小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ビビside〜〜


「よしっ、チョッパーやるぞー」

「おう!」

 甲板の上では兄さんとトニー君が一緒に修行?をしている。とは言っても二人とも胡坐かいて座ってるだけなんだけど。
 兄さんみたいに尻尾を自由に動かすには欠かせないらしいの。トニー君も同じ動物系の悪魔の実の能力者だからか、
 兄さんは良くトニー君の面倒を見ている。

「ならチョッパーやってみろ」

「おう!毛皮強化!」

 トニー君が叫ぶと体が全身毛に覆われてモコモコになった。何あの可愛いの!?

「やったー!ランブルボール無しで変身出来たぞー!!」

「おぉ!しかも防御の毛皮強化か。これは幸先いいな。分析しながら攻撃を防いで弱点を見つける。
 これなら次の変身もその内出来る様になるぞ」

 兄さんは笑顔でトニー君を撫でていた。こうして見てると二人は親子みたい。そしてまた二人は座り始めたけど、
 間もなくしてトニー君が昼寝を始めた。まぁ今日は気持ちいい天気だしね。私は兄さんの近くに行く。


「可愛い寝顔ですね」

「まぁこの天気だしな。ナミやロビン達もまだ戻って来ないだろうし、しばらく寝かせてていいぞ」

「はーい」

 そうしてトニー君を膝に乗せる。



 私達は今ジャヤに辿り着きルフィさんとMr・ブシドー、ナミさんが情報収集に出て行った。
 また、ロビンさんとウソップさん、サンジさんも買い物と情報収集の為に船を降りた。
 それにしてもこの町、港に海賊船ばかりだけどみんな大丈夫かしら?
 ケンカばっかりしてないといいのだけど。


 そんな事を考えているといつの間にか兄さんも尻尾を枕にして寝ていた。ここだけ見てると微笑ましい光景ね。
 こんな風に寝てる人があんなに凄いなんて誰も思わないでしょうね。

 それにしても、さっきの大きな影には驚いたわ。まさかあんな事が起こるなんて思ってもいなかった。
 おかげで腰が抜けて兄さんに笑われちゃったし!
 …でもやっぱりみんなとの旅は楽しい。国のみんなには迷惑掛けてるかもしれないけど、私は自分で旅する事を
 決心出来て良かった。


 二人の寝顔を見ながらのんびりしているとナミさん達が戻って来た。が……

「その傷どうしたんですか!?」





  〜〜ナミside〜〜


 あぁもう腹が立つ!ルフィ達もあんな奴らブッ飛ばせばいいのに!!空島の話もまともに聞いてくれないし!

 町に行って情報を集めようと思ったのだけれど、酒場で空島の話をした途端に大爆笑されて見事に
 赤っ恥をかいてしまった。ルフィ達もケンカ売られたのに大人しいまんまだし!
 あ〜もう悔しい!!


「傷は大した事ないみたいだ」

 チョッパーがルフィとゾロの治療をしている。


「ラーズ!今すぐあいつ等ぶん殴ってきてよ!」

 寝起きでボーッとしているラーズに叫ぶ。

「…別にそれでもいいんだが、ルフィ。どうする?」

「別にいいんだ。もう済んだ事だし」

「あァ」

 何でいいのよ!アンタ達悔しくないっての!?


「…それが船長の意見なら俺も従う。ナミも少し落ち着け」

「落ち着いてられないわよ!あんだけ馬鹿にされて黙ってられるかってのよ!?」

「…どうか落ち着いて下さいナミさん」

 ラーズが何でか土下座していた。…はぁ、何か気が抜けたわ。

「全く…。本当に空島なんてあるんでしょうね?」

「それは安心しろ。空島は必ずある」

「分かったわ。少し落ち着く事にする」


 そうしているとロビン達も戻って来た。何か情報はあったのかしら?

「ひとまずこの島の地図と…面白い話を聞いてきたわ」

 そう言って地図を渡してきた。

「この×印は何?」

「そこにはジャヤのはみ出し者が住んでるらしいわ。名前は「モンブラン・クリケット」。行ってみる価値は
 あると思うわよ」

 他に情報はないし、ひとまずは行ってみるしかなさそうね。





 ジャヤの東に向かって進んでいると、なんか見た事ある様な海賊船が見えてきた。

「ねぇ、あの感じって…」

「多分サルベージしてた奴の知り合いなんじゃねえの?」

 ウソップも同じ意見みたいね。

「なら少し話してみるか」

 ラーズが言った。


「おーいそっちの船長さーん!」

「オウオーウ!ニーチャンニーチャン何か用か?」

 出て来た船長はこれまた凄い人?だった。何あの顔?

「俺達さっきマシラって人のサルベージ見学させて貰ってたんだが、アンタ知り合いか?」

「兄弟を知ってるのか?」

「あぁ!話の分かるいい奴だったぞ!!」

 …そうだったっけ?

