小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ラーズside〜〜


「いや〜昨日は激しかったな。ナミがまさかあんなにグイグイ来るとは…さすがに鍛えてた俺もぐったりだぜ」

「朝から何変な事言ってんのよ!?」

「ギャン!?」

 朝からナミに拳骨を貰ってすっきりと目が覚める。昨晩ナミに追っかけ回された事を表現しただけなんだが。


「全く…アンタに緊張感ってものはないの?」

「ナミがピンチになったら気合入れるさ。まァ基本はピンチになる前に事を終わらせるけど」

「はいはい、頼りにしてるわよ」

 ナミは片手をヒラヒラさせながら適当に返事をする。


「…何か最近またツンツンしてきてるな」

「気のせいでしょ?」

 これでも態度を変えないか……


「……膝枕」

「!?」

 さすがにナミも反応したか。

「なんなら今して貰ってもいいんだけど」

「い、今はダメよ!今から黄金探しなんだし忙しくなるんだから!」

 顔を赤くして早口でまくしたててくる…そんなに恥ずかしいのか?

「黄金探しの前に充電しておきたいんだが」

「ダメったらダメ!黄金見つけてからよ!!」

「…じゃあ見つけたらたっぷり膝枕して貰うからな!太ももの上で頭撫でて貰うからな!!」

「うっ。わ、分かったわよ…」

 交渉成功!やる気が一気に出て来たぞ。



「そこのバカップル、さっさと準備しろよ」

 いつの間にか近くにいたゾロが冷たい目でこちらを見ている。そりゃけっこう声大きかったしな。

「だ、誰がバカップルよ!」
「はいよ〜」

 俺は馬鹿にされるのは慣れたが、ナミはまだ恥ずかしいみたいだな。修行が足りんぞ。








 こうして朝からナミと一騒ぎした後に全員で地図を見ながら作戦会議をする。


「第一回!黄金見つけてウッハウハ。お空で財宝探索たいか〜い!」



「ひとまずチーム分けでもしましょうか」

 俺の宣言の後にナミが続く…スルーされても俺の心は折れないぞ。

「スルーされるって辛いよな」

「そんな悲しい目で見るな!同情してんじゃねェウソップ!!」

 あの野郎、隙あれば反撃してきやがって。


「おれは冒険に行くぞ!!」

「中には敵がいるんだろう?」

 ルフィとゾロは島に入る気まんまんだな。コイツらなら問題ないか。二人でガンガン敵を倒して貰おう。


「私も島に行って調べ事をしたいわ」

「私もです!」

 ロビンは遺跡を調べたいんだろうが…ビビは大丈夫かな?この島の敵はけっこう強そうだぞ?

「ビビ、森は危険かもしれないぞ?」

「それでも行きたいんです!」

「…分かった。ならこの笛渡しておく。ピンチになったら爺さんが飛んで来るだろうから。
 でもあんまり無理はするなよ」

「はぁ〜い」

 何か緊張感がないが、まァいいか。


「おれは船の番でもするよ。メリー号が襲われないとも限らないし」

 ウソップは黄金に興味が無い、というよりメリー号が心配なんだな。


「おれは冒険するぞー!一人前の海賊になってやるんだ!」

 チョッパーは何か決心した様な顔をしてるな…止めるのは野暮ってものだろう。

「よし、俺はチョッパーを応援してるからな」


「おれは船で待っておく。どいつもこいつも冒険に行く訳にはいかねェからな」

「了解」

 サンジが船にいるなら確かに安心は出来るな。


「私は行かないわ。頑張って黄金探してきてね」

 …黄金は欲しいけど、危険は冒したくないんだな。分かる、分かるぞ。


「俺はどっちでもいいんだが…戦力を考えると一応船に残っておくか」

「テメエ、ナミさんの側にいたいだけじゃねェのか?」

 サンジはここぞとばかりに食いついてくる。こいつホントにブレないな。

「俺はしばらくしたら敵の迎撃にでも動くよ。どうせ嫌でも来るだろうし。そん時は頼むぞサンジ」

「あん?…まァ任せておけや」

 珍しく俺がサンジを頼りにしたのが意外だったみたいだな。一応敵を倒したのは俺だし、
 エネルが来るなら俺のとこだろう。先に船に行かれて攻撃されたら洒落にならん。


 こうしてチーム分けもスムーズに終わった。



 黄金探索チーム  ルフィ・ゾロ・チョッパー・ロビン・ビビ


 船内待機チーム  ウソップ・サンジ・ナミ・ラーズ











  〜〜エネルside〜〜


 ほほぅ、青海人達は二手に分かれてくるか。あの青海人は…船に残ったか。しかしさっきの会話を
 考えるに、あの青海人は私が来る事まで予想しているのか?ヤハハハハ、面白い!
 私も神官達が行き次第行ってみるとするか。


「限りない大地に向けてのいい旅立ちになりそうだな」


 黄金はすでに「マクシム」に使った後だからあそこには残っていない。せいぜい神官達と
 サバイバルでもして貰うか。疲れ切った後に、絶望という名の真実を教えてやるとしよう。






「さあ、ゲームの始まりだ」
































「そういえば聞きたいんだけど」

「どーしたロビン?」   

「ラーズって真面目に戦った事ってあるのかしら?」

「……」
「……」
「……」
「……」

「船長さんのお兄さんと戦った時も全力じゃなかったのよね?」

「確かそう言ってましたね兄さんは」

「おれも尻尾振ってる以外見た事ないぞ!」

「ローグタウンでは全力だったみたいだが、おれも見てねェしな」

「でも今はたぶんもっと強ェぞ!」


「……」
「……」
「……」
「……」


「なんか戦ってる場面より、ナミさんに求愛してる場面の方が多い気がしてきました」

「ラーズはナミが大好きだからな!」

「今更だろ」

「そうだな!にしし」

「そうね…航海士さんを好きじゃないなんて、ラーズらしくないわね」

「ロビンさんはそれでいいんですか?」

「さて、どうでしょうね?ふふっ」




  噂話は本人のいない所で最も華が咲く。






   

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