「けどよ、学校の生徒だろ?学校に怪異がいないのか?」
「それも、考えた。だが、人を無理やり怪異の世界に連れ込むことは並大抵の魔力じゃできないのだ。」
「けど、それだけ魔力があればできるんでしょ?」
「できるが、それだけの魔力。私だったら確実にキャッチしてる。」
まとめると、
・人の手では考えられない。
・怪異が自分の世界に連れて行くためにはたくさんの魔力が必要で、それならエリーでも気づくらしい。
・学園の生徒しか被害が出ていない。
「あ〜、ダメだ!!わかんない!!」
「そうだな、私も正直厳しい。」
エリーは眉間をおさえる。
「そういえば、怪異が人を集める理由ってなんだろう?」
「え?」
怪異が人を集める理由?
「エリー?」
「人を集める理由・・・か。」
「それは私から説明したほうがいいだろう。」
台所からエルスが出てくる。
「また、変なところから出てきて・・・」
「怪異は人への憧れが強い存在なのだ。」
「憧れ?」
「つまり、妬みだな。人への憎しみ。そして、奴らは人を乗っ取る。」
エリーはぼそりと呟く。
「乗っ取るって?」
「自分の殻と人間の魂をいれ、自分は人間の体に入り込むのだ。」
それって、
「放っておいたら、危険じゃないか!!」
「わかってる!!」
エリーが立ち上がり叫ぶ。
「だが、お前は刺せるのか!!剣で!!友の首を!!胸を!!切り裂けるのか!!」
「ッ・・・」
答える事ができなかった。
エリーの迫力に押されたのもあるが、何よりも俺の体が理解しようとしなかった。
「・・・すまない。」
エリーは申し訳なさそうに顔を伏せる。
「エリー殿、今は悲観的な考えよりもどうすればいいのか考えましょう。」
エルスがエリーを見据えて言う。
「・・・そうだったな。エルスなにか考えはあるのか?」
「いえ、ただ相手は相当ずる賢いみたいだと言うことは分かりました。」
ズル賢い・・・か、
「なんか、罠を仕掛けて捕まえられないのかな・・・」
香苗がそうつぶやいた時だった。