小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

女性軍と男性軍が衝突した。

銃撃戦が始まる。
聞くに堪えない音がこだまする。

新達は人ごみを全速力で駆け抜けた。
すると、前方に女性兵。

西田と新は顔を合わせ、一つ頷いた。
「よし・・・・・。」
そういうと、新は戸惑いなく銃を発砲した。
弾は見事、女性兵に命中した。

「ぐわっ!!!」
胸を撃たれ倒れる女。地面でもがき苦しむ。
新はそれを見て、とどめはささなかった。させなかった。

「次!行こう!!」西田が言う。
「あぁ。」新も同意し進む。
すると、目の前にいきなり戦車が現れた。女性軍のだ。
「うわっ!!」西田と新は急いでUターンし、戦車から逃げた。
次の瞬間、

ドーーーーーン!!!!!

と、凄まじい音が響き渡った。
「うわっ!!」西田と新は急いでその場にしゃがむ。
あまりの音のでかさに耳が痛い。キーンという音が耳から離れない。
「早く逃げるぞっ!!」西田は言って立ち上がる。新も立ち上がった。

そこらで爆発が起きている。
戦車のとばす砲弾だろう。いや、手璃弾の爆発か。両国とも、譲らずの戦いだった。

「ハァハァ・・・・・!!!」新と西田は、目に入った女性兵だけを相手にし、後は逃げていた。
「このままじゃ、昨日の苦痛をまた味あわないといけないぞっ!!」西田は叫んだ。
それは分かっているが・・・・・。
新達は、どう見ても男性兵達の進む方向とは逆を進んでいた。

そうだ。さっき決心したばっかりなんだ。もう逃げ出すのか?
これも家族の為。家族の為だと思えば良いんだ・・・・・。

新は立ち止まり、我に返った。
「すみません。西田さん。」新は申し訳なさそうに言った。
「いや、いいんだよ。怖いのは当たり前だからさ。」西田は気をつかった。
新は自分に渇を入れると、またUターンし、前進した。
と、次の瞬間、

ドーーーーーン!!!

新の目の前がピカッと光り、その瞬間、凄い浮遊感に襲われた。
そして、ドサッ!と地面に背中から叩きつけられた。それは西田も同じだった。

「くっ・・・・・。」新は苦痛の表情を浮かべ、背中に手をやる。
「イテッ!」ムチの怪我のせいで、痛みが尋常じゃない。
西田は大丈夫か!?新は上半身を起こし、辺りを見渡す。
すると、後ろに同じ体制で西田は地面に転げていた。
良かった。無事だったか。
が、西田は何かを見つめている。
新もその方向に目を配ると、
先ほどの光りの発生した場所だろう。大きな黒い煙がモクモクと上がっている。
これは戦車の砲弾のせいか。
それよりも、目を奪ったのが、
その煙を囲むように、男性兵が倒れていた。

手足がもげたもの、
鼓膜が破けてしまったもの、
息耐えたもの・・・・・。

砲弾の威力は凄まじかった。
自分達が無傷なのがおかしいぐらいだ。

まるで地獄絵図だ。
周りからはまだ、虫の息の男達が、「うぅ〜・・・・・。」と、うなされている。
酷い。
西田は思わず、吐いてしまった。

-36-
Copyright ©UMA.m All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える