小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ゾロside〜〜

 おれ達は遂に空島に着いた…本当に空に島があんだなァ。周りには建物や森もあるし不思議なもんだ。


「この島地面がフカフカだァーーー!!」

「ぎゃーー!空島ーー!!」

 ルフィにウソップ、チョッパーは我先にと船を降りて海岸に走って行った…あん?いつもならラーズも
 あの輪に入って騒いでるんだが…見ると何やら考え事をしてるみてェだな。

 しっかしこの風景にはたまげたな…まるで夢だ。白い波がビーチに打ち寄せている。
 そのビーチの地面も雲で出来てるみたいだし。


「アイツらのハシャギ様ったら…ハハ、しょうがねえな」

 マユゲにしては大人な事言ってるじゃねェか。なんて思ってたら、

「ひゃっほ〜〜う!!」

 甲板から跳ねながら消えて行ったマユゲ…おめェも満喫してんじゃねェかよ。


「錨は?」

「刺した。どうもフカフカの雲がこの島の基盤らしい」

 ナミが地図を片手に出て来た。

「ナミ、その地図借りていいか?」

「はい、私もビーチに行ってくるわね」

「兄さん、私も行ってきます!凄〜い!」

 ラーズに地図を渡してナミとビビは降りて行った。何か最近ビビの呼び方も違和感なくなってきたな。


「ラーズは行かないの?」

 ロビンは考えているラーズが気になるみたいだな。確かにおれも少し気にはなるが。

「あァ、ちょっと気になる事があってな。ロビン、ジャヤの地図ってあるか?」

「?少し待ってて」

 そう言ってロビンは室内に行った。

「何かあんのか?」

「まだ仮説の段階なんだが…これが本当だったら面白い事になるぞ」

 ラーズは悪い顔をして笑っている。コイツ最近悪役顔が似合うな。


「はい、おまたせ」

「サンキュー」

 ロビンが持ってきた地図を受け取ると、ラーズは歩きながらまた考え事を始めた。何か地図を重ねたり
 してるみたいだが何やってんだろうな?

「どうしたのかしらね?」

「さァな。ただアイツが悪い顔してるからどうせロクでもない事だろ」

「ふふっ、剣士さんも良く分かってるのね」

「付き合いも長くなってきたからな」
 
 ラーズとは東の海からの付き合いだが、まだまだアイツの強さには追いつけねェ。おれも鍛錬してる自信はあるが、
 アイツもヒマな時はほとんど鍛えてるからな。


「さて、おれも行くか」


 この島も退屈はしなさそうだ。




  〜〜ラーズside〜〜


 考え事をしている間に全員船から降りていたみたいだ。しかも何か島の住人と仲良くなってるみたいだし。

「お〜いラーズー!おっさんの家でメシ食おうぜ〜!」

 ルフィに呼ばれる。隣にはヒゲで口が見えないおっさんとキツネを抱えた女の子がいた。この島の住人は
 みんな背中に羽が生えてるのか?

「先に行っててくれ〜」

「早く来ないと無くなるからな〜!」

 そう言ってルフィ達はメシを食いに行った。ナミはまだ空島の乗り物で遊んでるみたいだ。


「ナミ〜、俺少し用事があるからちょっと船空けるわ」

「はいは〜い、気をつけてね〜」

 ナミは適当に返事してきた…まァいいか。

「さて、行ってきますか」

 そう言って俺は「月歩」で空に上がり移動を始めた。最近「月歩」で浮きながらでもかなりの速度を出せる
 様になってきた。これも修行の賜物だろう。ルッチが「剃刀」とか言ってたな。


 そうして目的地を目指す。爺さんから聞いた”神の島”へと。





  〜〜エネルside〜〜


 この国にまた客がやってきたみたいだが…中に一人面白い青海人がいるみたいだな。この島の謎に
 気付いたか?ヤハハハハ。頭は回るみたいだが、誰一人として私に敵う者はいない。

「それにしても空を飛べるか…青海人にも色々いるのだな」

 この青海人は面白いな…神官の一人でもぶつけてみるか。敗れる様ならそれまで。勝つ様なら…

「ヤマよ」

「はっ」

 神兵長のヤマを呼ぶ。

「シュラにエンジェル島方面に待機する様指示。人間が神の島に入り次第排除する様通達せよ」

「畏まりました」

 さて、どうする人間よ?







