小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ルフィside〜〜


 おれとロビンはなんか古い建物が沢山あるとこに着いた。なんだココ?黄金はねェのか?

「船長さん。私はこの辺りで調べ物をしてくるわ」

 そう言ってロビンは歩いて行った。なんか美味しいもんでもあるのか?仕方ねェからおれも適当に
 うろついてみるか。

 
 しばらくしたら前に人影が見えてきた。あいつもニセやぎか!?
 あっちもおれに気付いたみてェだな。


「よく来たな。おれの名は”空番長”ゲダツ!全能なる神・エネル様に仕える神官だ」

 なんだアイツの髪!?あれどうなってんだ?でも番長ってカッコいいな!!

「愚かな青海人よ…神に逆らった罪は重いぞ!”雲貝(ミルキーダイアル)”!」

 変な髪はいきなり空に飛んだ!アイツも空飛べんのか!?すげー!びっくりしてそれを眺めていたら、
 こっちに急降下してきやがった!

「喰らえ!ジェットパンチ!!」

 変な頭のパンチが凄いスピードで飛んで来た!

「グェッ!?」

 おれは後ろの建物に吹き飛ばされた。打撃は効かないけど、アイツのパンチ速いな!さっきまでのニセやぎとは
 大違いだ!


「おれの手には絶滅種”噴風貝(ジェットダイアル)”が仕込んである。加速された攻撃は一撃で相手を
 葬る。これぞ必殺のパンチだ」

 必殺のパンチだと!?おれを倒してないのに必殺とか言うなよ!ガレキから立ち上がると変な頭は
 意外そうな顔をしていた。

「…ジェットパンチを喰らって立ち上がるとは、案外やるようだな」

「おれはゴムだからな。打撃なんて効かねェよ」

 でも、じいちゃんとラーズのパンチは痛ェんだよな。


「今度はおれの番だ…ゴムゴムの銃!」

 変な頭に向かって拳を放つが…あっさり避けられた。なんだよアイツ!?

「貴様の攻撃は読めている…避ける事など造作も無い」

 そーいやラーズがなんか言ってたな。それなら…


「ギア”2”!」

「ぬっ!?何だその煙は!?」

「これならどうだ!?」

 おれは「剃」で変な頭の後ろに回り、構えを取る。

「ゴムゴムのJET銃!」

「ガハッ!?」

 さっきのお返しに吹き飛ばす。今のが効いたみたいで、変な頭はフラフラしている。


「バ、馬鹿なっ!?”心網”で読んでも追い切れんとは!?」

「まだまだァ!ゴムゴムのJETバズーカ!!」

「!?」

 一気に近付いて変な頭の腹に両手をめり込ませる。そのまま建物を突き破っていった。あれなら起き上がって来れねェだろ。


「アイツけっこう面白かったな!他にも面白いヤツいねェかな〜」


 それにしてもゾロ達はどこに行ってやがんだ?ちゃんと進んでこいよな全く。ひとまず周りに誰もいなさそうだし、
 弁当でも食うか!






  〜〜ロビンside〜〜


  先程から船長さんと別れて遺跡の辺りを調べてるのだけど…どうも広さと地形が違うわ。もしかしたらこの遺跡は
 島雲に侵食されてるだけなのかも。下にまで降りて調べてみるしかなさそうね。

 そうしてナイフで雲を切りながら下へ向かっていると…やっぱりね。雲の間に遺跡があるわ。
 この分だとまだ下にもありそうね。こんなに胸が躍るのはいつ以来かしら?

 遺跡の中を進んで行くと、目の前の景色が一変した。


 多少は侵食されていても、尚原型を留めている「シャンドラ」。

 
「とても800年前に滅んだ都とは思えないわ」

 シャンドラはこんなにも大きく、こんなにも雄大な姿だった。

 ココに歴史の本文はあるのかしら?ひとまず歩いて調べてみましょう。遺跡の中を探索していると、あるモノを見つけた。
 壁には見慣れた古代文字が書かれている。

「古代文字を扱えるのは、歴史の本文を書いた人々の他にいないハズ」

 古代文字を読んでみると、不思議な内容だった。



『真意を心に口を閉ざせ。我等は歴史を紡ぐ者。大鐘楼の響きと共に』



 そういえばノーランドの日誌には、確かにココに黄金の鐘があると書いていた。けど遺跡のどこにも見つからない。
 これは一体どういう事なの?ラーズは歴史の本文はこの島にあるって言ってたけど、この400年の間にどこへ
 行ってしまったのかしら?それに…

「ここの遺跡の書物の類は全て燃やされた後があるわ」

 おそらく、シャンドラの先住民達は何かしらの”敵意”に対して戦ったんだわ。そうでなければ説明がつかない。
 もしかして歴史の本文は”敵”に奪われてしまったの?大鐘楼と一緒に。

