小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ラーズside〜〜

 王宮へ向かうと一味が全員揃っていた。皆無事みたいだな…サンジが一番怪我してるみたいだが。
 普段から修行してないからだ。ナミも足以外は大した事ないみたいだな。良かった良かった。


「ラーズー!おれウソップと頑張ったぞー!!二人でやっつけて来たぞー!」

「良く頑張ったチョッパー。ウソップ、期待以上だったみたいだな」

 ウソップとチョッパーはほぼ無傷だった。

「お前との訓練にこれだけ感謝したのは初めてだぜ!これでおれもスーパー狙撃手だな!」

 チョッパーの頭を撫でて、ウソップとハイタッチを交わす。

 
「おれもワニをビビの分までぶっ飛ばしたぞ!!」

 ルフィもほぼ無傷だな。クロコダイルの弱点を突いたとは言え、ここまでやるとは俺も負けてられないぞ。

「ギアの後遺症はないか?」

「毎日鍛えてたからな!あんま体痛くなくなって来たぞ」

 う〜ん油断してたら本当に負けるかもしれないな。


「稽古に付き合ってくれた礼を言うぜ」

「もうお前とは稽古しないからな。マジで斬られたらたまらん」

 ゾロも稽古の成果が出たみたいだな。少し怪我してるがピンピンしてるし。どいつもこいつも成長スピードが
 速すぎるんだよ。俺は十何年も鍛錬してきてようやくコレだってのに。
 話しながら二人して悪い顔で笑う。俺もゾロのせいで悪役顔が似合う様になってきたな。


「ロビン。王の事サンキュー。良いタイミングだった」

「どういたしまして。多分私が一番楽だったわ。ところでMr・コブラに何か言われなかった?」

「?いや特に。大体王は俺の事名前しか知らないだろうしあの場では名乗ってないからな」

「そう…」

 何かあったのか?まぁあんま気にしないでいいか。


「だから俺と修行するか?って言ってたじゃん。そんなにやられちゃって。Mr・マユゲ」

「うるせえ!少しいい感じに言われても嬉しくねえ!!それに勝ったからいいだろ!!」

 コイツも譲らないな。まぁお願いしてきたら相手してやるか。



「ナミ、良くやったな」

「私が約束破ると思った?」

「いいや。勿論信じてたさ。俺の惚れた女だからな」

 そうして二人で笑い合う。


「それよりさ…」

「ん?」



「あの登場の仕方は何?」

「あっ、見えてた?」

「声が聞こえた瞬間に空見たらアンタが凄い事になってたから思わず足を止めちゃったわよ」


「おれも見てたぞ!」

「おれもー!!」

「チョッパーと二人で口あんぐりしてたぜ」

「テメエは本当に予想の斜め上を行きやがるな」

「私もさすがに驚いたわ」

「美味しいとこ持って行きやがってこの白髪め!!」

 色んな意見があるみたいだが、とりあえず目的は達成したし結果オーライだろ。




「君が…ラーズ君かね?」

 ええっと、この人がチャカさんか?

「はい。申し遅れました。麦わらの一味、白狐のラーズと言います」

「そうか。ビビ様の事、そして反乱を止めてくれた事。本当に感謝する」

「気にしないでいいですよ。美味いメシでも食わせて貰えれば満足です」

「しかしどうやってあんな空から?君も飛行能力でもあるのか?それにあの炎」

 やっぱ気になるよな。

「まず空に居たのは足技ですね。こんな感じで」

 言いながら「月歩」を見せる。それから白い炎を少し出す。

「んでこの炎は俺の能力です」

「ルフィ君から話は聞いたし手紙も貰っていたが…君がビビ様を送ってくれて助かったよ」

「俺は少し手伝いをしただけですよ。ビビは立派に王女してましたし」

 そう言うとチャカさんは笑っていた。
 

「まさかあんな方法で止めるとは思ってもみなかった」

「海軍に拡声器借りましたからね。それにビビからお願いされてましたし、『一人も死なせたくない!』って。
 あんな化け物みたいなのが空から降って来たら流石に驚いてくれるかと思いましたが上手く行きました」