「そうだろう?ウオッホッホッ」


「それで、俺達は今「モンブラン・クリケット」って人を探してるんだ。その人の夢を聞きたくてな。
 アンタ何か知ってないか?」

「そりゃおやっさんじゃねえか。よし!お前気に入ったぞ!おれについて来い!!」


「だってよ。ついて行こうぜ」

 あっさり話が終わった。

「…アンタその内詐欺師って呼ばれるわよ」

「あそこまで口が回るとむしろ尊敬するぜ」

 ウソップと私は呆れていた。

「話が分かる奴で良かったじゃねえか」

 アンタの笑顔が黒く見えるのは目の錯覚よね?





 何か海賊と仲良くなって目的地まで着いた。あの船長はショウジョウって言うらしい。まぁ正直ゴリラよね。
 んで見えて来たのは…

「着いたぞココだ!」

「サンキュー、ショウジョウさん。あんたサル上がりだなぁ」

「よせよ、照れるだろう」

 ラーズはゴリラさんとワイワイ話していた。何ですぐにあんな仲良くなれるのかしら?


「すげェ!宮殿だ!」

 ルフィやウソップは目の前の宮殿みたいなのを見て驚いていた。でもあれって張りぼてよね?


「当の家は半分だけ…後はベニヤ板か」

「なかなかの見栄っ張りだ」

 ゾロやサンジ君は呆れていた。

 島に降りると、どうやら目当ての人物は不在みたい。
 ラーズはゾロに海岸線を覗かせたりしている。何か気になる事でもあるのかしら?
 すると近くで一冊の古い絵本を見つけた。サンジ君はそれを見て近くに来た。

「おっ、うそつきノーランドじゃねえか懐かしい。おれの生まれの北の海では有名な絵本だ。童話ってもこの
 ノーランドって奴は昔実在したって話を聞いた事がある」

 へぇ、どれどれ…

「むかしむかしのものがたり。それは今から400年も昔のお話−−−−」

 音読しながら読み進める。どうやらノーランドって人は偉大なる航路に行って黄金を見たって言ってるみたいね。
 でも次に王様を連れて行った時はその島が無くて、うそつきの罪で死刑になったみたい。



「あわれウソつきは…死んでしまいました…スーパー…狙撃手に…なれも…せずに…」

 本を閉じながらウソップを見つめる。

「おれを見んなァ!切ない文章足すなァ!!スーパー狙撃手とか思いっきりおれ限定じゃねェか!!」

 ウソップがギャーギャー言ってるとルフィがいきなり海に落ちた。何が起こったの!?


「てめェら誰だ!!?」

 また変な人が出てきた!顔はひし形だし頭に栗乗ってるし!


「おやっさん!」

 ゴリラさんがその人を呼ぶ。ん?じゃああの人が「モンブラン・クリケット」なの?
 ルフィはウソップが助けに飛び込んだみたいね。

「ん?ショウジョウか…コイツ等何者だ?」

「コイツ等おやっさんの夢を聞きにきたんだ。空島に行きたいってよ」

「!!…まだそんな奴がいるとはな…ハ…ハァ…」

 栗の人は喋りながらいきなり倒れた。

「おやっさん!」

「待てショウジョウさん!…チョッパー来てくれ!」

 焦るゴリラさんをラーズが止める。

「おう!……これは潜水病だ。直ぐに家に運ぼう」

 栗の人を家に連れて行ってチョッパーが看病している。



「お前等ホント良い奴だな〜」

「ココまで連れて来てくれたお礼さ…おっとショウジョウさんの兄弟がきたみたいだぜ」


 ラーズがまたゴリラさんと話していると今度は海で会った猿さんが来た。

「あっお前等は!?」

 そう言えば猿さんの縄張りで勝手に財宝探ししたんだっけ。何かヤバイんじゃないの?

「おうマシラさん!俺達は今クリケットさんの看病をしてるとこなんだ!」

 ラーズが言葉を遮る様に話す。このタイミングで話しても…

「そ、そうなのか!?お前いい〜〜奴だなぁ」

 聞くの!?ラーズが黒いのか猿さんが馬鹿なのか…


「そうでもないさ。アンタの方がサル上がりだしな」

「そんな褒めんなよ!ウッキッキッ!」

「良かったなぁ兄弟!ウオッホッホッ!」






「…見事なものね」

「さすが兄さんですね!」

「…ねぇビビ。お願いだからラーズみたいにはならないでね。アンタはそのままでいて」

「?はい」



 栗の人が意識を取り戻すまでに、猿さんとゴリラさん、ラーズとルフィの四人はすっかり仲良くなっていた。
 あの仲良さは打算的…じゃない事を願うわよ。 





  

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