小説『Lost Magic』
作者:イズミ()

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「直樹〜!!遅刻する!!」

いきなりの大声で俺は目を覚ます。
誰かが、階段を上がってくる音が聞こえる。
十中八九、香苗だろう。

「直樹、入るよ?」

ガチャっと扉が開かれ、制服姿の香苗が入ってきて・・・そして、固まった。

「どうした?香ぇ・・・」

俺も固まった、布団から俺じゃない足が出ていた。
そうだった、夜にエリーと一緒に・・・

「ちょっと、ごめんね。エリー起きてくれないかしら?」

「うぅん?・・・なんだ、香苗殿か。」

エリーは目を擦りながら起き上がる。

「うん、下に朝ごはんの用意ができているから。
先に顔を洗って食べてて。」

「わかった。」

エリーは寝ぼけながらも部屋を出ていこうとする・・・が、

「しかし、主よ。」

エリーは振り返る。

「昨晩は中々楽しませてもらったぞ?」

・・・

「あ、」

俺はその場で固まってしまった。
目の前には鬼(香苗)が立っていたからだ。

「あ〜、俺も、朝飯食べないとな・・・」

横をすり抜け下へ行こうとするが・・・

「おい、待てやコラ?」

寝間着を掴まれる。

「え、え〜っと・・・なんでござんしょ?」

しかし、振り返れない・・・いや、振り返りたくない。

「どういう話したいかわかるよねぇ?」

「あ、えぇと、ほら、もう学校じゃ・・・」

「関係ないから。」

「いや、俺皆勤賞目指しているし・・・」

「1年生の時に勝手にバックレたよね?」

・・・

「そうだっけ?」

「そうだよ。」

部屋の扉が閉められ、鍵が閉められる・・・
完璧詰んだ。

「大体ねぇ!!」

そんなわけで香苗の説教タイムが約3時間続いた。
え?学校?もちろん遅刻だったよ。

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