小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

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二人は、自分達の今の状況も忘れ、話にふけっていた。
鉄格子の窓から差し込んでいた光も、やがて暗くなってきた。



「いやぁ、今日はあなたと話せて良かった。」加藤は言った。
「こちらこそ。・・・・・にしても、僕達の刑罰は一体何なんでしょうね・・・・・。ろくな事ではないでしょうけど・・・・・。」新が言った。

この分だと、懲役の刑か・・・・・。

檻の中と言えば、面白いものも何も無く、ただ時が過ぎるのを待つだけの場所だと思っていたが、
案外この、加藤 大が居るので苦にはならないんじゃ?と、新は感じていた。

いや、甘い考えかもしれない。
檻の中が苦にならなかったとしても、家族に会えないのには変わりはない。

再度、家族の事を思い出して落ち込む新を見て、加藤は、

「話疲れちゃいましたね・・・・・。 今日はもう寝ましょう。早いですが・・・・・。」
「そうですね・・・・・。寝ましょうか・・・・・。」新は返した。

だが、こんな気持ちでは寝れない。



家族に会いたい。




その思いが、自分を寝付かしてくれない。





加藤はゴロンと横になり、数分経つと、すぐに寝てしまった。
新も寝転んで天井を見ながらそう考えているうちに、いつのまにか眠りについていた・・・・・。

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