小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ラーズside〜〜


 さて、無事にビビも一味に加わって宴会が繰り広げられてる訳なんだが…これからはビビも鍛えて行かないと。
 何かあった時にナミもビビも守れる程強くないし。しかしどう鍛えるか?
 悪魔の実は…てっとり早いけど、出来れば食わせたくないなぁ。仮にも王女なんだし。

 となると覇気関連しかないけど、鍛え方ねぇ。ウソップは多少見聞色の覇気に目覚めたっぽいから死にそうな攻撃を
 ひたすら続けていけばその内使いこなせる様になるとは思うが。…そう考えると少し様子見だな。

 まずはちょいちょい組手をしつつ実戦経験を増やしておこう。



 そんな事を考えているとロビンが話し掛けてきた。

「ねぇラーズ。少しいいかしら?」

「ん?どうした?」


「アナタは何を知ってるの?」


 …また確信を突いてくる様な質問だな。さて、どう話したものやら。

「何って言われてもなぁ。俺は人より知識が豊富なだけだ。ロビンみたいに歴史の本文とかは読めないからな」

「そう…」

「俺が何でも知ってる神様だったらそもそもビビをあんなに悲しませてない。ロビンの事だって助けに行ってたさ」

「…」

 ロビンは少し俯いた。


「ロビンに俺の昔の話はしたっけ?」

「?いいえ、詳しくは知らないわ」

「…俺とナミがまだガキだった頃、村に海賊が来たんだ。俺はナミやナミの姉ちゃんや母親達を守ろうとして
 戦ったんだ。だけど、俺は守るどころか自分が殺されかけた。生き延びたのは本当に偶然だったんだ。
 それからは、海軍時代に生き残るために全てを必死にやってきたんだ。今度は守ってみせる為に。
 だから俺は常に考えている。敵を倒す為に、皆で生き残る為に」


「……そう、だったのね。変に聞いてしまってごめんなさい」

「気にするな。俺もそんなに気にしてないし」

 そうしてロビンに向けて笑う。

「ありがとう。なら私は行くわ」

 ロビンも笑いながら去って行く。






  〜〜ロビンside〜〜


 …私は心のどこかで彼を、ラーズを信用し切れてなかったのかもしれない。だからあんな事を聞いてしまったのかも。
 ラーズの話を聞いて、私は反省した。自分の過去すら探られたくないのに、彼にそんな事を話させてしまった。
 でも、ラーズは笑っていたわ。…難しく考える必要なんてなかったのかもね。



 今は私を信じてくれてる彼を信じましょう。



「ロビーン」

「どうしたの?」

 航海士さんが話し掛けてきた。

「ラーズと何か話してたの?少し真面目な顔だったけど」

 良く見てるのね。でももう問題は解決したし…


「年上は趣味か聞いてたの」

「ええっ!?何聞いてんのよ!ラーズは私のなの!!」

「悪くない返事も貰ったわ。彼、最後に笑ってたでしょう?」

「むかー!!ちょっとラーズー!!」

 航海士さんは直ぐにラーズのとこに走って行った。ふふっ、少しからかい過ぎたかしら?








「…おいロビン」

「おかえりなさい」

「ただいま…じゃねーよ!ナミに何ウソついてんだよ!?おかげでまた拳骨喰らっただろうが!!」

 ラーズは見事に航海士さんにやられたみたいね。

「ふふっ、心から頼りにしてるものだから。つい、ね」

「……その台詞まだ覚えてるとはな。まぁ出来たら俺が犠牲にならない程度にしてくれ。後なるべく早く他にも
 作ってくれ。俺だけやられてるのは納得いかん」

 …ラーズもあの時の台詞ちゃんと覚えてたのね。嬉しくなってまた笑う。

「ふふふっ。考えておくわ」

「実行に移す事を望む」

 そうしてラーズは長鼻くんの所へ向かった。




「おぅラーズ!飲んでるか?…って何いきなり鼻握ってんだよ!?もげるもげうぅ!?」
「うるさい。八つ当たりだ」
「だぁー離しやがれ!やんのかこの狐めェ!」
「かかって来いやハナップ!!」
「ハナップとか言うなァ!!」





 あっちで長鼻くんと楽しそうにしてるわね。




「油断してたら、本当に奪いに行くわよ航海士さん?」

 私の小さな呟きは騒ぎの中に紛れていった。





  〜〜ゾロside〜〜

 ビビの歓迎会も終わり、一味は新しい島に向かって進んでいる。全員で甲板で談笑していると急にラーズが
 空を見上げて叫んだ。


「ルフィはナミを!ゾロはロビン、ウソップはビビを守れ!!サンジはチョッパーを頼む!!」

 いきなり何を言い出すんだ?


「全員空を見ろ!!」

 言われて見上げた。…おいおい冗談だろ?何で空から船が降ってくるんだよ!?

「俺が出来るだけ迎撃する!もし残り物が落ちてきたら任せるぞ!」


 ラーズは言いながらマストの頂上まで行って炎を吹き出していた。

「こんの野郎!焔弾ァ!!」

 ラーズは白い炎を船の上部で展開している。アイツの炎ってあんなにデカくなんのか?
 そうして船に向かっていた残骸はほとんどアイツの炎で燃え尽きた。…守る必要あったのか?

「まだだ!デカい波が来るぞ!みんなしっかり掴まっておけ!!」

 今度は船が落ちて来た影響で津波が起こっていた。

「ギャアアァァァァ!!」

「ウソップさん!?しっかりして!!」

 声の方を向くと現実逃避しかけてるウソップをビビが揺らしていた。アイツ逆に守られてんじゃねェか!?

「ロビン!大丈夫か!?」

「能力も使ってるからなんとか」

 こっちは大丈夫そうだな。




 なんとか波に呑まれる事もなく、一応辺りは落ち着いてきた。ラーズも上から戻ってきたみたいだな。
 しかしアイツが上でカバーしてなかったらヤバかったかもな。


「全員ケガはないか?」

「こっちは大丈夫だ」

「おれの方もだ!」

「まかせろ」

 おれとルフィ、マユゲが返事をする。


「これは夢だこれは夢だ…」

「ウソップさん戻ってきて〜!」

 ビビはウソップの鼻を全力で引っ張っている。そんなに引っ張って大丈夫なのか?まァ二人とも無事みたいだし
 気にする事ァねえか。


「…一応無事みたいだな」

 ラーズもウソップを見て少し疑問を抱いたが無事と判断したみたいだな。しかし偉大なる航路って言っても
 何で空から船が落ちてくるんだ?一体どうなってやがる?


「あ!!記録指針が壊れちゃった!…上を向いて動かない!」

「いや、それは恐らく…」
「違うわ。記録が新しく書き換えられたのよ」

 ナミが驚いた後にラーズが何か言おうとしたが、ロビンがそれを遮って何か言っている。

「指針が上を向いているなら…”空島”に記録を奪われたということ…」

 あん?空島って何だ?ナミも何の事か分かってねェみたいだし。ラーズは何か知ってんのか?


「俺もロビンと同じ意見だ。ルフィ!さっきのデカい船が沈むまでにあの船で宝探ししようぜ!」

「よっしゃー!!」

 ルフィとラーズはさっき落ちて来た船に乗り込んで行った。

「ラーズと船長さんが戻って来たら詳しく話すわ」

 …それもそうだな。ラーズとロビンが説明するのが一番分かりやすいし。戻ってくるまで筋トレでもしとくか。



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