「あぁ、君の考え通りだったよ。我々も思わず見惚れてしまった。あの場にいた全員がそうだったろう」

「それが狙いでしたしね」

「しかしあの場からどうやってここまで?」

「こんな感じです」

 言って「剃」でチャカさんの後ろに高速移動する。

「…君は何でもアリなんだな」

「良く言われますよ」

「…恐らく君の事はアラバスタの歴史に名を刻む事になるだろう。新たな守り神として」

「止めといた方がいいですよ?俺達海賊ですし。それよりビビの旅でも記録した方が為になるかと」





 そうしてチャカさんと雨に濡れながら話しているとコブラ王とビビがやってきた。


 ビビは俺達を見つけるといきなり走り出して……俺に飛び付いて来た。うん、良い笑顔だ。

「ラーズさん!!!」

「おっと。良くやったな、ビビ」

 受け止めてそのまま頭を撫でる。何か本当に妹みたいだな。ナミも納得してるみたいだし。

「ラーズさんのおかげでようやく全てが終わりました」

「みんなで頑張った結果だ」

「それにしても、大砲の玉まで防げるんですね」

「コーザとビビが狙われるのは予想してたからな。あれぐらいなら問題ないさ」

「やっぱり頼りになります兄さん!!」


 そうして和んでいたら前から怒声が聞こえてきた。






「ビビを誑かしたのは貴様かァァァァァァ!?」

「のわっ、何だ!?」
「パパ!?」

「すぐにビビから離れろォォォ!!!」

 いい歳したおっさんが真剣にこっちに走ってきた。……うわぁー。


「ビビ。あの親父に何か言ったのか?」

「い、いいえ。まだ何も…」

 と、なると

「……ロビン?」

 ロビンの方を見ようとしたらアイツいつの間にか居なくなってやがった。さっきのはこの事かよ!?
 とりあえず王宮を走りバカ親父から離れる。





「待てい貴様!ネフェルタリ・コブラの名に賭けて貴様を粛清する!!」

「こんな事に国王の名を賭けてんじゃねえよ!!」

「ええい黙れ青二才が!!」

「その青二才に助けられたのは誰だよ!?」

「私はロビン氏に助けられた!断じて貴様の手は借りておらん!」

「いい歳して屁理屈こねるな!!」

「屁理屈も理屈だ!!」

「だぁー!ビビ!!さっさとこの親父引退させてお前が女王にでもなれ!!!コイツは駄目だ!!」

「私の命ある限りアラバスタは渡さんぞ!!!」

「台詞と行動が合ってねえよこのバカ親父!!!」

「何だとこの小僧が!!」


 こうしてバカ親父とギャーギャー言い合ってる間、ルフィ達は爆笑しチャカさん達は頭を抱えていた。


 


  〜〜ナミside〜〜


 今もラーズと国王は何か言い合いながらその辺を走り回ってる。国王軍の人達は親バカっぷりに
 呆れてるみたいね。ルフィ達はラーズを見て笑い転げてるけど。


 私はビビの近くに行った。

「ようやく終わったって感じね」

「駄目なパパですみません」

「そんだけアンタの事好きなのよ。ラーズの事は…まぁ認めてないみたいだけど。アレでも一応今回の
 一番の立役者なんだけどね」

 言うとビビも苦笑いをしていた。

「昔からああなんで…恥ずかしいです」


「でも、良い国じゃない。みんな家族って感じで」

「…はいっ!私もみんなが好きです!!」

 そうして二人で笑っていた。…ラーズ達はまだ走っていた。ラーズはともかく国王って元気なのね。



「貴様を息子とは認めん!認めんぞォ!!」
「誰が認めて欲しいなんて言ったぁ!?」

「ビビは貴様なんぞにふさわしくなーーい!!」
「だぁーもう!さっきの尊敬全部返せ!」
「貴様に尊敬などされたくないわー!!熨斗つけて返してやる!!」




「コレが…平和、なんですかね?」

 ビビが笑いながら聞いてくる。

「でしょうね。ラーズがかーなり無礼な気がするけど」

 私もまた、笑っていた。可愛い妹の待ち望んだ平和が今ココにあるのだから。



「大人しく捕まれ小僧!!」
「チャカさんこのバカ親父止めてくれよーー!!」







 国王とラーズの鬼ごっこはしばらく続いたとか続いてないとか。



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