小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

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第11話 戦闘開始

「では、準備が整った。空砲班。やれ。」
大崎の命令を聞き、バズーカ砲をもった兵士が空に向けてバズーカを放った。

ドーーーーーン!!!!!

爆音とともに、空に白い煙の花火が上がった。





男女戦争1日目 スタート





「ワーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
合図とともに一斉に男達は走り出した。
見ると、丘の上に数百人の人の影・・・・・。

女性だ。

何年振りだろう。女性の姿を見たのは。
だが、そう思い出に浸っている場合じゃない。ここは戦場。気の休まる場所なんてない。
それに、丘の上の女性兵士が全速力でこちらに走ってきている。
相手は本気だ。

だがCチームは中々進もうとしなかった。それもそうだ。
「何してるんだ!!お前達も進め!!怖気づく奴は容赦なく殺すぞっ!!!」大崎が叫ぶ。
それを聞き渋々進むCチーム。

「行きますか。」西田が言う。
「そうですね・・・・・。ここでとどまってても同じ事ですし・・・・・。」新も同意した。

二人は銃を構え走り出した。

女性軍と男性軍がとうとう衝突した。
ババババドドドド!と、銃声があたりに響き出す。そして、戦車も砲弾を発射する。

「女性軍の維持を見せろ!!鬼畜な男共に負けるなんて事は許されないぞ!!!」女性軍の指揮官が叫ぶ。

「うおーーーーー!!!!!」西田は人ごみの中に突っ走っていった。
「き、気をつけて下さいよ西田さん!!!」新は人ごみの前で立ち止まってしまった。新の忠告を無視し、西田は人ごみへ消えていった。
「ど、どうしたらいいんだよっ。」勇気が出ない。これ以上進んだらほんとに命が危険にさらされる。新が立ち往生していると、新の後ろにいた3人の男も行く事をためらっていた。その時、
人ごみの中から女性兵士が飛び出してきた。

「うわっ!!」新は驚く。他の男達3人も驚く。
「男は殺す!!男は!!!」そう叫びながらその女はいきなりこちらに向かい発砲してきた。
「うわっ!!!」新は背を向け逃げ出してしまった。一緒になって3人の男も走り出す。
「待てっ!!戦え!!男はそんな下等な種族だったのか!?」銃を乱射しながらこちらに走ってくる。

し、死にたくないっ!!

新は死にもの狂いで走った。その時、横を走っていた3人の一人に銃弾が命中、その場に倒れてしまった。

ヤバいヤバいヤバいよっ!!!

そして次々に横の男達は倒れていく。
ちょっと待て!!タイム!!!

「くっ、すばしっこい奴め・・・・・。今度こそ・・・・・。」女は狙いを定める。

このままじゃほんとにヤバい。やられるっ!!
新はとっさに銃を構え、撃った事のない銃を適当に女に向け乱射した。
すると、運良く命中。眉間を打ち抜いた。

「ギャー!!」ドサッとその場に倒れる女。
「や、やったのか!?」新は恐る恐る近づく。
女は目を見開きピクリとも動かない。

俺が・・・・・この手で・・・・・。

手が震えてきた。銃を下に落としてしまった。そしてその場に膝をついた。
「せ、戦争にはつきものじゃないか・・・・・。う、動け!動けよ俺の体!!」
しまいには全身が震え出した。
俺が人の命を奪ったんだ・・・・・。

そう震えているのもつかの間、新のすぐ横を流れ弾が素通りした。
「うわっ!!」とっさに地面にしゃがむ。

なんなんだよっ!!もう嫌だっ!!お願いだっ!!もう終わってくれ!!

手で頭を塞ぎながら、地面で小さくなる。
新はもう一歩も動けなくなってしまった。

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