小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

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男女戦争





プロローグ





この話は、現代の日本から何百年も未来の日本の話。
現代と何も変わらない日本がそこにあった。そして、
スカイツリーがとっくの昔に出来上がり、相変わらずせわしなくあちこちを行き来する人々が目立つ東京。
東京も現代とは何も変わっていなかった。

いや、「何も変わってない」と言えば嘘になる。
この東京には、昔の東京とは異なる、決定的な“違い”があった。





“女性がいない”





どこを見ても女性の姿が無く、
いるのは男、男、男。

銭湯には、“男”と書いたのれんはあるものの、“女”と書いたのれんは無く、
公衆トイレには、女性用トイレが無く、
どこの店に行っても、女性用品は売っていなかった。
そして、お馴染みの日本国旗、白い旗に赤い丸の円はどこにもなく、
そのかわりに、ただ真っ青なシンプルな旗が掲げられていた。

まるで、東京には元から、“女性”という性別は存在しなかったように・・・・・。
いや、東京だけじゃない。
本州からさっぱり、“女性”は消えていた。



かわって、北海道、四国、九州、沖縄には女性しかおらず、
男性は一人もいなかった。





一体、何百年の間に、日本で何があったのか。
そして、何故男女は別れて生活するようになったのか。



その理由は、時を何年かさかのぼる事になる・・・・・。

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