小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

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日本の、差別的な法律はこれにはとどまらず、

2105年、
何らかの事故、病気で、子供を作れない女性を、「国の不必要」とし、強制的に収容所に連れていかれた。
そしてそこで、労働者として強制労働をさせられた。

そして、高齢者にも同じ事が言え、
「高齢化社会」もともない、一石二鳥だという事で、高齢者も強制的に収容された。




今や、日本は独裁国家と言っても過言ではない程、国民を奴隷のように扱っていた。
全国から非難の声が上がったが、昔の民主主義はどこへやら、国は国民の主張をさしのけ、少しも対策をねろうとしなかった。

差別問題はさらに深まり、各都道府県で男女の間の事件が相次いだ。



そして月日は流れ、2110年。
もう、理不尽な法律が当たり前となったいた頃、





総理大臣が暗殺された。





「JJSD」が、暗殺をくわだてたのだ。
だが、歓喜をあげる者はいなかった。
女性は洗脳され、あの理不尽な法を“当たり前”だと思っていたからだ。

すぐさま、新しい総理が発表された。
新しい総理の名前は「尾高 友春」。
とても男らしい顔つきだが、どことなくあどけなさがあった。

友春は早速、新たな法を発表した。

まず、多子化法の廃止。
女性の差別をなくすといったものだった。

女性はここでも歓喜をださなかった。

逆に不安になるものが多かった。何せ、“当たり前”だと思っていた法が今、無くなったのだ。

そして、友春は続けた。



「女性は今まで男性に差別され、苦しめられてきた。今こそ、今までの苦しみを晴らす時だっ!!」

何故この男はこんなに女性を思うのかというと、
実は、この男、戸籍上“男”であるが、実際は“元”女なのだ。

高3の時決心をし、男性になる手術をした。
学校ではいじめの対象で、友春は自殺を考えた事もあった。

自分と一緒の悩みを抱える人が必ずいる・・・・・。
自分達のような存在をもっと知って欲しい。差別をやめてほしいと、みんなに伝える為、国の人間になる事を決意した。
そして、戸籍を男に変え、無事、国の人間になる事が出来た。

それが、偶然にも、「多子化法」と重なり、
友春は、「差別」という言葉が何より嫌だった。

友春は、総理になって国を変える事を決意するのだった。

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