小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

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大勢の足跡を頼りに歩いていたので、どうにか地雷に引っかからずここまで来れたが、
もう空は真っ暗になっていた。
夜空はこれみよがしに綺麗な星空だった。

新達はようやく森を抜け、戦艦を発見出来た。
疲れ果てた足取りをどうにかここまでもってこれた。
すると、戦艦の周りを見張っていた兵士がこちらに気付き歩み寄ってきた。

銃口を向けながら・・・・・。

「おい!!貴様!!誰だ!!手を挙げろ!!」男は凄い見幕で言う。
「俺らは男だ!!仲間だよ!!」西田は手を挙げながら言う。
「ふん。Cチームの生存者か。お前らがいつから我らの仲間だって?まぁ、良いだろう。大崎さんがお待ちかねだ。行け。」
その男に誘導されながら戦艦に戻る。





戦艦に帰って来たのはいいのだが、
見覚えの無い部屋に連れてこられる。
まるで牢獄。檻が立ち並ぶ。捕虜を捕らえる場所なのだろうが、何故俺達がこんな所に・・・・・。
檻の立ち並ぶ長い廊下を歩いていると、次第に声が聞こえてくる。

「ぐわーーーーーっ!!!」
「ひーーーーーっ!!!」

何だ何だ?と、新と西田は顔を見合わせる。

声は一つの檻の中から聞こえてくる・・・・・。



見ると、大崎がムチを持ち、上半身を裸にされ正座をさせられている男を容赦なく叩く。
「ぐわっ!!!」男は血まみれになっており痛々しい傷が目に当てられない。
周りにも数人の男達がそれを震えながら見ている。
全員Cチームの奴だ。

そして大崎の手が止まる。
「おぉ。貴様ら。生きていたのか。お前達は男性軍の恥だ。ここでキツイ罰を受けてもらう。」そういうと大崎は再び男にムチを浴びせた。
西田はとっさに、
「お、俺が何したって言うんだよっ!!」と言うが、大崎は恐ろしい顔でこうきりかえした。
「お前らはなぁ!東京の方でやった運動テストがよかったから特別にここに来れているんだぞ!!本当ならお前らは一生檻の中だったんだ!!それを我が国の総理が特別に兵士として拾って下さったんだぞ!!それなのにお前達はおどおどと、何の戦力にもならん!!約50人もいたCチームは1日で数名に減ったよ!!気合が足りないからだ!!!」大崎は言うと再びムチをしならせる。
「お、俺は今日だけで何人もの女を殺したんだぞ!!頑張ったんだぞ!!俺はいいだろっ!!」この状況に巻き込まれるのはまっぴらごめんだと、西田は必死に拒否する。
「うるさい!!お前、足を怪我したぐらいで逃げただろう。死ぬ気で行けと何度いったら分かる!?足がもげようが腕がもげようが、男なら立ち向かえ!!」大崎は叫んだ。
「そんな・・・・・。」西田はその場に崩れ落ちた。

それを黙って聞いていた新は口を開かなかった。

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