小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

この美輪は、元はJJSD(女性人権尊重団体)のリーダーで、多くの女性を支持してきた。そして、反対に女性達に支持されてきた。
なので、美輪は簡単にこの国の総理になる事が出来た。

そして、西田歩はと言うと、
歩はJJSDの会員の一人で、最初の方で入会したので、美輪とは長い付き合いだった。
なので、美輪の秘書になる事が出来た。

男性の行う悪行が許せず、JJSDに入ったが・・・・・。





これは歩に関わらず、ほとんどの女性に言える事だが、
男性による事件で、男性の恐ろしさを思い知らされた女性は、男女決別令で歓喜した。
だが、実際男女が引き離され、離れ離れになってしまい、女性達が冷静になって考えてみると、
確かに、男というのは酷い生き物だ。
だが、思えば周りには、

父親


子供
夫など、
大切な男というのも存在していた。

だが、男性の恐怖に怯えていた女性は、一刻も男性から離れたいという気持ちだけだった。

実際に決別してみると、やっぱりこれは間違いなんじゃ・・・・・と、後悔するものも後をたたなかった。
それは歩も同じ考えだった。

私には兄と父親がいる。
男女決別令当日、
私は二人に酷い事を言って家を飛び出してしまった。

“おいっ!!歩!!行くなっ!!”兄、西田輝幸が必死に止めてきた。

“ほっといてよ!!私はもう、男と一緒にいるなんて耐えられないのっ!!”

“お願いだ歩!!お前は俺が守ってやるから!!お願いだから行かないでくれっ!!俺一人にしないでくれっ”

“いやっ!!お兄ちゃんだって、どうせ女性を人として見てないんでしょ!!”

そう言って私は赤いバスに乗り込んだ。



今になって悪いと思っている。
あの時の私はどうかしてたんだ。
お兄ちゃんに会いたい。お父さんに会いたい。

勿論、歩には父親が死んだ事、兄が戦争にかりだされている事など知る由もなかった。

「どうした?歩。」美輪は尋ねた。
この人には大切な男性というのがいないから・・・・・。
私の気持ちは分かるはずない。
「いえ、なんでも。」歩は切り替えした。

-38-
Copyright ©UMA.m All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える