小説『Lost Magic』
作者:イズミ()

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次に目を覚ましたら、さっきと同じ場所だった。

「あ・・・れ・・・?」

体を確かめる。
・・・なんともない?

「夢・・・だったのかな?」

廊下が騒がしい。
扉を開けて廊下に出る。

「・・・あれ?」

いつもの学校だ。
廊下を話しながら歩いていたり。
慌ただしく走り回っていたり。

「あれは・・・夢だったの?」

夢だとしたら酷い夢を見たな・・・

「直樹・・・」

なんだろう、今無性に直樹に会いたい。

「直樹・・・」

歩き出した時だった。

「ちょっと、まった。」

誰かが腕を掴んできた。
振り返ると見知らぬ生徒だった。
だげど・・・私はこの生徒を知ってる?

「少し用事があるんだけど、いいかな?」

えーっと、なんだっけ・・・

「あ、うん。」

「ここじゃ、話しにくいから教室でいいかな?」

「いいよ。」

見知らぬ生徒は私を近くの教室に入れる。

「・・・で、なんのようなの?」

「いやさ、」

気づくと、教室の中の全員が私のことを見ていた。

「また、獲物が来てくれたなって。」

「ヒッ!?」

生徒が乱暴に私の肩を掴む。

「い、いや、」

振りほどけない!?
なんで!?私と同じくらいなのに!?

「大丈夫だよ。痛くもなんともない。」

「い、嫌・・・」

-私達の世界へ・・・-

私達・・・?ま、まさか・・・

「か、怪異?」

「へぇ?知ってるんだ。」

少しだけ力が弱まる。

「今なら!!」

少し乱暴に周り生徒を引き剥がす。

「ぐぅ!?」

そうだ、そうだった。私は、私は、千夏ちゃんに騙されて!!

-39-
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