小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

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第13話 戦闘二日目





北海道の海に朝日が上る。
だが、戦艦の中の檻のなかでは、未だに苦痛の叫びがとどろいていた。

「友田。来い。」大崎が言う。
新は今にも死にそうな顔で大崎の前に正座する。
そしてしなるムチ。

これが昨日の夜からずっと続いていた。
もう痛みも感じなくなっていた。背中はもう麻痺していた。

新に限らず、他の男達も同じ顔をしていた。
西田もそうだ。
一晩中こんな苦痛を耐えていたら当たり前だった。

新が終わると次は西田。黙って大崎の前で正座する。
こういう風に、全員は順番に順番にムチで叩かれた。
自分の番が来るのを待つのは精神的にきた。やられている方には悪いが1秒でも長く、その人の番が続けば・・・・・。

西田を叩き終わった大崎はふいに手を止める。
「よし。もういいだろう。これに懲りて、今日こそは男性国の恥にならぬようにな。」大崎は言って檻から出て行った。



終わった・・・・・。



Cチームの男達は全員安堵した。
「・・・・・っつ・・・・・。背中が・・・・・ひでぇ事になってる・・・・・。」西田は新を見て言う。
もう話す気力さえない新はただただ黙っていた。
「この状態で今日も戦争しないといけないのか?ふざけんなよ!!」西田は言う。
ここにいるCチームは全員で8人。あんなにいたのに・・・・・。たったそれだけしか生き残ってなかったのか。
死んでいった仲間達。その方が良かったのかもしれない。こんな苦痛を味わう位なら。

監視の兵がいきなり喋り出す。
「さぁ!グズグズするなっ!!服を着替えて出撃の準備をしろっ!!」
今日もやっぱりあるんだな・・・・・。男女戦争が・・・・・。

Cチームは渋々その場で服を着だした・・・・・のはいいのだが、
「いてっ!!・・・・・つぅ・・・・・。」西田の背中に激痛が走る。
「服着れねぇよ・・・・・。こんな傷だらけだと・・・・・。」
確かにそうだ。服が傷口に当たるだけで、痛みが生じた。
こんなんで戦闘に集中が出来る訳がない。

「何なんだよ・・・・・。」新はボソッと呟いた。

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