『ナゼ、ソンナコトヲキク?』
「お前は主を守ろうとした。
それだけで信頼に値するのだがな。」
・・・主?
「待ってくれ、エリー主ってなんだよ?」
「あぁ、説明がまだだったな。
私と契約を結んだだろう?」
「あぁ。」
「そこから私はキミに『剣の王』の力を与えたんだ。」
・・・おいまて。
「剣の王?」
「あぁ、これでキミは私の魔法を使うことができる。
・・・まぁ、練習しだいだがな。」
「待て待て!!何勝手にやってるんだよ!!そんな話聞いてないぞ!?」
「我を選んだのは君だろう?なら、責任をとってもらわなければな。」
「まぁまぁ、先輩。まだ、話の続きがあるみたいですよ?」
・・・千夏の言うとおりだ。
「で、エリー働きたいってどういうことだ?」
「そうだな。簡単に説明するとエルスに主の力になってもらうだけだ。」
「どういうことですか?」
「主は契約し、戦う仲間を得る。契約したものは戦う為の力を手に入れることができるというわけだ。」
「へぇ。」
千夏が妙に納得した、ため息を漏らす。
「で、どうかね?エルス?」
『ワタシハ・・・』
エルスはしばらく動かず、黙っていた。
『・・・ショウネン、キミハドウシテホシイ?』
「俺?」
『アァ・・・』
「俺は・・・どっちでもいいよ。
ただ、一緒に戦ってくれたら頼もしいとは思うけどな。」
今、何が起こるかわからないこの世界で味方は一人でも多い方がいい。
だけど、それでエルスの意志を無視するのは嫌だ。
『ソウカ・・・イッショ・・・カ・・・』
エルスは静かに立ち上がる。
「決まったのか?」
『アァ、ワタシハショウネンタチヲマモロウ。
ソノタメノチカラ、モラエルカ?』
「ふ、わかった。」
エリーは1本の剣を持ち
-新たに剣の王に使えるものに祝福と栄光があらんことを!!-
その言葉とともにエルスに剣を突き刺した。
エルスは光に包まれる。
「コレは?」
「契約の儀だ。・・・さて、終わるぞ?」
光が晴れるとそこにいたのは、無骨な石の石像ではなかった。