その男の前まで行くと、大崎は立ち止まった。
いきなりの事で、その男はピシッと背筋が伸びた。
「貴様。男の癖に弱音を吐いたな。行け。お前が先にいけっ!!!」
大崎はそう叫ぶと、その男を先頭の所まで胸ぐらを掴み無理矢理連れていった。そして、前方に蹴り飛ばした。
倒れる男。起き上がろうとするが、足が震えて立てない。
だが大崎は容赦なしに腰からピストルを取り出した。
またっ!?
新はとっさに止めに入った。
「や、やめて下さい!!もうこれ以上殺さないでくれっ!!」新は大崎の腕を掴んだが、すぐに払いのけられ、大崎は有無を言わさず発砲した。
パン!
またあの音が響いた。
が、弾は男の横をかすめた。
「早く前に進め。今度は頭に穴が開くぞ。」大崎は弾をカチッと詰め替え、男に銃口を向ける。
「ひ、ひぃ!」恐怖におちいったのか、その男は錯乱してふらつく足で逃げるように走っていった。
「あっ!!危ないっ!!!」新が叫んだが時すでに遅し。
ドーン!!!!!
爆音とともに真っ黒の煙があがる。
ドサッ!
音を立てて落ちてきたのは、足が両足吹き飛んだ男だった。
「うわーーーーー!!!!!」
Cチームから叫び声が響いた。
「こ、こんな・・・・・。」新は呆然と立ち尽くした。
男は死んだのか、ピクリとも動かない。
「フン。馬鹿めが。」大崎は見下した目で男を見た。
もう、反抗する気力もない。こいつらに何を言ってもダメなんだ。
A,Bチームからは笑い声が上がる。狂ってる。
「さぁ。お前達もこうなりたくなかったら言う通りにしろ。いいな。」大崎は新達にも銃を向けた。
Cチームも流石に黙ってしまった。
もうここまで来たら、従うしかないのだ。