小説『男女戦争』
作者:UMA.m()

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第2章 開始





2110年。
東京。
友春の演説の次の日、
朝早く、サイレンの音でみなは飛び起きた。

東京の各地に真っ赤なバスが出現し、サイレンを鳴らしながら、
「女性の皆さん、おはようございます。 男女決別令により、女性の皆さんは、北海道、四国、九州、沖縄に移転されます。」
それを聞いた女性は急いで支度をし、バスに逃げるように乗り込んだ。
移転を嫌がった女性もいたが、強制的にバスに乗り込まされた。

反対に、北海道、四国、九州、沖縄にいた男性にも、青いバスが同じくサイレンを鳴らしながら男性を向かえに来た。

バスのサイレンは全国で響いた。



完全に、日本は“男”と“女”で分かれてしまったのだ。



国会議事堂は本州にあったので、沖縄の方に、女性用の国会議事堂が造られた。
これで、男と女、別々の法で生きていく事が出来る。





勿論、家族や恋人をもった者もいた。が、
無理矢理引き離され、本州には女性、北海道、四国、九州、沖縄には男性が消えた。
友春は本州に残る事になった。
友春の考えた令でも、やはり、男にあたる友春は、一切女性の国に関わる事が出来なくなった。
女性の国は、完全に本州から独立したのだ。

空港も鉄道も、女性の国に行く手段は全て絶たれた。





女性と男性は、もう別の生き物になっていた。

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