小説『Lost Magic』
作者:イズミ()

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1回・・・2回・・・3回とコール音が続くばかりで、香苗は電話に出てくれない。

「無駄ですよ、先ほど『あっち』へ落としてきましたからねぇ。」

もう一度、かけ直す。

「香苗・・・頼む・・・」

また、コール音がなるだけだった。

「じゃあ、ホントに・・・香苗は・・・」

膝から、力が抜ける。

「主殿!?」

エリーが隣で何かを言っている。

「エリー・・・香苗はもういないのか?」

「違う!!奴の口車に乗るな!!」

「じゃあ、なんで連絡しても・・・」

「先輩!!」

鞄の中から、人形が出てくる。

「千夏・・・?」

「あれ?まだ生きてたんだ?」

「えぇ、私は戻らないといけませんから。」

千夏は俺と怪異の間に立つ。

「エルスさん!!」

千夏の隣に白銀の甲冑が現れる。

「ふむ、随分小さくなりましたな。千夏殿。」

「今、この場でふざけてる場合じゃないかと・・・」

エルスは静かに剣を構える。

「アハハハハ!!今更あがいたってあの女はもう怪異食われてるか変わられてるよ!!」

怪異は携帯を取り出し、電話をかける。

・・・だが、その時だった。

「・・・お前は誰だ!?女は生きてるだと!?」

怪異の驚きの声を聞いて、俺は我に帰った。

何かがおかしい?

「主殿!?」

「生きてる・・・?」

怪異はこちらを目を見開き見てくる。

「香苗が生きてるのか・・・?」

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