「情報によれば『四つの中心に位置する大鐘楼』があるハズなのに」

 もし、歴史の本文まで奪われていたら、黄金も一緒に奪われたのかも。


「だけど…こんなにも大きな都市が滅ぶなんて、一体過去の世界で何が起こったの?」

 悩みながら歩いていると、何かを見つけた。

「これはトロッコの軌条?まだ新しいみたいだけど…もしコレが大鐘楼を運んでいたら、歴史の本文は望めないわね」

 もしかしたら、鐘楼は空島にすら来ていないのかもしれない。でも…ラーズは言っていた。


『歴史の本文は、必ずあの神の島にある』


 ラーズは冗談でそんな事を言う人じゃない。もっと考えてみましょう。あるハズの場所に鐘楼はなくて、
 代わりにあの大きな蔓があるだけ…もしかしたら!

「後でラーズに調べて貰いましょう」


 彼なら空も飛べるし適役ね。ひとまずはこのトロッコの軌条を追って調べてみましょう。








  〜〜ナミside〜〜


 船に乗ってきた丸いデブ達をやっつけて、戦利品を手に入れるまでは順調だったんだけど、ウソップの話を聞いて
 血の気が引いた。さっきまではあんまり心配してなかったのに…

「あの変態が雷人間!?」

「…おそらくだがな。さっきから森で雷鳴も響いてるし間違いないと思う」

 さっきラーズと森に入っていった変態は悪魔の実の能力者で、しかも体自体が雷のびっくり人間だった。
 何でアイツはそんな危険な相手とばっか戦ってんのよ!?そんな事、一言も言わないで!
 もしかしたら死んじゃうかもしれないのに、何でアイツはいつも…



「…ねェウソップ、サンジ君」

「ん?」
「ナミさんどうした?」

 二人は不思議そうな顔をこっちに向けた。



「私達って…頼りないのかな?」



「!?」
「……」

 私の言葉にウソップは驚き、サンジ君は無言だった。




  ローグタウンの時だって。ううん、もっと昔…アーロンと戦った時だって。


  いつだってラーズは一人で戦っていた。


  自分が一番危険な最前線に出て。


  自分の事なんて気にせずに。


  ボロボロになっても笑ってて…




「私は全然力になれてない。もっとラーズに頼って欲しいのに。これじゃ荷物と変わらないわ」

 悔しくて悔しくて、唇を噛み締める事しか出来ない。



「……ナミ、ラーズは「ナミさん!それは違う!!」サンジ!?」

 ウソップが何か言おうとしたら、それを遮ってサンジ君が叫んだ。その大きな声にウソップも驚いていた。

「アイツは…ラーズは、確かに危ない事に優先して首を突っ込んでいくが、アイツはいつだって!おれ達の事を
 荷物なんて考えた事ねェハズだ!!アラバスタでは『一味全員で』戦ったじゃねェか!!」

「!?…サンジ君」

「おれ達を信じてくれて、おれ達が勝つと信じて任せてくれた!おれはアイツと口喧嘩してばっかだが、アイツは
 ナミさんだけじゃなくて、一味全員の事を信頼し心配している。さっきも『ココを頼む』って言った。
 今回もおれ達を頼りにしてんだよ!自分がいなくても、おれ達なら船を!仲間を守れるって!!」

「……」

 上手く言葉が出せない。




「なのに…アイツの事を一番分かってるナミさんが、アイツに一番近いナミさんがそんな事言ってちゃダメだ!!」


「例えどんなに厳しい状況になっても…ナミさんはアイツを信じてやるんだ!!!」


「!?」

 サンジ君の言うとおり…私はラーズの言葉の意味を全然理解してなかった。


「だから、ナミさんは笑顔で待ってなよ。アイツが戻ってきたら、きっと喜んでくれるさ」

 そう言ってサンジ君はタバコを吸い始めた。私なんかより、サンジ君はラーズの事を信頼していた。
 きっとウソップもサンジ君と同じ事を考えてたのね。笑顔だし。


 ラーズは私を、私達一味全員を信頼してたんだ。いつだって。今になってようやく気付いた。


「ありがとね、サンジ君」

「気にする事はねェさ。おれ達『も』アイツを信頼して待ってようぜ」

「だな!」


 私達はみんな笑っていた。ラーズなら、きっと勝ってくれるわ!私が信じてるんだから裏切らないでね!!
































「お前が熱くなるなんて珍しいな」

「うるせェウソップ。気まぐれだ」

「おれはお前の事かなり見直したぞ」

「レディーに余計な心配させる訳にはいかねェからな」

「ラーズなら、相手が神でもやってくれるさ」

「だろうな。おれは心配なんかしてねェよ」




    

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