その後、いじめはどんどんエスカレートして行った。
始めは、罪悪感もあって、積極的に奈津に対して何かをすることは無かった。
当然、由梨絵以外は、奈津に対して何の感情も抱いていなかった。
しかし、それが毎日続くと、いじめが当たり前になり、
自ら行動するようになった。
始めはシカト。
それからノートや机への落書き。
上履きを隠したり、教科書を隠したり。
汚いと言って、奈津の近くにある物や、
奈津が触れたモノを避ける。
もう麻痺していたのだと思う。
奈津の困った顔がおかしくて堪らなかった。
みんながみんな、奈津の困った顔を見て笑っていた。