  〜〜ラーズside〜〜


 ひとまず神の島に着いたが…何かおかしいな。植物は専門外なんだが、木ってこんなにどれもこれも大きく
 なるモンなのか?直径十メートルくらいの木がほとんどだ。まァ考えても仕方ないし、目的のものを探すとするか。
 しばらく海岸沿いに走っていると目的のモノを見つけた。


「やっぱり予想通り、か」

 俺の目の前には一軒の家があった…半分だけ切り取られた家が。間違いない。ジャヤのクリケットさんの
 家のもう半分だ。つまり、この島は元々”ジャヤ”だったんだ。おそらく強烈な突き上げる海流で島ごと空に
 上がったんだろう。ノーランドは昔島のこちら側に着いたが、次に来た時は島は飛んだ後だったんだろう。

「となるとこの島のこの辺りに…」

 俺はクリケットさんの言葉を思い出す。「髑髏の右目に黄金を見た」。これが間違ってないなら恐らくこの地図の
 右側に書かれている遺跡の辺りだろう。
 これで確信が持てた。後はルフィ達と合流してこの島を探索するか。
 そうして戻ろうとすると


「貴様が侵入者か?」


 空から鳥に乗って何者かがやってきた。誰だ?

「侵入者?入っちゃマズかったか?」

 ゴーグルを着け、ツンと伸びたヒゲが特徴の男を見る。

「ここは我らが”神”の島。許可無く立ち入った罪は重い」

「別に悪さしてないんだし、見逃すってのは?」

「却下だ」

 そう言って手に持ってる槍をこちらに向ける。問答無用ってか。仕方ない。

「じゃあ遠慮無く行くよ」

 俺も尾を体に巻き付け戦闘態勢に入る。最近白火ばっかりだったからな。今回は覇気を使うか。

「行くぞ!」

 ゴーグルは鳥に乗って空に浮いた。迎撃しようと構えると、鳥が火を吐いてきた。

「おっと!」

 「剃」で移動し炎を避ける。あの鳥って火を吐けるんだな。

「ほぅ、今のを避けるとは」

「なめんなよ」

 俺もお返しに地上から「嵐脚」を飛ばそうと構えると、

「その距離からでは蹴りは届くまい」

 !コイツ俺の動きを読みやがった。見聞色の覇気か。

「我々の”心網”にかかれば貴様の動きを読む事など容易い」

 なるほどねェ。確かに並の速さなら完全に読まれるだろうな。昔はそのせいでボコボコにされてたし。

 ゴーグルは空から様子を窺っている。偉そうにしやがって、俺が飛べないと思ってるのがアンタの油断だよ。
 足に力を入れ、「剃刀」で一気に距離を縮める。空中でもかなりの速さを出せる様になったな。
 この速度でも読み切れるか!?

「なっ!?」

 驚いているゴーグルに向けて「嵐脚」を三発飛ばす。かろうじてゴーグルはかわしたが、俺は直ぐにゴーグルの
 避けた方向に飛んでいた。隙だらけのゴーグルの顔面に覇気を纏わせた蹴りを喰らわす。蹴りは見事に
 ゴーグルの側頭部にめり込む。その一撃はゴーグルを打ちのめし、鳥から吹き飛び地面に伏していた。


「こんな…青海人などに…」

 顔だけ上げてゴーグルが呟く。

「相手が悪かったな。エネルによろしく伝えておけ」

「!貴様…」

 ゴーグルが何か言う前にゴーグルの頭に踵落としを決める。さすがに意識を失ったみたいだな。

「クカカカカ!!」

 今度は相方の鳥が低空からこちらに火を吐いてきた。やれやれ…今度は避けずに「嵐脚」を尾ではなく、足で放つ。

「嵐脚・断(だん)」

 尾を巻き付けた足での「嵐脚」は飛んで来た火を吹き飛ばし、そのまま鳥目がけて飛んで行く。鍛え上げた足を
 更に尾で強化しているので、威力と速さは絶大。巨大な三日月型の斬撃は地面も抉りながら鳥に当たる。
 直撃した瞬間に血を吹き出した。多少手加減したから死んではいないだろうけど。
 鳥もそのまま地面に倒れて動かなくなる。

「全く手荒い歓迎だな…あっ、エネルの場所聞くの忘れてた」

 まァいいか。島中探せばその内出てくるだろ。これ以上単独行動したら後でルフィ達に何言われるか
 分からないし、ひとまず船に戻るとするか。




  〜〜エネルside〜〜


 ほほぅ、シュラがやられたか。あの青海人はなかなか強い様だな。実に面白いぞ!私の「マクシム」も完成に
 ほぼ近いし、そろそろこの島にも決着をつけるとしよう。青海人も黄金の事に気付いた様だしな。
 間違いなく再び島にやってくるだろう。

「明日は神官達に神の島全域を解放して遊ぶとするか」

 どんなに強くても私を止めるとこなど出来ない。



「我、神なり」



 これから楽しくなりそうだ。私も明日は参加するとしよう。シュラを倒した青海人にも興味があるからな。
 神官をあっさりと倒す実力は評価に値する。それでも私には、神には遠く及ばない。



「我、雷」



 この”ゴロゴロの実”を食べた私に敵はいない!私こそが神なのだ!ヤハハハハハ!! 




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