が待ってるハズだ。そこから皆は首都「アルバーナ」を
目指せ。俺は下準備してからビビを守りに行く」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
「んじゃルフィ、後はよろしく」
最後は船長に頼もう。俺は御意見番だからな。
「行くぞみんな!絶対に死ぬなよ!!ビビのために!!!」
「「「「「「「「アラバスタのために!!!」」」」」」」」