小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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〜〜ラーズside〜〜


 こうして作戦も決まり、一路アルバーナを目指す事となった。

「んじゃ例の如く」

 そう言って獣体型になりナミ、ロビン、チョッパーを背中に乗せる。


「よろしくね」

「お願いするわ」

「またフワフワだー!」

 そして例の如く男性陣は尾で適当に掴んでおく。


「頼むぞラーズー!」

「任せた」

「もう少し上げておいてくれよ。鼻が擦れそうなんだからな」

「もう振り回すんじゃねえぞ」


 男性陣も慣れたのかあまり文句は言わない。

「んじゃ行くぜ、落ちるなよ」

 そうしてサンドラ河へ向けて砂漠を駆け抜ける。






 しばらく走っているとサンドラ河が見えてきた。んー予想より少し大きいが何とかなるかな。


「ラ、ラーズ?」

「ん?どうしたナミ?」

「もうすぐ河なんだけどどうするの?」

「飛び越える」

「アンタ正気!?向こうまでどれだけあると思ってるの!?」

「まぁ大丈夫だよ。「月歩」っと」


 そうして河の手前から「月歩」で空に舞い上がる。これも四本足だし普段より楽なんだよな。
 なんて便利なラーズタクシー。電伝虫一本で、河でも砂漠でも駆けつけます。


「これでも空飛べるのね。全く呆れるわ」

「風が気持ちいいわね」

「うおー!飛んでるー!!」

 背中の面々は色々と言っている。一方男性陣は


「うひゃー!!」

「ここまでだと何でもアリだなテメエは」

「だからもう少し上げろって!鼻が、鼻が沈む!!」

「おい狐ェ!尻尾上げやがれ!おれもしずグボボボボボ」


 それぞれ色んな意見があるみたいだな。サンジに関しては嫌がらせだが。まぁあんまり水に近いとマジで危ない
 かもしれないから少し高度上げるか。








 しばらく「月歩」で浮きながら移動を続け、ようやく向こう岸まで着いた。これって良い修行になるかもな。


「テメエ!さっきといい今といい嫌がらせか!?」

 サンジが顔を濡らしながら怒鳴ってきた。

「あっ、悪いな。あの尻尾だけ上手く制御出来なくてさ。もっと修行しとくよ」

「ツっこみづらい事言うな!」

 サンジはまだ何か喚いていたが放置しとくか。


「本当に渡っちゃったわね…」

 ナミが呆れて溜息をついている。

「だから飛び越えるって言ったじゃん…おっとナイスタイミングで来たな」




 前を見るとカルー率いる超カルガモ部隊がやってきた。

「カルー、良く来てくれた。手紙もちゃんと届けてくれたみたいだな」

「クエー!クエックエー?」

「ビビなら反乱軍を止めに行ってる。お前達はルフィ達を乗せてアルバーナへ向かってくれ」

「クエー。クエ?」

「俺は後からビビの所に行く。ちゃんと守ってくるから安心しろ。後チャカに会ったらこれ渡しておいて」

「クエー!」





「…ねえ、ラーズ。アンタはカルーと喋れるの?」

「まぁ大体は。今は狐と人間のハーフみたいなもんだしな。チョッパーも話せるだろ?」

「おれは元々動物だったからな!」

「という訳だ」

「……もういいわ。ラーズだしって事で納得しておく」

「なら俺はここで一旦別れる。みんなも敵を倒したら随時宮殿に向かってくれ」



「待ってろワニー!」

「そっちは任せたぞ、ルフィ」

「おう!!」

「ならお互い」

「「死ぬなよ」」


 ルフィと笑いながら声を合わせる。そうしてルフィ達を乗せたカルガモ達は出発しようとしていた。

 去り際にナミの頭を撫でる。どうやら俺はナミの頭を撫でるのが相当好きらしい。何かサラサラしてるし
 触り心地がたまらないんだよな。

「頑張れよ」

「可愛い妹は頼んだわよ」

 そうして二人で笑った。


「行くぞーー!!」


 ルフィの掛け声と共にカルガモ達は走って行った。さて、俺もビビの所に向かうか。俺の妹は我侭だからな。
 国王軍も反乱軍もどちらも、誰一人として死なせる訳には行かねえ。

 
 その為には先に下準備してからだな。打てる手は打っておこう。しかし俺の知識だけで出来るかな?
 それだけが唯一の不安だな。


 反乱軍が予想より早いかもしれないから俺もアルバーナに後から向かうとしよう。ビビも
 反乱軍がカトレアにいなかったらどの道アルバーナに来るだろうし。







  〜〜ビビside〜〜


 …カトレアに着いた時にはもう遅かった。反乱軍はすでにアルバーナを目指して出発した後だった。


「ビビ様…」

「まだよ、まだ諦めない!国王軍と交戦するまでに追いついてリーダーを説得すれば…」

「ならば参りましょう。アルバーナへ」

「ええ。反乱軍より速く行ける?」

「お任せ下さい。力の限り羽ばたきましょう」

「お願い」

「では、参ります!」


 そうして私はペルとカトレアを後にした。絶対にこの国を守るんだ!









 ペルとしばらく空を飛んでいるとようやく前方に土煙が見えてきた。もうこんなにアルバーナに近付いてるなんて!
 
「ビビ様、如何なされますか?」

「私を宮殿の南門までお願い!!ペルはチャカと一緒に宮殿広場の時計台に向かって!ラーズさんの話が本当なら
 そこに爆弾が仕掛けられてるハズよ。見つけ次第西の人気のない場所へ運んで!」

「分かりました。しかし御一人で大丈夫ですか?」

「みんなアラバスタの為に戦ってるんですもの。私も戦うわ!」

「分かりました。くれぐれも御気を付けて」

「それから国王軍には絶対に攻撃しない様に徹底して伝えて」

「畏まりました。それでは」


 ペルは宮殿に向かっていった。もう少ししたら反乱軍が目の前まで迫って来る。何としてもここで
 反乱軍を説得しなきゃ!
















 こうして各地で戦いが始まろうとしていた。



 ある者はただ強者を倒す為。
 ある者はより強くなる為に。
 ある者は自身への期待に答える為。
 ある者は国を守る為に。



 そしてある者は全てを守るために戦う。







  −−−決戦はアルバーナ−−−





 

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